Webメディアと東南アジアSNSマーケティングの会社

MENU

CLOSE

訪日韓国人に選んでもらえるインバウンド施策のポイントを解説!地方都市に求められるものとは?

訪日韓国人向けインバウンド施策で効果を上げるためには、韓国人旅行客のニーズや国民性を知る必要があります。インバウンドが再加熱する今、訪日観光客の中で最も多くの割合を占める韓国は、最も着目すべきターゲット国。今回の記事では、インバウンド施策設計以前に知っておくべき国民性や考え方を解説しています。

SNSでシェア/あとで読む
この記事のURLとタイトルをコピーする
訪日韓国人に選んでもらえるインバウンド施策のポイントを解説!地方都市に求められるものとは?
8:59

korea-inbound-promotion-20240925-01

地理的に近いことなども背景に、ここ数年、訪日外国人観光客の中で最も多いのが韓国からの旅行者です。
日本政府観光局(JNTO)によれば、韓国からの訪日観光者数は、ソウルオリンピックが開催された1988年に100万人を超え、韓国の若者の間で日本の文化が広まってきた1999年には200万人を突破、2023年には695万人に上りました。
また、JNTOの「訪日旅行データハンドブック2022年」によると、韓国からの海外旅行先として選ばれる国でも、過去5年間で最も多かったのが日本。次いで2位が中国、3位がベトナムとなっています。

2020年からの新型コロナウイルスの世界的感染も落ちつき、再びインバウンドが盛り上がってきている今、訪日韓国人の存在はやはり、とても大きなものとなっています。
では、インバウンド対策の中でも韓国に力を入れたい場合、現在はどのようなことを知っておき、気をつけるべきなのでしょうか。また成功のポイントはどういったことになるのでしょう。

前編の「訪日韓国人向けマーケティング編」につづき、後編では訪日韓国人へのインバウンド施策を展開する際に押さえておきたい、韓国人の国民性や気をつけるべき点を解説してもらっております。

今回も、プロモーション歴10年以上、日本では47都道府県ほとんどの自治体での訪日プロモーション経験を有する、クリスクの韓国パートナー、ドンさんに登場してもらいました。

郑様

DONG HYUN LEE 様
TAG EIGHT合同会社  CEO&CREATIVE DIRECTOR

法政大学大学院卒業後、旅行会社でマーケティングを担当。広告業界への転身後は、韓国・台湾・香港・マレーシア・インドネシア・タイ・フランス・イタリアなどグローバル市場での広告戦略に携わる。 独立後、韓国・台湾・日本のwebマーケティング〜広告代理業を展開するTAG EIGHT合同会社を設立。訪日プロモーションに協力した日本の自治体は47都道府県のほとんどに上る。
https://tag-8.com/

▼ 前編の「訪日韓国人向けマーケティングのポイント」はこちら

 

① 熱しやすく冷めやすい、「目新しさ」が重要

クリスク
クリスク

今回はマーケティングに限らず、訪日韓国人に有効なインバウンド施策全般を幅広く伺います。

そもそも施策を考える前提として、韓国人の国民性をどう捉えればよいのでしょうか?

ドンさん
ドンさん

韓国は急速に経済成長を遂げ、社会も速いスピードで変化した経緯があります。
それゆえか、韓国人は熱しやすく冷めやすい性格ですね。

2002年にはサッカーの日韓ワールドカップが開催されましたが、当時韓国ではサッカーが圧倒的に人気だったわけではなく、国民の大多数が流行に乗ったがゆえの盛り上がりでした。
私自身もワールドカップで盛り上がった一人ではありますが、サッカーには特段興味もなく、それまで見たこともなかったぐらいなので(笑)。

クリスク
クリスク

それは極端ですね!
熱しやすく冷めやすいとなると、「韓国人観光客にはこれが人気!」というものも一瞬で移り変わってしまうのでしょうか。

ドンさん
ドンさん

ブームになれば、今はSNSもあるため一気に広まりますが、どこかのタイミングで一気に冷めます。
前述のサッカーブームも、1年もたなかった記憶がありますし。

ですので、こと訪日プロモーションにおいても、韓国には絶対的な人気の番組や媒体、インフルエンサーは存在しません
トレンドが次から次へと変わっていくことを前提として施策を打ったり、リスクを考慮したりする必要がありますね。

 

② 撮影スポットはマスト、ただし強制は×

ドンさん
ドンさん

観光地や観光施設には、誰でもスマホで簡単・きれいに撮影できる被写体、つまり撮影スポットを設けるべきですね。

訪日韓国人にとって「自慢できるかどうか」はかなり大事なのと、NAVERでの「体験した」系コンテンツ・レビューの検索で写真が目を惹くからです。

クリスク
クリスク

撮影スポットの存在は、FAMトリップ(ファムトリップ、インフルエンサーに観光体験をしてもらい、発信してもらうための招聘)などでも重要そうですよね。

ドンさん
ドンさん

もちろんです!
ただし、自治体や事業者が用意した撮影スポットを強制するのではなく、あくまで「あなたのファンが喜ぶ写真を撮ってください」というスタンスが大事。

ドンさん
ドンさん

そもそも、韓国人インフルエンサーのFAMトリップの旅程を組むときは、ざっくりした日程と目的地を示す程度に留めるのがよいでしょう。
「どこに行ってください」は伝えても「何をしてください」とは言わずに。

