みなさん、こんにちは。クリスク・マレーシアのヌルルです!
日常で使われているアプリとユーザーのライフスタイルは深く関係しています。
また、マレーシアは日本人の約3倍の時間(4時間49分)、モバイルデバイスでネット接続をしているという調査データもあります。そのため、スマホアプリの使用率も高くなっており、アプリへの理解はマーケティングにおいても大切な要素です。
そこで今回は、マレーシアで人気のアプリと、なぜ人気なのかをライフスタイルの解説と共に紹介したいと思います。
ではまず、マレーシアの人気のアプリランキングを見てみましょう。
マレーシア・日本のアクティブユーザー数が多いアプリランキング(2022.08.19時点)
Facebook, Google, YouTube、Instagram…と日本でもお馴染みのアプリも見られるものの、顔ぶれは少々異なります。
特にSNS・メッセンジャーアプリの違いは明確です。日本ではLINEが主流ですが、マレーシアではWhatsAppが圧倒的に多く使われています。9位のTelegramもマレーシアでは大人気のSNSです。
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SNSやメッセンジャーアプリでの複数人のやり取りには「グループ機能」を利用しますよね。
マレーシア人の人づきあいは日本人より広く、コミュニティが大規模になりがちです。そのため、参加人数が2桁〜3桁のグループは珍しくありません。例えば、いとこやはとことも日常的に連絡を取り合うため、筆者の「家族グループ」の参加人数は26人です。これは父方のグループで、母方でも同じようなグループチャットが存在しています。
その他にも職場グループ、子供の学校グループ、住んでいるコンドミニアム(日本の「マンション」に該当)のグループなども。筆者のSNSは、とにかく大人数のグループチャットで溢れかえっています。
マレーシアでは、もともと学校との連絡や子供に関する情報共有はFacebookが主流でした。
しかし、個人情報保護などの観点から、連絡ツールは在校生の親のみ参加できるグループチャットへと切り替わっています。
クラス毎の連絡や情報共有はWhatsAppですが、グループの最大人数512人(2022年8月現在)のWhatsAppでは「学校全体」グループを作れません。
そのため、学校全体の情報や写真共有には、グループの最大参加人数20万人のメッセンジャーアプリ「Telegram」が使われています。
Telegramは1グループへの参加人数が多いだけでなく、写真を高画質のまま送信できるため、近年マレーシアでじわじわと人気上昇中です。
マレーシアでは、近隣住民との交流が日本よりも親密なため、SNS上の近隣住民グループでも大規模でフランクなコミュニケーションが行われます。
そしてなんと、「一般連絡用(回覧板)」とは別に、「ご飯用」のグループもあります。「ご飯用」グループで実際に交わされたやり取りをご紹介しますね。
投稿者:
今週日曜日13:00のランチにMEE MAMAK(焼きそば)を作るので、注文を受け付けます!
チキン RM8.50(約260円)
ベジタリアン RM8.00(約240円)
回答者:
名前・ユニット番号・個数・チキン or ベジタリアン
筆者は共働きなので、一般のフードデリバリーよりも安心で温かみのある「ご飯用」グループはとても便利です。
このようなやり取りをリアルタイムで交わせるメッセンジャーアプリとして、Whatsappはマレーシア人の生活に欠かせないSNSとなっています。
マレーシアでは車が重要な移動手段なので、車の中で使えるスマホアプリは欠かせません。
筆者の場合、運転中はSpotifyで音楽を聴きながら、道路情報/経路案内アプリ「Waze」で渋滞状況を確認します。そして、高速道路の料金所や目的地の駐車場ではキャッシュレス決済アプリ「Touch‘n Go」で支払います。
このように、家を出てから目的地までずっと何らかのアプリを立ち上げています。
最近のマレーシアでは、キャッシュレス決済アプリを使ってポイントを貯める人が増えています。そんなマレーシアで今人気の電子マネーアプリが、Grab、Touch’n Go、Shopee Pay。
Shopee Payは大手オンラインショッピングモール「Shopee」が運営するキャッシュレス決済アプリです。Shopeeは実店舗で使えるクーポンも多く揃うため、現金やデビットカード以上にお得になることもしばしばあります。
また、フードデリバリーに加えて電子マネーアプリでもあるGrabでは、たまに店頭受け取りで10%OFFキャンペーンが開催されます。そのおかげか、ショッピング中にGrabで注文した料理を帰り道で受け取る人も多いです。
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マレーシア発の決済アプリ Grab Pay、Boost、Razer Payを使ってみた!
日常的にアプリを使いまくるマレーシア人にとって、毎回別のアプリを立ち上げるのは面倒です。必然的に、1つのアプリでなんでもこなせる多機能アプリが人気を集めています。
キャッシュレス決済アプリ「Touch’n Go」は、2022年時点で唯一マレーシアの高速道路の料金所で使えます。さらに駐車場の支払い、鉄道やバスの運賃、一般的な電子マネー決済に加え、個人ローンサービスまで提供されています。
フードデリバリーサービスでも、マレーシアでシェアNo.1だった「Foodpanda」を、配車サービス・フードデリバリー・電子マネー機能を持つ「Grab」が猛追しています。
ユーザーにとっては、1つのアプリで何でもこなせて便利です。一方で、1つの機能に特化したアプリの場合、WazeやSpotifyのようにユーザーの利便性を突き詰めないと、マレーシアで生き残るのは厳しいかも知れません。
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同日配送可能が人気! マレーシアの宅配・デリバリーサービス紹介(Lalamove、Grab、Pgeon)
今回は、日本よりも「コミュニケーションが大規模かつ親密」「車移動が多い」「キャッシュレス決済が当たり前」「アプリを使いまくり」なマレーシア人に幅広く受け入れられているアプリをご紹介しました。
ここまでスマホアプリが生活に密着していると、マレーシアでのプロモーションではモバイルデバイス上の接点を作りたくなりますよね。SNSやアプリ広告、インフルエンサーマーケティングがかなり有効になるのではないでしょうか。
ということで、次回はSNSを含めたマレーシアの広告について詳しくご紹介します。お楽しみに!
参考)
・Digital 2022: Malaysia —— DataReportal – Global Digital Insights
・Digital 2022: Japan —— DataReportal – Global Digital Insights
(執筆:Nurul Asyikin 編集:クリスク海外事業部)