こんにちは! クリスク・ベトナムのリエンです。
前回は、世界中で注目されている音声メディアの現状について紹介してきましたが、今回は筆者が住むベトナムに的を絞って紹介したいと思います。 前回記事:日本人は知らない? 拡大する音声メディア市場とその可能性
ベトナムにおける音声メディアの現状
ベトナムでは、オーディオブックの利用率は日本の2倍以上、ポッドキャストは日本の3倍の利用率となっています。
また、同調査によると、ベトナムはスマートフォン・スマートホームデバイスの所有率も日本を上回ります。
▼ベトナムのデバイスの所有率(調査対象:16~64歳のインターネットユーザー)
ベトナム
日本
スマートフォン
97.6%
92.6%
スマートホームデバイス
18.6%
5.1%
引用元: We Are Social ※表はクリスクによるまとめ
ただ、音声SNSはまだベトナムではあまり利用されていません。 しかし音声メディア自体は日本よりも広く親しまれているため、今後は関連ビジネスを含めた音声市場の発展が見込まれます。
ベトナムで今後伸びると予想される音声メディアジャンル
ベトナム市場では、現在でも人気のオーディオブックと、ポッドキャストが今後も伸びると予想されます。 では、それぞれ一体どういった点が人気に繋がっているのか、ビジネスとしてなぜ伸びる余地が大きいのか説明していきましょう。
オーディオブックで読書が有料コンテンツに変わる
以前、「どの漫画が人気? 電子書籍は? ベトナムでの日本漫画の普及と現状 」という記事で紹介したように、ベトナムは海賊版が横行しているため電子書籍の発展が困難な市場です。
しかし、新しい読書のスタイルとして登場したオーディオブックは、今後の有料コンテンツの発展に貢献すると期待されています。
中でも注目されているのが、Fonos(フォノス)というベトナム国内のオーディオブックサービスです。
2020年4月にサービスを開始したFonos(フォノス)は、認知・定着度はまだ低いにもかかわらず、サービス開始から約1ヶ月で10万ユーザーを達成し、ベトナム最大のオーディオブック配信サービスの一つになりました。
引用元: https://fonos.vn/
Fonos(フォノス)は、会員登録をすると100冊以上のベストセラー作品など、版権を取得し音声化された作品を購入できるようになります。 オーディオブックのみならず、有料メンバーシップ会員限定のEbookや座禅の音声ガイド、ラジオなど音声コンテンツも提供しています。
ベトナムのデジタルニュースサイトZing Newsによると、Fonos(フォノス)の外務局長Thai Minh Chau 氏の発表として、2021年末の月間収益は年初に比べて6倍になり、アプリダウンロード数が30万件を突破しユーザーが継続的に増加していると報じられています。
広告を飛ばさないポッドキャストユーザー
シンガポールの調査会社Kepiosがまとめた「1日あたりのメディア視聴時間」の調査結果によると、平日1日におけるベトナム人(16〜64歳)のインターネットの利用時間は、約6時間38分になることがわかりました。
そのうち44分をポッドキャストが占めています(日本は12分)。
また、音声メディアの人気から、多くのベトナムのニュースサイトは、ポッドキャストサービスに限らず「音声で読める」機能を付けるようになってきました。ベトナムで最も読まれるニュースサイトである「VNExpress」はポッドキャストのサービスを提供しており、記事1本1本にコメント欄も用意されています。
なお、ベトナムでのApple Podcastの人気ランキングを見ると、トップ5のうち3つはインフルエンサーの個人チャンネルが占めています。
引用元:2022年3月8日時点のベトナムのApple Podcastランキング
なお、ポッドキャストでは視聴者は広告をスキップしない傾向が強い ことがわかっています。
ベトナムの調査会社EloQ Communicationsによる調査では、ポッドキャスト視聴者の77%が広告をスキップしないという結果に。またアメリカの調査会社Edison ResearchおよびNational Public Mediaの共同調査でも、65%の聴取者が広告を聞いていることが判明しています。
こういった点からも、ポッドキャスト広告は今後のマーケティングにおける有効な選択肢の1つになるでしょう。
ポッドキャストのホストは、視聴者と直接コミュニケーションを取ることで視聴者との「つながり」と「親密さ」を生み出し、広告を自然に届けることができます。
まとめ
音声メディアは、新しいコミュニケーション手段として今後ますます拡大し続け、視聴者の日常生活の身近な部分につながっていくと予想されます。
エンターテインメントや教育分野での活用にとどまらず、市場の盛り上がりに伴い周辺ビジネスも盛り上がってきそうですね。うまく使えば、音声メディアは今後の欠かせないマーケティングツールになるはずです。 クリスクでは、あらゆるSNSやメディアを通じて東南アジアでのマーケティングをお手伝いさせて頂きます。ご希望の方は、ぜひクリスクにご相談ください!
参考)Thị trường sách nói ở Việt Nam phát triển mạnh – Tin tức xuất bản Digital 2022: Vietnam — DataReportal – Global Digital Insights Thống Kê Số Lượng Kênh Podcast Việt Mới Phát Hành Giai Đoạn Từ 2019 Đến 2021 – | Blog – Liulo.fm – Podcast & Audio Platform Tiềm năng của Podcast tại Việt Nam – EloQ’s Blog Radio: Live On Air and Everywhere | National Public Media (ご登録後にご覧いただけます)
▼東南アジアでは有効!?ポッドキャストを活用したプロモーション事例はこちらから 日本人は知らない? 拡大する音声メディア市場とその可能性 ポッドキャスト利用率世界第2位!インドネシアの音声メディア事情とマーケ活用事例 2021年最新!台湾のインフルエンサートレンドは「ポッドキャスト」と「会員制」 Podcastが世界で人気上昇!音声メディアの可能性に要注目
(執筆:Vu Thi Phuong Lien 編集:クリスク海外事業部)