こんにちは! クリスク・ベトナムのリエンです。
新型コロナウイルスのデルタ株が広がって以降、ベトナムの全国各地にも感染が拡大しています。しかし、2021年12月現在ではワクチン接種は急速に進み、外国人旅行者の受け入れも再開されました。
今回は、そんなベトナムの新型コロナウイルスの状況における状況と、旅行回復の見通しについて紹介いたします。
悪化するベトナムのコロナ禍
ベトナムではこれまで4回の新型コロナウイルス「感染拡大の波」を経験しています。
以前の記事で紹介したように、ベトナムは1波~3波(2021/4/26)までは国内の感染死亡者は1,031人にとどまり、感染拡大の封じ込めに成功していました。
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しかし、2021年7月以降はデルタ株の拡大により状況は悪化。7月6日には新規感染者数がはじめて一日平均1,000人を記録しました。12月現在では一日あたりの1万人超の新規感染者が報告される状況が続いています。
工場で感染が起きると工場は閉鎖、それにより日本国内の自動車ラインが部品不足で止まるなど、日本の経済にも大きく影響しています。
急ピッチで進むワクチン接種
ベトナムでは、第4波の前に感染が落ち着いていたのでワクチンの接種開始時期がかなり遅れていましたが、今年3月から新型コロナワクチン接種キャンペーンが始まりました。
しかし、10月の時点でベトナムは接種速度が世界5番目となっており、速いペースでワクチン接種が進んでいます。
なお、8月から12月13日までの18歳以上に対する、ベトナム全国の累計接種回数は1億3200万回分です。このうち1回目を完了したのが1740万人、2回目を完了したのは5740万人となっています。
なお、12月からは、18歳以上の成人を対象にワクチンの3回目の追加接種(ブースター接種)が開始されます。ベトナムのワクチン調達数は来年の1月末(ベトナムの旧正月)までに、 目標の1億5000万回分を超えると見込まれています。
ベトナムで使用されるワクチンの種類
現在、ベトナムでは様々な供給源から8種類のワクチンが承認されましたが、主となるワクチンはモデルナ、ファイザー、アストラゼネカとベロセルになります。
ワクチン名 |
回分(2021年11月24日まで) |
出産地 |
AstraZeneca |
47.506.376 |
イギリス |
Pfizer と Moderna |
33.326.330 |
アメリカ |
Sinopharm |
48.700.000 |
中国 |
Abdala |
5.150.000 |
キューバ |
Sputnik V |
1.217.889 |
ロシア |
合計 |
135.900.595 |
|
引用元: ベトナム保健省
予約方法はアプリか住所を置いている自治区で予約できます。ワクチン接種証明書は、アプリ内のプロフィール欄から見られるようになっています。また、予約は無料ですが、国民の一部も寄付金を提供しています。
参考)
Việt Nam có tỷ lệ tiêm vaccine phòng COVID-19 nhanh thứ 5 thế giới | VTV.VN
Cổng thông tin tiêm chủng COVID-19
Số liệu vaccine Covid-19 Việt Nam và Thế giới mới nhất hôm nay trên VnExpress
海外旅行者の受け入れ再開
新型コロナウイルスの感染拡大以降、ベトナムの各地方の観光活動はほとんど停滞していました。ベトナムでは海外の旅行者の受け入れは厳しく制限されており、2020年の海外からの渡航者は384万人(2019年比で80%減)でした。
しかし、今年11月20日、フーコック島の国際線で観光を目的した入国者の受入が再開し、海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)を持つ個人客や団体客が戻り始めました。具体的に以下の2つの条件を満たした観光客はパッケージツアーに参加することで入島できます。
- ワクチン2回接種済 + 2回目接種から14日以上経過、または、6か月以内にコロナに感染し回復済
- PCR検査での陰性証明あり
また、ベトナムへの訪問者は、COVID-19の治療をカバーできる最低5万ドルの医療保険、あるいは旅行保険が必要になります。
ベトナム文化スポーツ観光省観光総局の統計によると、11月29日まで「ワクチンパスポート」を持つ978人の外国人を受け入れ、2021年末まで約24,400人の海外人観光客がベトナムに到着すると予想されています。
現状では、11月の国内観光客数が前月に比べ3倍、9月に比べ8倍となる250万人に達しています。
なお、11月からベトナム航空による日本との特別便が開始されたほか、 12月1日には米国発の直行便の運航も始まりました。直行便の運航により飛行時間は短縮され、両国の今後の旅行成長を促進するでしょう。また、2022年1月1日からベトナム発着の国際線定期便運航を再開することになります。
参考)
1. 航空局、国際線の運航再開計画案を発表 22年1月から定期便 [社会] – VIETJOベトナムニュース
2. Người Việt nô nức đi du lịch | VOV.VN
3. Tín hiệu khởi sắc sau khi mở cửa đón khách quốc tế | VOV.VN
まとめ
現在、ベトナムは学校休校の解除や店舗の営業再開などの経済活動を完全に再開するために、新型コロナウイルスとの「共存」を引き続き模索しています。
ワクチン接種を進めるとともに、保健省の対策「5K」(マスク着用、消毒、間隔、大勢で集まらない、健康申告)を厳格に実施しています。
ベトナムの旅行業界も、海外旅行再開のきっかけ、国内外の旅行愛好者の需要に応じて、様々なプロモーションを展開し、2022年の旅行回復を期待しています。旅行客の往来が増えることで、ベトナム・日本それぞれの文化やサービス、商品に注目が集まる機会も増えることでしょう。
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