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韓国人は日本で何をしたい?訪日プロモーションの達人がペルソナ・ニーズ・トレンドを解説!

インバウンド熱が高まる今、最も訪日数の多い韓国人観光客に向けた対策はマストとなっています。今回は、訪日韓国人のペルソナをもとに、日本への旅行におけるニーズや2024-2025年のトレンドを詳しく解説します。

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韓国人は日本で何をしたい?訪日プロモーションの達人がペルソナ・ニーズ・トレンドを解説!
12:25

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今、訪日外国人の中でも人数が多いのが、韓国からの旅行者です。JNTO(日本政府観光局)の調べでは、2024年は9月までの累計で646万8600人が訪れており、このペースでいけば年間850万人ほどの訪日数に上ることが予想されます。

インバウンド関連のビジネスでは、訪日韓国人への対応は欠かせないものとなっていますが、これからマーケティングに取り組む場合にはどのようなことを知っておくとよいのでしょうか。

今回も、日本全国の自治体での訪日プロモーション経験を持つ、クリスクの韓国パートナー、ドンさんに詳しく伺ってみました。自治体の観光担当者、観光関連の企業のみなさんなど、インバウンドを担当されるみなさんには、ぜひ現在のニーズやトレンドを押さえて施策に活かしていただければと思います。

郑様

DONG HYUN LEE 様
TAG EIGHT合同会社  CEO&CREATIVE DIRECTOR

法政大学大学院卒業後、旅行会社でマーケティングを担当。広告業界への転身後は、韓国・台湾・香港・マレーシア・インドネシア・タイ・フランス・イタリアなどグローバル市場での広告戦略に携わる。 独立後、韓国・台湾・日本のwebマーケティング〜広告代理業を展開するTAG EIGHT合同会社を設立。訪日プロモーションに協力した日本の自治体は47都道府県のほとんどに上る。
https://tag-8.com/

 

知っておきたい韓国人の国民性・インサイト・トレンド

訪日韓国人について具体的に掘り下げる前に、訪日韓国人について今知っておきたいことやトレンドの変化を伺いました。

① 韓国人の海外旅行先:「日本 = 東南アジア」!?

クリスク
クリスク

まずは、訪日韓国人を知る上で押さえておきたいことを教えてください。

そもそも、訪日韓国人にとって、日本は今どういった立ち位置なのでしょうか?

ドンさん
ドンさん

韓国人の旅行先としては、日本はほぼ東南アジアと同じ立ち位置かもしれません。

MZ世代(10〜20代)への意識調査では、日本旅行は「東南アジア旅行だと思っている」との回答が多かったんです。
円安もあって、日本旅行には高級感を感じなくなり、お手頃な海外旅行になっているんですね。

LCCで気軽に行けたり、ショッピングも韓国より安かったりと、以前の「日本すごい!」と思われていた頃とは変わってきています。

クリスク
クリスク

30代以上の訪日韓国人にとっても同じでしょうか?

ドンさん
ドンさん

家族構成によっても異なると思います。

韓国では平均婚姻年齢が高くなっていて、30〜40代で結婚する人が増えています。
その世代は、日本のドラマやJ-POPにも詳しく、家電の品質やサービスの水準などで日本が憧れられていた時代を知っています。

そうした日本の文化を子どもにも見せたい、韓国にはない文化を学ばせたいというニーズもあるんです。

クリスク
クリスク

弊社が先日お手伝いした展示会のブースへの来場者も、10〜20代もしくは子連れの30代が多かったそうで、今のお話と一致しますね。

そうなると、訪日旅行のボリューム層が求めることも今後変わってくるでしょうから、こちらからのアプローチも変えていかなくてはなりませんね。

 

② 日本食ブームが本格到来

クリスク
クリスク

今、韓国国内での日本に関するトレンドは何かありますか?

