こんにちは、クリスク・ジャパンの劉(リュウ)です。
「台湾人がよく使っているアプリ」のランキングを以前の記事でご紹介しました。
▼5万人に聞いた!台湾人が日常使いするアプリから探る台湾人のライフスタイル
台湾人がよく使うアプリの年代別ランキング(コミュニティ・コミュニケーション)
順位 |
~小学生・中学生 |
高校生・大学生 |
社会人~ |
1 |
Instagram |
Instagram |
LINE |
2 |
YouTube |
YouTube |
YouTube |
3 |
Facebook Messenger |
LINE |
Facebook |
4 |
Facebook |
Facebook |
Instagram |
5 |
LINE |
Dcard |
Facebook Messenger |
台湾人がよく使うアプリの年代別ランキング(教育・ビジネス以外)
順位 |
~小学生・中学生 |
高校生・大学生 |
社会人~ |
1 |
TikTok |
Shopee(オンラインショッピング) |
Shopee(オンラインショッピング) |
2 |
Shopee(オンラインショッピング) |
foodpanda(フードデリバリー) |
foodpanda(フードデリバリー) |
3 |
Zenly |
Zenly |
Netflix |
4 |
Arena of Valor(オンラインバトルゲーム) |
Netflix |
UberEats |
5 |
全民Party(ソーシャルカラオケ) |
TikTok |
KKBOX(音楽ストリーミング) |
引用元:蔡阿嘎による2021年9月10日の投稿
このような「人気アプリランキング」に登場するアプリは、本当に使われているのでしょうか? また、どういった場面で使われることが多いのでしょうか。
そこで、台湾在住の知人と家族、計3名からスマホ画面を見せてもらい、利用状況をヒアリングしてみました!
「YouTubeはほぼテレビの代わり」20代女性Aさんの場合
|
・女性 ・大学3年生 20代 ・台北市近郊の実家在住 ・大学・バイト先への行き帰りは車 |
Aさんのスマホキャプチャ。人気ランキングに入っているアプリと同じなのは、SNSでは、Instagram、YouTube、LINE、Facebook。
それ以外では、Shopee、Netflixを利用しているそう。
── SNSアプリがいくつか入ってますね。
毎日必ずチェックしているのはLINEとFacebookです。家族や友達以外にも、バイトや学校に関するグループ・連絡先がLINEとFacebookにあるので、結局毎日LINEとFacebook Messengerをチェックするはめになっています。
── 台湾の大学生の間で流行っている「Dcard」は使っていないんですか?
あまりチェックしていません……。結構コメント欄が荒れがちだし、よく炎上しているので。
── YouTubeもNetflixも入っていて、スマホで動画を見ることが多いんですか?
YouTubeはほぼテレビの代わりですね。バラエティ番組をよく観ています。もちろん好きなYouTuberはフォローしています。
── 車移動が多そうですが、欠かせないアプリはありますか?
「停車大聲公」というアプリで、今自分がいる場所に近い駐車場の空き状況がリアルタイムでわかるので、よく使っています。
車の中ではポッドキャストをよく聴いています。好きな番組はアプリを立ち上げなくてもすぐ聴けるよう、ウィジェットで常駐させています。
【筆者注:車やバイク通勤の台湾人が多い一方、台北市内の駐車場は少ないので、確かにニーズは多そうです】
(引用元:Google Play「停車大聲公」ページ)
「仕事ではFBメッセンジャー、趣味では…」30代女性Bさんの場合
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・女性 ・社会人7年目、30代 ・台北市近郊の賃貸アパート在住 ・電車とバスで通勤 |
Bさんのスマホキャプチャ。人気ランキングに入っているアプリと同じなのは、SNSでは、LINE、Facebook、Instagram、Facebook Messenger。
それ以外では、UberEatsを利用しているそう。
── よく利用するSNSアプリはなんですか?
LINEとFacebook Messengerは仕事でよく使っています。社内グループもありますし、上司との打ち合わせでも使います。あと、社外でもクライアントとのやりとりなどで使っていますね。
── お仕事でも使うんですね!ほかにも、日本では見かけないSNSがいくつかあるんですけど……
「Plurk(噗浪、プルク)」では日常のいろんなことをよくつぶやいていますね。TwitterでJ-Popアイドル情報をチェックしつつ、趣味友との交流はPlurkでしています。
【筆者注:「Plurk」は台湾版Twitterとも言われています。リア友とつながる以外に、アニメ、漫画、アイドル、J-Pop、サッカーなど幅広い界隈でファン同士の交流が行われています】
▼日本では知られていない台湾のSNS「Plurk」の詳細はこちらから
【台湾最新SNS事情】 ローカルに人気のSNS「Dcard」「Plurk」って?
