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結婚もオフィス移転も占い次第? ベトナム人の占いへの意識って? - クリスク

こんにちは! クリスクベトナムのリエンです。

「なるべく今年中に結婚したい」

最近、同じ年齢の知り合いからこのセリフをよく聞くようになりました。しかしこれは、心や結婚資金の準備ができ、結婚したい相手もいる、というのが理由ではありません。では、どうして彼女たちはそう思っているのでしょうか。

来年には結婚できない理由

ベトナム人は伝統的に、女性の年齢の1桁目が1・3・6・8となる年(例えば21歳や36歳)には結婚しない方がいいと考えています。この年齢のときに結婚すると、必ず家庭にトラブルが起きると言われているのです。
私は現在26歳(旧暦に従ったら27歳)ですが、今年中に入籍しなければ、次は2018年まで待たなければならないのです!

ベトナムでは、昔から五行思想が深く浸透しています。五行思想は「干支」や「命」といった考えで、人の性格・仕事・人間関係・運命・幸福などは自分の生年月日、いわば「干支」や「命」で決められると信じられています。


結婚するためには、二人の「命」が合うかを調べる必要があります。
ただし、もし占い師が「二人の命は合わない」と答えたら、結婚は両親に禁止されるかもしれません。それは、命の合わない相手と結婚すると、女性の年齢と同じように、家族との関係を悪化させ、夫婦の出世の見込みや生命に危険を及ぼすと信じられているからです。

ベトナム人は家族の絆を大切にしますので、両親が占い師を信じて納得してくれないと、結婚しても生活が辛くなります。また、子供が両親の「命」に合わなければ子育てや生活が順調に進まないと信じているため、一番縁起が良い年に出産することも普通です。

しかし、迷信に関わる行為は、ベトナムの法律で禁止されているので、占いをすることで、数年の判決を受ける可能性があります。それでも、占い師は田舎やお寺以外に、大都市でも多く活躍しています。

占い師の恐ろしい権力

大勢のベトナム人は、結婚、出産、旅行、不動産の購入、事業立ち上げなどの重大なことを決める際に占いに行く傾向があります。しかし中には、体調や人生が変わるほど占い師の言葉を信じてしまう人も…。

例えば、「悪霊が付いているため、不幸な恋愛を繰り返してなかなかお嫁にいけない」と判断された女性たちは、「厄払い」をしなければならなりません。礼拝や厄払いのために、多額のお金を払ったり仕事を休んだりする人がいます。

また、女性に大人気の子育てサイトでは、中絶の話題で持ち切りになりました。ある女の人が、自分の子供が夫(子の父)と命が合わないので、出産したら夫が死んでしまうと、親に中絶させられたのです。

占い師による詐欺も出てきており、2015年11月にはキエン・ザン省に住んでいる“呪文師”が詐欺罪で逮捕されました。
警察によると、Tさんという女性は夫が亡くなり、娘も離婚寸前になりました。自分が不幸になる原因を知るために、呪文師に助けを求めた結果、Tさんは1年も経たずにこの呪文師に約1,400万円を支払うことに。しかし、娘は離婚してしまいました。その時、Tさんはやっと呪文師に騙されたと気づき警察に届けたのです。

占い通りにすれば、一生幸せに暮らせると信じている人もいますが、占いを信じすぎるあまり、簡単に付け入れられ、不合理な決定をさせられる場合も多いのです。

また、こんなに占いが信じられているベトナムですが、本人が「占い師です」と名乗るだけで占い師となることができてしまいます。私も占い師に何回か占ってもらいましたが、彼らには霊感はまったく必要ないようでした。
大多数の人は恋愛・金運・進路に関する不安占い師を訪問しますので、占いのテクニック以前に、社会経験や人間としての常識があれば回答できるのではないでしょうか。書籍で、心理学・占星術・人相学などを勉強し占い技術を習得すれば、誰でも占い師になれるでしょう。

占いの要素はビジネスにも応用される!?

昔と現代、都市や田舎に関わらず、人間は自分の将来や悩みの解決方法を知りたいという気持ちがあるでしょう。ベトナムのビジネスマンも例外ではなく、必ず陰陽五行説や風水について意識しています。
※五行説や風水思想は究極の統計学の結果で信頼性が高いとよく言われています。

方角・色・財運など、あらゆるものに五行が当てはまるので、オフィスを構えるタイミングや、入り口・ドアの方向、会社のロゴや壁紙の色など、さまざまな決定に影響します。また、同僚や部下とよく喧嘩するときや、仕事が順調に行かない場合も、「命」が合わないからだと判断される可能性が高いです。ちなみに、私は自分の五行に合うように名刺の色を金色にしました。

ただ、占いを信じるかは、迷信か文化的信条か人それぞれによって異なりますが、私は「運命」というものは存在しないと思いますので、占いはあまり信じていません。ただ、問題なく選べる場合は、占いに従った決定をするようにしている程度です。

まとめ

経済が発展すればするほど、人間の悩みは増加していくでしょう。人間関係に疑問を持ち、望まないことばかりが発生する時、将来に不安を抱いて自信がなくなる時に、一部のベトナム人は占いなどを精神的な拠りどころとして根拠なく信じます。ただし、「生まれた時から自分の運命がもう決められている」ということを否定する人も多くいるでしょう。

政府がこの占い依存という社会問題に干渉することも必要ですが、一人ひとりが、自分で自分を幸せにすることができるという視点を持つことが大切なのではないでしょうか。

 

(編集:きたざわあいこ)