また、FAMトリップ中も施設の説明を極力せず、ただ「撮影スポットです」とだけ案内した方が、勝手に視聴者が喜ぶ写真や動画を撮ってくれます。

クリスク
クリスク

後から「この施設が投稿されてない!」と言われてしまうことはないのでしょうか。

ドンさん
ドンさん

正直、ないとは言い切れません。
ただ、必ずしも自治体が推したい場所がウケるとは限りませんし、インフルエンサーは視聴者が喜ぶコンテンツを探すプロですから、まかせたほうが結果につながります。

もし、どうしてもインフルエンサーに特定のコンテンツを推してもらいたいなら、「最近ヒットしてるのは○○」と伝えるのはおすすめ。
訪日韓国人はみんな日本のことをよく知っていますし、目新しいものは喜ばれますからね。

ドンさん
ドンさん

また、FAMトリップの旅程や撮影スポットを企画する際には、反日感情を刺激する場所や内容を避けてください
日本の歴史上の重要人物が、韓国では悪く捉えられていることもあります。
紹介したい施設や観光地が不適切なこともあるので、事前に広告代理店とすり合わせておきたいところですね。

▼韓国向けインフルエンサー(KOL)運用で知っておくべき心構えは、前編でも詳しく解説しています

 

③ 地方は「ふれあい」「ライフスタイル体験」を訴求

クリスク
クリスク

日本は韓国人にとって定番の海外旅行先とのことで、既に日本に慣れている人も多そうですよね。

ドンさん
ドンさん

はい。韓国人にとっての日本旅行は感覚的に国内旅行と近く、「日帰り福岡トリップ」も人気です。

ドンさん
ドンさん

ちなみに訪日韓国人を大きく分けると、20代前半までの「訪日旅行は初めて」層では、大都市狙いかつ比較的低予算な旅行が多いですね。
LCCの利便性が高まったり、コロナ禍で一度海外旅行が止まったりした影響で、大都市を求める層も一定数存在します。

一方、東京・福岡・大阪・北海道に飽きているリピーターのニーズは2つあります。
ひとつは「目新しさ」、そして円安ゆえの「今までできなかったお値段高めの体験」。
その双方を満たせる、地方の都市や観光地の人気が高まっていますね。

クリスク
クリスク

日本各地の景勝地や特産品が並ぶインバウンドPR合戦の中でも、訪日韓国人に選んでもらえる、良い差別化の方法はありますか?

ドンさん
ドンさん

実は訪日韓国人は、地元の日本人とのふれあいやライフスタイル体験を求めています
コロナ前には「日本の田舎に数週間住んでみた」というコンテンツが人気でした。地方の日本人がどんな生活をしているのか、行きつけのお店はどこなのか、週末に何をしているのかといった、地元民のライフスタイルには一定の需要があります。

旅行先で、あえて地元のスーパーで買い物する旅行客はどこの国でも存在しますよね。
訪日韓国人にはその先の、例えば地元の食材で料理をしてみるといった体験もササりますよ。

クリスク
クリスク

そこまで深く日本に入り込もうと思ってくれるなんて意外です……!

ドンさん
ドンさん

ほかにも地方で日本人の友達を作ったり、コミュニティに入ったりといったニーズもあります。

既にお伝えした通り、韓国人には「目新しさ」「自慢できるコンテンツ」が大事。
地方だからこその「おもしろいもの」を今一度探してみるとよいのではないでしょうか。

クリスク
クリスク

47都道府県のほとんどとお仕事をされてきたドンさんのアドバイスには重みがありますね。我々もクライアント様によいご提案ができるよう努めます。

今日はありがとうございました!

▼ 国は違えど、「おもてなしで他の地方都市との差別化」の実例あり!中国の地方都市の場合

 

クリスクでは、韓国をはじめ、東アジア・東南アジアを中心としたインバウンド対策やマーケティングを、現地スタッフおよびパートナー企業とともにサポートしています。興味のある方はぜひご連絡ください!
(編集協力:大西 桃子)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

東南アジアにおけるSNSを活用したマーケティングをサポートします。お気軽にご相談ください。

お問い合わせ
SNSでシェア
この記事のURLとタイトルをコピーする

この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり12年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

こんな記事も読まれています

Contact Usお問い合わせ

どうぞお気軽に、ご質問・ご相談をお寄せください。

株式会社クリスク
  • Clisk Japan

    東京都品川区東五反田5-22-37

  • Clisk Thailand

    689 Bhiraj Tower at Emquartier, Unit No.1602, 16Floor Sukhumvit Road, North Klongton, Vadhana, Bangkok 10110
    TEL +66-(0)2-060-6977

  • Clisk Vietnam

    Tầng 10, FiveStar Tower, 28Bis Mạc Đĩnh Chi, P. Đa Kao, Quận 1, Ho Chi Minh city, Vietnam

  • Clisk Malaysia

    A-15-9 Liberty Arc @Ampang Ukay, Jln Ulu Kelang, 68000 Ampang, Selangor, Malaysia

  • Clisk Indonesia

    Kantorkuu Citywalk Sudirman Jl. K.H. Mas Mansyur No.121 Level 2, RT.10/RW.11, Jakarta 10220