こんにちは! クリスク・インドネシアのタニアです。
日本で暮らしていると実感しにくいかも知れませんが、ポッドキャストや音声SNSなどの音声メディアのトレンドは世界中でますます盛り上がっており、新たな配信プラットフォームや制作ツールも増えています。
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特に、筆者の住むインドネシアは、ポッドキャストの利用率が35.6%と非常に高く、ブラジルの37.0%に次ぐ世界第2位の利用率となっています。(イギリスの調査会社GWIによる2021年の調査結果より)
なお、この利用率は、日本におけるAndroidユーザーの割合(33.25%)とほぼ同じとなっています。
▼インドネシアと日本の音声コンテンツの利用率
|
ポッドキャスト |
オーディオブック |
インドネシア |
35.6% |
11.2% |
日本 |
4.5% |
10.5% |
「毎週利用している」と答えた割合
引用元: DataReportal
※表はクリスクによるまとめ
そもそも、ポッドキャストと言われるとiTunesを想像してしまう日本人とは異なり、
インドネシアではSpotifyとGoogle Podcastsが二大プラットフォームとなっています。(インドネシアの調査会社Populixによる2020年の発表より)
なぜインドネシアでは、こんなにポッドキャストが人気となったのでしょうか。
パンデミックで需要が高まったエンターテインメント
ポッドキャストの人気が急上昇したきっかけの1つは、2020年のパンデミックです。インドネシアのウェブメディアValidnewsによると、画面を見る必要がない音声コンテンツは、自宅勤務中の娯楽として需要が高まりました。
また、ポッドキャストは音声のみであるという特徴から、自分に直接語りかけているような感覚が強く、親密さを感じさせられるメディアであること点から、パンデミックに疲れたインドネシア人の心を捉えたと言えるでしょう。
自由なスタイルで若者人気を獲得
また、ポッドキャストは、インドネシアの若者を取り込むことに成功しました。インドネシアの調査会社Jakpatが2021年に発表したデータによると、インドネシアのポッドキャストリスナーの6割以上は30歳未満です。
インドネシアのウェブメディアRECTMediaは、ポッドキャストにはラジオのような倫理規定が存在しないゆえに、トピック選びも発信スタイルも自由でカジュアルであると解説しています。
ポッドキャストは革新的なメディアとして、インドネシアの若者に大いに受け入れられています。
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ポッドキャストを活用したマーケティング事例
ポッドキャストブームを受けて、インドネシアでもポッドキャストをプロモーションに活用する事例が増えています。
企業とのコラボレーション事例:Belagu Podcast × Orang Tua
ポッドキャスト番組:Podcast BelaguSpotify
Instagram フォロワー数:1,200人
Belagu Podcastは、日常生活や恋愛に関するトークが人気のポッドキャストです。下記のエピソードでは、アルコール飲料のブランドOrang Tuaとコラボし、最後に製品の宣伝を挟んでいます。
YouTuberのポッドキャスト進出例:Deddy Corbuzier
ポッドキャスト番組:Close The Door
Instagram フォロワー数:8万9300人(番組)
Instagram フォロワー数:1,105万人(個人)
Youtube フォロワー数:1,850万人
Deddy Corbuzierは、1998年から2015年までマジシャンとして活躍したのち、プレゼンター兼YouTuberとして活動しています。
YouTubeとは別に、2019年にSpotifyでも動画配信を開始しました。自身のポッドキャストの切り抜きをInstagramでもアップしており、視覚でも楽しめるオーディオコンテンツに力を入れていることがわかります。
Deddy Corbuzierポッドキャストの切り抜き
なぜポッドキャストはマーケティングに有効なのか?
アメリカの調査会社The Nielsen Companyによると、ポッドキャスト広告を番組のホストが読み上げることで、リスナーのブランド想起率を71%増加させる効果があるとのことです。
また、GWIによる調査では、インドネシアのインターネットユーザーの12.4%がポッドキャスト番組の広告、またはスポンサードコンテンツを通じてブランドを発見したことがあると回答しています。
ポッドキャストは、リスナーがトピック選びや番組の進行に関わる機会を通じて、親密さを感じやすいため、筆者も、ホストや憧れのインフルエンサーが宣伝する広告に、ついつい耳を傾けてしまった経験があります。
インドネシアの国産音声SNS「NOICE」
インドネシア国内では、インドネシアのラジオ局Mahaka Radioによって開発された音声SNS、「NOICE(ノイス)」も非常に人気があります。
NOICEアプリ紹介動画
ポッドキャストの人気ぶりをヒントに2018年にローンチされたNOICEは、2021年末にはインドネシア全土で100万人のユーザーを獲得しました。
NOICEには、100以上のオリジナル番組のほか、ClubhouseやTwitterスペースのような、配信者とリスナーがリアルタイムで話せるライブオーディオ機能もあります。
また、ポッドキャストやラジオ、オーディオブックまでアプリ1つでアクセスできるのが特徴です。
筆者の知る限り、現時点でここまで多くの音声メディアを集約したインドネシアの音声コンテンツプラットフォームはNOICEだけであるため、今後も国内での人気は高まっていくと予想されます。
まとめ
音声メディアは、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも何をしていても聞くことができます。
ユーザーに寄り添える音声メディアを広告媒体として使うことで、マーケティングの可能性は広がります。特に、ポッドキャストの聴取率世界第2位を誇るインドネシアでは、マーケティングの有力な選択肢の1つであると言えるでしょう。
インドネシアでのビジネス拡大やプロモーションをお考えの方は、お気軽にクリスクまでご相談ください。
参考)
Tren Podcast Masih Akan Terus Bertumbuh
Mobile Habit 2020 – JAKPAT Survey Report – JAKPAT (※登録後にご覧になれます)
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Podcast advertising develops in step with Asia’s growing audiences
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(執筆:Tania Paramita 編集:クリスク海外事業部)