(引用元:Google Play「Plurk」ページ)
あと、「JPTT」でPTT(台湾の匿名掲示板)を見てます。ステマが無いぶん、他のSNSよりも本音の口コミやレビューが見られるので、買い物する前によくチェックしますね。
【筆者注:「PTT批踢踢實業坊」は日本の5ちゃんねるのような匿名掲示板です。25年以上の歴史の中で数々のニュースや流行語が生まれ、台湾の社会や政治にも巨大な影響を与えています。
選挙結果や災害など、リアルタイムで情報を得たい時にもアクセス数が増える傾向があります】
(引用元:Google Play「JPTT – 行動裝置也能輕鬆瀏覽PTT!」ページ)
── なるほど。YouTubeは見ないんですか?
もっと短い動画にハマっているので、InstagramのリールやTwitter動画を見ていることの方が多いですね。
── 交通系のアプリも利用しているんですね。
基本、自分が乗りたいバスがあと何分で着くのかのチェックは絶対ですね。
【筆者注:台湾のバスはあまり時刻表通りに到着しません。Googleマップのルート検索でも、バスを使うルートではほとんどの場合ズレが生じます】
── 普段は電車とバスで通勤しているそうですが、Uberはいつ使うのでしょうか?
通勤のメインは電車とバスですが、時々Uberも使いますよ。
あと、休日もUberで台北市内まで遊びに行きます。
【筆者注:台湾のタクシー代は初乗り料金が300円弱と、日本よりもかなりリーズナブルです。
筆者自身も、台湾では通勤にも遊びにもUberを使っていましたが、日本に来てからの4年間では一度も使っていません】
「病院も薬もスマホで」60代男性Cさんの場合
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・男性 ・定年退職、60代 ・筆者の父親 ・マイカー無し ・一人暮らし |
Cさんのスマホキャプチャ。人気ランキングに入っているアプリと同じなのは、SNSでは、LINE、YouTube、Facebook、Instagram。
それ以外のものでは利用しているものはないそう。
── SNSを結構使っているんだね。
FacebookとLINEは毎日チェックしてるよ。
LINEは我々家族の間でよく使ってるでしょ。あと、昔の同級生とFacebook上で再会することがよくあるから、その後の連絡もだいたいFacebookになってるかなぁ。
── Instagramはなんのために使ってるの?
もっぱら娘(筆者)のアカウントチェック用だね。離れて住んでる娘が日本で何をしてるのか、気になるよ!
── ヘルスケア系のアプリもいくつかあるね。
病院の待ち時間が長いから、自分の順番が来るまでの人数や呼び出し番号をチェックできる「看診進度」はやっぱり使うよね。
(引用元:Google Play「看診進度」ページ)
あと、いつもお世話になっている薬局のアプリ「大樹健康」で、そろそろ薬が必要な時期だよってリマインドしてくれるから。
窓口の時間もたいていアプリで予約して行くね。
(引用元:Google Play「大樹健康GO」ページ)
【筆者注:台湾の健康保険料は世界的に安いため、医療機関の営業時間が長いにも関わらず、いつも混雑しています。そのため、長く待たせない通知機能や予約機能を備えたアプリが各社からリリースされています】
── フードデリバリーは使わないんだ?
一人暮らしだから、自炊も苦にならないんだよね。スーパーの安売りもいつもアプリでチェックしてるよ。
【筆者注:筆者の父親がよく通うスーパー「全聯(PX Mart)」は台湾最大のチェーンで、安売り情報やクーポンはすべてアプリ上で発行されています。
また、モバイル決済も自社開発アプリ「PXPay(全聯支付)」のみ使用可能となっており、しっかりとユーザーを囲い込んでいるようです】
── 堅実だね。投資のアプリもあるけど、投資してるんだ?
投資は定年退職後の趣味の1つになったね。「Yahoo股票」や「中信點富」を使っているけど、情報収集も注文もだいたいアプリだね。
まとめ
世代が異なる台湾人3人のアプリ事情はいかがでしたか?
ライフスタイルの違いが、日常使いするアプリの違いにも反映されていますね。一方で、Facebook、LINE、YouTubeはあらゆる世代で使われていて、台湾人の日常にSNSは欠かせないと改めて感じました。
台湾でビジネスを展開する際に、当然台湾人の文化や生活を調べることになるでしょう。巷にあふれる市場調査やデータの他にも、台湾人のアプリの使い方をヒアリングすることで、思いもよらない生活習慣や行動様式が見つかる可能性もあります。
クリスクは東南アジア各国や台湾の現地人スタッフにより、より現地の人に響くマーケティングをご提案することが可能です。ぜひお気軽にご相談ください!
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(執筆:Liu Tzu-Yi 編集:クリスク海外事業部)