明けましておめでとうございます!
ベトナムスタッフのリエンです。
2017年の年末、私は実家に帰省するバスの中で、支払い用のQRコードを発見しすごく驚きました。それまでもコンビニやオンラインショピングでQRコードをよく見かけましたが、バスで使えるのは初めてだったからです。
そして2018年も後半に入るころには、自動販売機に支払い用のQRコードを見かけました。それをきっかけに、私はベトナムで流行している決済アプリを使うようになりましたが、実際ベトナムのキャッシュレス化はどれほど進んでいるのでしょうか?
ベトナムでは2018年9月までにATMカードが1億4730万枚発行されたにも関わらず、人口の59%しか正式な銀行口座を持っていません。お隣の東南アジア国に比べれば、これは非常に少ない数です。ベトナムの消費者の大部分は、普段の買い物でキャッシュレス決済を利用する習慣がないため、代金引換が最も普及した決済方法なのです。
参考)
出典:ベトナム国営銀行
このような現状ではありますが、ベトナムの首相は現金による決済比率(現在80%)を2020年までに10%に減少させることを目指すと明言しました。このような目標は現実的ではないかもしれませんが、発展チャンスは多くあると言えるでしょう。
ベトナムでは現金決済が主流ですが、大規模な人口、高いインターネット普及率・モバイル使用率、ベトナム政府の推進・支援という環境が整っているため、今後はデジタル決済の発展や、キャッシュレス社会の到来は免れないでしょう。
Nielsenの調査によれば、ベトナムにおける電子商取引は年間22%成長しており、2020年までに100億USドルに達すると予想されています。
なお、2018年4月までに、78の信用機関及びフィンテックを含む26の非銀行機関がキャッシュレス決済サービスを提供しており、使用できる場所もコンビニやEコマース業界の会社など中小規模事業者のほか、航空会社などの大手事業者にも拡大しています。
ベトナム人は後払いの導入を選択する傾向が強く、「代金引換の方が安全で、先支払い(電子的な支払い)をしなくても損はしない」という心理を持っています。その一方、「使い方がややこしそうだから使わない」という意見も少なくありません。
しかし、個人的にはキャッシュレス決済は利便性が高いうえに、お得なサービスが付随するため、現金支払いよりメリットが明らかに大きいと考えます。
ベトナムにおいて様々なキャッシュレス決済の手段が既に展開されていますが、ここで最も流行してるスマホ向けの決済アプリ「Mono」と「ZaloPay」というベトナム発の決済アプリを紹介したいと思います。
この2つのアプリは若者たちの間で知らない人がないほど普及しています。ベトナムの大都会に行く時やオンラインショッピングをする時など、アプリのロゴをあちこちで見かけるようになりました。どちらも利用可能な加盟店検索機能があるため、とても便利です。
アカウントの残高から支払う形はもちろん、登録したクレジットカードでの支払いとチャージが出来ます。キャンペーンによっては、支払い完了時の還元率にボーナスが加算されることもあります。さらに、知り合いに紹介して使ってもらえれば、報酬金がもらえます。
このように、国内外からの評価も高いアプリとなっています。
最大の特徴は、「2秒で決済」というスローガンと同様に決済スピードが速いことです。休日やテト(ベトナム旧正月)などの祝日でも、どこでもすぐに決済できます。
ZaloPayが提供しているサービスはMomoとの大きな違いがなく、連携する国内銀行数はMomoより少ないです。しかしながら、以下のようなメリットがあります。
私は昔から登録している銀行のアプリ(スマホ決済サービス)とクレジットカードを使い続けていますが、最近この2アプリも同時に愛用しています。
なぜかと言うと、アプリにログインや各取引を実施する際、パスコードや指紋認識が求められるので安心して利用できるからです。これならばスマホを無くしてもセキュリティ面を心配しなくても済むでしょう。
もう1つの理由は、ベトナムの3大ECサイト(Shopee、Tiki、Lazada)はこの2アプリを使っているユーザー向けに、割引やキャンペーンを頻繁に実施するからです。
今後ベトナムの地下鉄が開通したら、日本のSuica、PasmoなどのようなICカードが搭載されることが決まっており、電子マネーを使う需要がもっと高まると考えられています。※
キャッシュレス決済を普及させるために、電子決済による直接的な利点を増やす必要があります。例えば、VAT(Value Added Tax、付加価値税)を減らすこと。そして所得税などの政府サービスもキャッシュレス化してもらえれば電子政府への一歩を踏み出すことができるでしょう。私は現金を扱わないキャッシュレス決済の普及が進んでいくと確信しているので、電子商取引との相乗効果を期待しています。
(編集:きたざわあいこ)
※2019年1月28日 誤った情報認識に繋がる可能性のある表現だったため、修正しました。