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ベトナムの2大100円ショップ・ダイソーとメイソウはなぜ成功した?

2017年のベトナムの小売市場規模は前年比10.9%増の1,295億6,000万ドル。ベトナムは消費地としても注目を集めています。今回はベトナムの小売市場で圧倒的に人気の100円ショップ『DAISO(ダイソー)』とMINISO(メイソウ名創優品)』についてご紹介します。

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こんにちは!
ベトナムスタッフのリエンです。

2017年、ベトナムの小売市場は前年比10.9%増の1,295億6,000万ドルにのぼりました。小売市場が急速に拡大する中、消費地としてベトナムに注目が集まってきているのです。
(参考:https://s.nikkei.com/2E4ZFrk

そんな小売市場の中でも、今回はベトナムの100円ショップ『DAISO(ダイソー)』とMINISO(メイソウ名創優品)』について注目してみたいと思います。

ベトナムでの認知度

若者や主婦に人気の高いショッピングエリアに行くと、必ず海外発の100円ショップを見かけます。

ベトナム調査会社のQ&Meが2018年11月に公開したレポートによると、『DAISO(ダイソー)』と『MINISO(メイソウ名創優品)』はベトナムで最も広く知られるブランドです。

ハノイとホーチミンに住んでいる回答者のうち70%が、この2つのブランドを認識できるとのことです。


参考元:Q&Me

ベトナムでのダイソーの活躍

画像元:ダイソーベトナム

2006年から、日本における100円ショップのコンビニ版のようなショップがベトナムに現れました。しかし、当時は日本のように品揃えが豊富でもなく、筆者は長続きするようには思えませんでした。

ですが、日本の100円ショップと言えばダイソーと認識されていることもあり、現在ではベトナム最大の民間不動産グループVincomや日系のイオン、韓国系のロッテなどの大型ショッピングモール内にダイソーの店舗が出展されるほどになりました。

店内には日本と同様に、文房具や生活雑貨、キッチン用品、ガーデニング、化粧品、アクセサリー、玩具などさまざまな商品が綺麗に陳列されています。

ところが、違う所が1つあるのです。それは金額です。

ベトナムでは100円均一と言っても、実は商品は2倍の200円(4万ドン)価格で売られています。これはダイソーだけではなく他の国の雑貨ブランドもこのような価格で売っています。

そのため、海外の100円ショップはベトナムに進出すると200円均一ショップになってしまうと言っても良いでしょう。

ダイソーは、2018年にベトナムで12周年を迎えていますが、現在ベトナムでは11店舗しか展開していません。また、ジャパニーズショップとうたっていますが、商品のほぼ60%はベトナム製と中国製です。
(参考:https://bit.ly/2QbPOHR

それでもになぜ人気が高いかというと、大部分のベトナム人にとってダイソーは圧倒的信頼感がある「JAPANブランド」だからだと筆者は考えます。

商品の原産地を気にする人は少なくないですが、日本ブランドは東南アジアにおいて絶大な信頼と安心を未だに維持し続けています。

もう1つの理由は、「たったの200円で買える」という消費者心理です。「日本では100円」ということは関係なく、ベトナム人の多くはまだモノ消費の需要は高い国なのです。

また、ダイソーにはベトナムの伝統工芸品『バッチャン焼き』の陶器や、レジから近い冷蔵庫で国産食品が売っているなど、ベトナム人の需要に応える商品の販売も人気の要因でしょう。

有力な小売店となったMINISO

画像元:Miniso ベトナム

生活雑貨やアイデア商品などを扱う中国発の小売ブランド『MINISO(メイソウ「名創優品」)』がベトナムに進出して2年目になりました。ベトナム市場に参入した最初の小売りブランドではありませんが、いまや有力な小売ブランドの1つと言えるでしょう。

MINISOのオープニング日には、店前に多くのバイクが止まり、レジに列ができることもあるくらい大盛況でした。

2016年9月の設立からすでに約40店舗を展開しており、2022年までさらに400店舗を構える計画だと言います。
(参考:https://bit.ly/2QD5KC6

MINISOはベトナムの主要商業・ショッピングセンターでブランドを発展するダイソーとは違い、若者が多く集まる商店街で出店し、特に若い女性からの支持を得ています。

また、4月30日(ベトナム南部解放記念日)、9月2日(国立記念日)、ブラックフライデーなどのプロモーションの日が近づくと、割引・期間限定キャンペーンを積極的に開催しています。

MINISOが起こしている議論

MINISOのほとんどの商品は「Made in China」です。しかし日本のブランドとして伝わった経緯のため、MINISOはベトナムでビジネスを開始してから商標権や商品原産地をめぐる議論を多数引き起こしてきました。

日本語が分かる筆者からすると、商品に書いている日本語の表記におかしいところがあったりして変に感じます。しかし、日本語がわからないベトナム人からすると日本製だと思ってもおかしくないでしょう。

さらに中国発のブランドであり、客のほとんどはベトナム人であるにも関わらず、店員は日本語で挨拶しています。MINISOのロゴも日本で有名な企業のブランドのものに似ているという指摘もあります。

もともとは、日本人デザイナーと中国の若手企業家が創設したブランドですので、日本企業のブランドだと間違ってしまうベトナム人が多くいるのは当たり前ではないでしょうか。

MINISOが成功したワケとは

MINISOの成功理由は、デザインが可愛いく使えそうな感じの商品を、お手軽な価格で買えるといったところでしょう。

こういった商品に力を入れているのは、ベトナム人の平均年齢は31歳のため、現在の消費者層は若い女性が主体であることを意識して経営しているためと考えられます。
(参考:https://danso.org/viet-nam/

参考元:Q&Me

上記の図表を見れば女性・主婦向けの商品がベトナムでは最も人気だと分かるでしょう。消費者が、クオリティの高い商品を安い値段で買えることだけを重要視する限り、これからこのような中国の小売ブランドが、東南アジアで日本企業の手ごわいライバルになりそうです。

まとめ

現在のベトナムの百均ショップ市場状況について、ご紹介しました。

しかし、現状では海外企業同士の競争となっているため、ベトナム人としては少し残念です。これからはベトナムの企業も、この有望な市場に参加しベトナム製の魅力をまず国民に見せてもらいたいと思います。

(編集:きたざわあいこ)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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この記事を書いたのは

クリスク・ベトナム マネージャー
東京大学留学後、ベトナム大手IT企業で仕様書の翻訳や通訳を担当。クリスク・ベトナムで広告運用・インフルエンサーマーケティング・マーケットリサーチなどのデジタルマーケティング支援に携わるほか、ベトナム大手出版社でマンガ、小説のベトナム語翻訳も手掛ける。趣味は映画鑑賞、コンサート鑑賞、山登り。

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