こんにちは!クリスク・ベトナムのリエンです。
どんな国でもそうですが、行ったことのない国や、ちょっと旅行にいったことがある国、そして実際に住んでみた国では持つ印象は異なってきます。
それでは、訪日歴のあるベトナム人や長期滞在しているベトナム人の目に日本はどう映っているのでしょうか。
驚いた点や、疑問に思う点などを紹介したいと思います。
バスのサービスが高品質
来日前に日本での移動手段について調べても、実際に来日して日本のバスを利用したら多くのベトナム人は驚くでしょう!
なぜなら、時間厳守はもちろん、運転手の接客サービスの質がとても高いからです。
筆者も驚いたのは、運転手が、乗客が全員が降りたのかを確認してから出発する点。
そして、乗客に挨拶するだけではなく「右に曲がります」「左に曲がります」「停車します」などをちゃんとアナウンスするのが一般的な点です。
これは世界でも日本くらいだと、ベトナム人にはとても高く評価されています。
2012年、東京急行電鉄株式会社はベトナムのビンズン新都市で新たにベカメックス東急バスを設立し注目を浴びました。
このサービスがベトナム全国に展開すれば、ベトナム人の従来のバスに対するネガティブな固定観念を変えることができると筆者は思います。
タクシーの自動ドア
初めて来日したベトナム人旅行者の多くが驚くのがタクシーのドアです。
タクシーのドアを手で開けようとして、自動的に開いてびっくりしたというのはよく聞く思い出エピソード。これも他の国ではまず見ない、日本独自のサービスですね。
衛生面から考えても、新型コロナウイルス感染が拡大している今、この日本文化の象徴とも言える自動開閉ドアが、他の国にも普及したらいいなと思います。
公共の場のマナー
「日本人は人情があるというより、ただ他人の顔色を伺っている」という考えを持つ人がいるかもしれません。しかし、日本の他人の思いやる文化は世界でおそらくトップクラスであることは否定できないと筆者は考えます。
例えば、日本人はデパートのドアを開けて店内に入る時、必ず後ろに人がいるかを確認し、いればドアを押さえて開けた状態にしておきます。
エレベーターを降りる時、ドアのボタンの近くにいる人が開くボタンを押し続けて、みんなが降りるまで待つのはよく見られる光景です。
また、食堂や本屋で子供たちが走り回っていても両親が無関心かスマホをいじったりしている光景を見たことありません。
そして、多数の訪日ベトナム人が日本で一番聞いた言葉は「すみません」だと言っています。これは、エレベーターやエスカレーターなどで多く経験するからです。あとから乗ってくる人や、後ろからくる人のほとんどが「すみません」と言ってくるからです。
女性の日がない
日本にはたくさんの祝日や記念日があります。「山の日」「海の日」さえもある日本なのに、なぜ女性の記念日がないかと不思議に思う長期滞在中のベトナム人は少なくないでしょう。
なぜなら、ベトナムには「国際女性の日(3月8日)」と「ベトナム女性の日(10月20日)」という女性の記念日が年に2回あるからです。この日は公式な祝日ではありませんが、男性が女性に花束などをプレゼントする記念日として幅広く認知されています。
また、家族や恋人はもちろん、女性の会社員のために大規模なパーティーを行う会社も多いです。この日に、オフィスを盛大に飾り付け、ゲームやイベントが開催されます。そしてカフェやレストランも女性限定で特別なサービスやプレゼントを配るのが一般的です。
ベトナムでは、女性の日に女性に向けてプロモーションを実施しないブランドはほとんどありません。そのため、ベトナムに進出する企業はこの文化の違いを意識し、この2つの記念日に重点を置いた方がいいでしょう。
ベトナム以外にも、国際女性の日を公式な祝日として制定するか、大規模にお祝いする国には、オーストラリア、ドイツ、チリ、イタリア、中国、ロシア、ウガンダなど色々な国があります。
割り勘文化
ベトナム人は「おごり文化」が浸透しているので、「今回は自分が出すが、次はあなたの番」という順番で払うのが一般的です。そのため、日本の「割り勘文化」に驚く人は多いでしょう。
友人同士や若者同士であれば割り勘もありますが、年配者や上司、恋愛関係にある男女のデートでは男性がおごるべきという考え方を持つ人が珍しくありません。ただ、女性は全く支払わないという訳ではありません。場合によって女性も自分から支払いを提案します。
例えば、食事の会計は男性が支払い、次のカフェや映画のチケット代は女性が払うという形になります。
これは恋人同士だけではなく、親友や親戚、関係のいい知り合いなどの間でよくあることです。なんでも折半で支払ったら人間関係が悪くなると主張する人がいます。
一方、自分の分が勝手に支払われてしまうと「自分の地位が低くされたじゃないか」というケースもあります。そんな人たちにとっては割り勘の方が楽かもしれませんね。
文庫本が人気
日本では、電車内で混んでいる時でも片手に文庫本を持ち、反対の手はつり革につかまる人が多いですよね。しかしベトナムでは、文庫本はほとんど流通していないため、とても珍しい光景に感じます。
普通の単行本よりも文庫本の方が軽くてポケットやカバンに入れやすくて便利です。ただし、「日本語には漢字が多いのに、このサイズの本だと文字がもっと読みにくくなるだろう」という意見もあります。
こちらは文庫本と単行本の違いの説明Facebook投稿です。
確かにこのサイズの本は、ベトナムであまり人気がありません。
筆者が、知り合いの編集者から聞いた話では、12年前、ベトナムの最大漫画出版社であるKim Đồng(キム・ドン)社は文庫本漫画を発行し始めましたが、読者から「中身がよく見えない」という悪い評価が多くて販売に大きく影響したそうです。
読者の希望に応えて、日本で文庫で出ているマンガや小説は、ベトナムでは単行本サイズにサイズアップされたケースが多いです。ベトナムで文庫版を発行するのはリスクが高いため、発行前に読者から意見を集める出版社もあります。
生卵を食べる
「【SNS事例あり】ベトナムで増加する日系飲食店チェーン その理由と可能性は?」で紹介したように、ベトナム国内でも和食レストランが増加しています。
日本の飲食文化がベトナムで広がっているため、日本では寿司、刺身など生で食べるものが多いということは知られています。しかし多くの人にとって、生卵をつけて食べる料理はまだ見慣れてないものです。
ベトナムでは、ネムチュア(発酵ソーセージ)、海産、野菜といったものを生で食べる習慣はありますが、なぜか生卵だけはあまり食べません。
この理由で、ベトナムにある和食店にも生卵をつける食べ物はほとんど見かけません。
人気YouTuberの卵かけご飯の動画
インターネット上でナマモノを食べることを巡って意見が分かれているため、そういう動画をアップロードする時には、YouTubeのコメント欄を非表示にするYouTuberが珍しくありません。
まとめ
今回、7つの事例を通じてベトナム人の目に日本と日本人がどう映っているかを紹介しました。ベトナム文化やベトナム人の考え方と異なる箇所こそがベトナム人にとって興味の対象となります。
日本の良いところと日本にしかないサービスがベトナム進出の時に魅力になる一方、ベトナムで炎上しやすいコンテンツやクリエイティブを作る際には気をつける必要があると考えられます。
ベトナムの方に響くSNSマーケティングをご希望の際は、ぜひ経験豊富な現地スタッフがいるクリスクにご相談ください!