ドンさん
ドンさん

韓国では今、日本の居酒屋が増加中で、日本語の看板だらけになってきています。
炉端焼きなども人気なので、「日本で食べたい」「日本の居酒屋に行きたい」という需要は高まってくるでしょう。

そして、韓国国内で日本の居酒屋に慣れてくると、日本に行ったときにもお店に入るのに勇気がいらなくなりますし、メニューにも慣れれば詳しい説明が不要になります。
実際、今は「みそラーメン」や「背脂」などのラーメン関係の言葉は、日本語そのままで通じるようになっていますよ。

クリスク
クリスク

日本食に対する認知が「お寿司」「ラーメン」より先に進んでいる訳ですね。

日本の居酒屋が韓国国内で定着しつつあるということは、居酒屋で食べられるような日本食は観光の目玉になりえますよね。
日本食を入り口としたインバウンドプロモーションを仕掛けやすくなっているかもしれませんね。

 

③ 『みんなやってる』が正義

ドンさん
ドンさん

韓国には「국룰(ククルール)」という言葉があって、これは直訳すると「国ルール」となります。
意味としては、「みんながやっていることが正義」というニュアンスです。
多数派の行動に置いていかれたくないと考える韓国人が多いんですね。

特に若い人はその傾向が強く、自分の好き嫌いを深く考えるよりもインフルエンサー(KOL)が勧めるものを買うといった特徴があります。

クリスク
クリスク

まずは「みんなが注目している」「みんなやってる」「マストバイ」という状況さえつくれれば、大きな需要を作れるということですね。

ドンさん
ドンさん

ただ、韓国人のトレンドは短期間ですぐに変わっていきますので、常にアンテナを張っていく必要があります。
たとえば、韓国では2〜3年前まではラーメン屋がブームでたくさんお店ができましたが、今はすでに閉業しているところが大半です。

周りを気にする国民性なので、みんなが注目しているとなると一気に広まり、本当にウケれば人気も定着していきますが、好きになれなかったらすぐに廃れてしまうんです。

クリスク
クリスク

今は日本食がウケていても、それが一過性の「ブーム」で終わるのか、年単位の「トレンド」になれるかは見極める必要があるということですね。

 

訪日韓国人のペルソナとニーズ

ここからは、訪日韓国人の属性やニーズについて掘り下げて尋ねていきます。

① ターゲット層:友達と来たい若年層、家族や親を連れて来たい30代以上

クリスク
クリスク

訪日韓国人観光客とひと言で言っても、老若男女さまざまな人がいるわけですが、特に多い層、狙うべき層というのはあるのでしょうか?

ドンさん
ドンさん

さまざまな人がいますが、現在は女性や若年層に訪日旅行の人気が高いです。

世代で優先順位をつけるとしたら、20代、30代をメインに、次が家族連れの40代、そして50代と、若い順になるかと思います。

 

② 訪日目的:1点狙いの若年層、全部入り家族旅行の30代以上

クリスク
クリスク

若い世代と、家族がいる30代・40代以上では日本に対するイメージが異なるという話を先程伺いました。
すると、訪日旅行の目的や行程、滞在中の行動もそれぞれ違うのでしょうか。

ドンさん
ドンさん

はい。
訪日韓国人のボリュームゾーンである10〜20代、30代でも未婚の人は、「安い!」「これを食べに行こう!」などと、とにかく目的がはっきりしています。
そして、目的をピンポイントで達成しにサクッと弾丸旅行、というイメージです。
「福岡にラーメン食べに行ってくる」ぐらい気軽に日本に来ていますね。

日本でやりたいことが複数ある人は、その都度リピートしています。

ドンさん
ドンさん

一方、昔の訪日旅行は、1週間前後じっくり日本を見て回るのが主流でした。
今もファミリー層はそういった行程を組むことがありますね。

 

③ 人気の観光地とアクティビティ:パウダースノーは需要あり、温泉ニーズは縮小傾向

ドンさん
ドンさん

訪日旅行で人気の観光地は、雪が見られる北海道と、韓国から近くて温泉のある九州ですね。

韓国でも雪は降りますが、日本の雪はパウダースノーで量も多く、街が覆われている景色は人気です。そんな景色を撮りに北海道に行く人もいますよ。

クリスク
クリスク

桜や紅葉の季節はどうですか?

