こんにちは、クリスクの海外事業部に2017年4月から入社した「しらにた」です!
早速行ったベトナム支社への出張で、スタッフであるリエンさんと初顔合わせをしたのですが、優秀&面白い女性で、個人的にもとても衝撃を受けました。
そこで、今後お仕事をさせて頂くかもしれない方はもちろん、ベトナム女性ってどんな感じなの? という方に向けて、彼女へのインタビューをしてみました!
── リエンさんが日本に興味を持ったきっかけは何だったんですか?
「子どもの頃から日本のマンガが大好きで、そこから日本語に興味を持っていきましたね。日本のマンガでは、特に『少年ジャンプ』が好きで、中でも冨樫義博さんの『ハンター×ハンター』や『幽遊白書』、『レベルE』などが好きです。冨樫先生の作品は、映画におけるスクリプトのテクニックを巧みに使われていて、描画スタイルも素晴らしいです!」
── 愛が強め…! 日本語がわかるようになってから、原作を読んでみましたか?
「はい。ベトナム語翻訳版で読んでいたマンガの原本を読み直してみると、ベトナムの翻訳者って凄いなぁと感じることも多いです。原作の言葉通りにただ翻訳するだけではなく、キャラクターの性格や作品の魅力をより伝えるための吹き出しを入れている場合もあるんですよ」
── 実際に日本に留学してみて、どんなことが気になりましたか?
「朝の2時でも自転車で走れるくらい安全なこと。ビジスマンやOLの生活が大変そうなこと。自動販売機やコンビニ、自動券売機など便利過ぎて逆に人と話す機会が少ないことなどですね。いい面も多いですが、日本にどうしても住みたい・働きたいかと言われると迷います」
── なるほど。では、学生生活はどうでした?
「北海道や、関西、九州へも旅行したし、東京でも高尾山に登山したり井の頭公園で初日の出を見たりと満喫しました! 渋谷のタワレコや吉祥寺のブックオフに通ったり、カラオケで好きな洋楽を歌ったりと、音楽とマンガにもたくさん触れられましたね。あ、でも、ちゃんと勉強もして日本語能力試験のN1(一番上)にも合格しましたよ(笑)」
── 日本からベトナムに帰国してからは、ベトナムの大手システム会社で働いていたと聞きました。
「はい。ベトナムの大手システム会社で通訳として働いていました。仕事内容としては、日本語のシステム仕様書や資料をベトナム語に翻訳することや会議での通訳、お客様企業の担当者がベトナムにいらっしゃったときのアテンドなどです。その会社は、日本支社もあって日本企業向けのオフショア開発事業を幅広く展開していたので、通訳として多くのプロジェクトに参加していました」
── システム開発の仕様書翻訳となるとITの知識が必要だと思うのですが、もともとプログラムの知識があったんですか?
「それが実は、入社するまでプログラム等を習ったことはなかったんです。だから、自分でIT用語を勉強しつつ、社内のエンジニアにも技術的なことを質問したり、会議等では教科書に載っていないビジネス用語が使われることも多かったので、聞き取れなかった言葉をノートにメモしたりして、仕事をしながら知識を身に着けていった感じですね」
── すごい…! 他にも大変だったことはありますか?
「プロジェクトには途中から入ることもあり、それまでの文脈を理解して、コミュニケーションしていくのは大変でした。でも、やはり自分の日本語のスキルを活かして、プロジェクトメンバーとして貢献できるのが嬉しかったですね。
大変なプロジェクトでは、残業が多くて1日15時間ぐらい働いていたこともありましたけど、それは責任のある仕事を任せてもらえてるってこと。実は一番楽しかったプロジェクトは、一番大変な案件だったりします(笑)」
── その大手のIT企業を退職して、クリスクに入社したのはなぜですか?
「3年ほど働いたので新しい挑戦をしたかったことと、日本のマンガの翻訳に関われることなどに魅力を感じて入社しました」
── 今はどんな仕事をしているんですか?
「Facebookページの広告運用代行や、日本のマンガをベトナム語に翻訳するプロジェクトなどに関わっています。マンガ翻訳の方では、数十名のフリーランスをマネジメントして、ベトナム語翻訳版を制作しているのですが、スケジュール管理から翻訳されたベトナム語のチェック、時には自分でフォトショップを使って修正するなど、細かい作業が多くて大変なこともあります。でも、マンガが大好きですし、他の人に日本のマンガの魅力を伝えるのは、すごくやりがいがあります」
── ベトナムでは、みんな給料の高い仕事を見つけたから転職するのかと思っていたけど、違うんですね!
「私は仕事の内容や昇進の見通し、働く環境が重要だと思っています。趣味や好きなことを仕事としてやれるのは幸せなこと。だから、簡単に辞めてはいけないと思っていますよ!」
── では、クリスク・ベトナムで働く魅力はどういうところ?
「今まで自分が想像していなかった仕事に取り組めることですね。例えば、日本語でコラム記事を作成すること。書くことはそれまでも好きでしたし、日本語で論文を書いたことはありましたが、コラムを作成したことはありませんでした。コラム記事作成のために色々調べることで、自分の国についてより理解を深められたし、自分が書いた文章を編集担当者に校正してもらい、新しい日本語表現も身に付けられて勉強になりましたね」
── 母国語で文章を書くのも大変なのに、外国語でも書けるのは本当に凄いですね! ではこれからクリスクで、どういう仕事に挑戦してみたいですか?
「マンガは好きなのでこれからも続けていきたいですね。さらに最近は、Facebook広告運用やインフルエンサーマーケティングなどに関わるようになって、広告制作にも興味を持ち始めました。ブランド商品のインターネット広告やTVCMなどをベトナムやベトナムのほかの会社と一緒に作ってみたいです。
ぜひ、そういったお仕事があれば、ご連絡ください!(笑)」
僕は、前職が求人情報会社の制作職で約10年間働いていたのですが、その中で多くの人にインタビューしてきました。
今回、リエンさんの「趣味や好きなことを仕事としてやれるのは幸せなこと、だから簡単に辞めてはいけない」という言葉から、真摯に仕事に向き合っている人は世界共通なんだなと改めて感じました。
これまでベトナムの人たちは、給与を重視して仕事を選んでいると思い込んでいましたが、今後はリエンさんのように、仕事内容で選ぶ人たちが増えていくのかもしれません。
僕もベトナムで滞在してるホテルのシャワーの出が悪い、とか文句言ってないで頑張らないとな……。