ドンさん
ドンさん

桜や紅葉は韓国にも同じような景色があるので、何度かプロモーションを手掛けましたがそれほど人気はありませんでした。
桜や紅葉で知られたスポットには、SNSに投稿するために行くには行きますが、日本旅行の主目的とはなりませんね。

他には大阪・京都、東京のような大都市にも一定のニーズはありますが、前回の記事でお伝えした通り、地方都市の人気が高まっています。

クリスク
クリスク

日本滞在中の韓国人観光客の行動をもう少し詳しく伺いたいのですが、宿泊先は今どんなところが人気なのでしょうか。
旅館がいいのか、ホテルがいいのか……。

ドンさん
ドンさん

20代の場合は「これが食べたい」「ここに行きたい」と目的がハッキリしているので、それ以外のことは安く済ませようと、ホテルを選ぶことが多いです。
ただ、「安ければどこでもいい」とは言われるものの、コスパのよさは評価されます。

また、「浴衣」「温泉」はこの世代にはちょっとササりにくくなりました。
韓国人はそもそも湯船に入らないこともあり、貸し切り風呂だとしてもニーズは低いです。特に夏は避けられますね。

ドンさん
ドンさん

一方、30代以上のファミリー層には、温泉旅館に親を連れて行きたいというニーズがあります

特に湯布院は韓国人好みの施設やグルメが多く、OTA(Online Travel Agent=オンラインの旅行サイト)でもプランが豊富なので人気ですね。

 

④ グルメ:韓国にない「日本食」はやっぱり人気

クリスク
クリスク

冒頭で日本食がブームと伺いましたが、そもそも日本料理はなぜ、もしくはどういった部分が韓国人に評価されているのでしょうか?

ドンさん
ドンさん

「韓国にはない」、つまり韓国人にとっての「刺激」なのだと思います。
日本料理の魅力を挙げるなら、薄味でも深みがあるところ、見た目の綺麗さ、シンプルさ、健康に良さそうなところ、日本のお酒やハイボールに合うところなどでしょうか。

そもそも韓国では、日本食ブームの前に日本酒ブームがありました。
その後、日本酒に合う料理として、日本の料理やおつまみにも火が点いたという流れですね。
熊本の馬刺しがいい例です。

クリスク
クリスク

今訪日韓国人向けのプロモーションを実施しようとすると、「今人気の日本食はこれだ!」「この日本酒に合う日本料理が食べられます!」といった切り口は有効でしょうか?

ドンさん
ドンさん

そうですね。
また、SNSでよく見かける投稿から推測するに、海外旅行では「何を買った」よりも「日本で有名な食堂でこれを食べてきた」「朝イチからお店で並んできた」など、SNSで具体的にレポートしやすい「体験」が求められています
グルメは「体験」化しやすいコンテンツなので、旅行客に訴えかけやすいのでしょう。

 

⑤ 訪日旅行中の検索行動:情報収集はSNSとNAVER

クリスク
クリスク

今は旅行の計画段階でいろいろな情報をインターネットで収集して、予約もネット上でという流れになっていますが、旅行中にも日本の情報を収集しながら行動するのでしょうか。

ドンさん
ドンさん

はい、旅行中はSNSで頻繁に情報収集しています。
飲食店もGoogle MAPの口コミを重要視して、評価の高いところを選んでいますね。

クリスク
クリスク

日本では一時期、「食べログ」の点数でお店を選ぶ人も多かったですが、インバウンドではそれがGoogleになっている、と。

ドンさん
ドンさん

特にスマホで検索する旅ナカでは、Googleマイビジネスに登録されているお店は強いです。

旅行前や旅行後はNAVERで情報収集したり発信したりする人が大半ですが、より正確な情報を調べたいと思えばGoogleも使います。

クリスク
クリスク

ということは、Google対策もしっかり行っておくべきですね。

 

まとめ:訪日旅行の位置付け変化とトレンドの推移に対応しよう

クリスク
クリスク

今回のお話を伺って、韓国人のニーズが少し前とはだいぶ変わってきているのを感じました。

ドンさん
ドンさん

そうですね。
イメージも「高級な国」から「手頃な国」へと変わっていて、高品質なものを買いに来るというよりも、独自の体験を求めるようになっています。

世代によっても日本のイメージは大きく異なりますので、細分化して考える必要があるでしょうね。

クリスク
クリスク

ターゲット国の国民性だけでなく、移り変わるインサイト(消費者心理や購買動機)を常に追いかけておく必要がありますね。

ありがとうございました!

 

クリスクでは、韓国や中国をはじめ、アジアを中心としたインバウンド対策を、現地スタッフやパートナー企業が持つ情報を活かしてサポートしています。興味のある方はご連絡ください!
(編集協力:大西 桃子)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり12年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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