こんにちは。クリスクベトナムのリエンです。
ベトナムの食事といって思い出すのはなんでしょうか? きっと一番有名なのはフォーですよね。
そんなベトナムの食事に関して、ベトナムの統計総局(ベトナムの経済、社会に関わる統計各種を編纂、発表する政府機関)から興味深い発表がありました。
それは、ベトナムの年間食品消費額は、2010年の187億USDから2015年には276億USDに大幅に増加しているというものです。
1人あたりの年間食品消費額も増加しているとのこと。
というわけで今回は、ベトナム人の食品購買の動向について紹介していこうと思います。
ベトナムの都市を歩くと一番に目を引くのは小さな路上の個人商店と屋台ではないでしょうか。
約19平方メートルの小さい店舗には、食料品・生活雑貨・日用品などたくさんの種類が売られています。このような店舗の特長は、小規模であるため運用コストが低く、管理しやすい、自由な価格設定ができる点などが挙げられます。
なお、ベトナムにはこのような個人商店が全国に130万あると言われています。日本にはコンビニが5万店舗程度なので、この数がいかに多いかということが分かるでしょう。
つまり、個人店は大通りから細い道までどこにでもあるのです。そして、コンビニよりも支払いが早く済み価格も安いため、個人商店の方がコンビニやスーパーよりも利便性が高いとベトナム人は感じています。
個人商店は深夜になると営業を終了し、そこからは屋台が主となります。移動式の屋台には青や赤のプラスチック製のテーブルとイスがあり、座ってゆっくりと食事もできます。
ベトナムはバイク天国と呼ばれるほど、バイクが人々にとって非常に重要な位置を占めています。また、ベトナムは湿度が高く暑い気候ですが、街の歩道は狭く、日よけの木があまり植えられないせいで、ベトナム人の多くは歩くのが嫌いです。
しかし、コンビニ前は駐車が不便であることが多いので、多くの人はコンビニよりも、バイクに乗ったまま購入できる路上の個人店の方が便利でよく利用しています。
また、住宅地周辺には市場のような雑多なエリアも少なくありません。
カゴを地面に置けばすぐに開店できるため、野菜や穀物・調味料などの食料品を売っている人が多くいます。歩道の幅が広い場所では必ずといっていいほど路上で店が開かれており、これはけして驚くことではありません。この道はもちろんバイク通行が可能です。
そのほか、この写真のような移動店舗も、オフィス街や学校、病院の前によく見かけます。衛生上は保証できませんが、屋台の食べ物は意外と美味しいですよ。
5年前、私が日本に留学している時、タイ人の友達に「ベトナムにはセブンイレブンがない」と言ったら、彼女はとてもびっくりしていました。そのころベトナムには、コンビニがほとんど無かったのです。
しかし2013~2014年の2年間で、ベトナムのコンビニとミニスーパーマーケットは順調に増加。現在はホーチミン市内だけで、シンガポール資本の「Shop&Go」が126店舗、アメリカ資本の「Circle K」が150店舗、日系コンビニのファミリーマートとミニストップの140店舗が展開されています。
博報堂生活総合研究所アセアン(HILL ASEAN)が発表した社会階層意識に関する調査結果によると、ベトナムでは自分が中間層だと思う人が96%に上ることが明らかになりました。
貧しさから抜け出たベトナム人は、美味しく安全なものを食べることを求めている傾向が強く、ベトナム人にとって安くはない価格であるロッテリアやケンタッキーといったファーストフードの店にも、たくさんのお客さんが入っています。
このような傾向から、スーパーマーケットやコンビニ、チェーン店などで購入する人も、今後どんどん増加して行くと予想されています。
ベトナムでは最近Foody(フーディー)というレストラン検索・ランキング・口コミサイトが大人気となっていますが、このfoody.vnの運営会社には日本のサイバーエージェントの子会社が出資しており、投資金額は非公開ですが、約200万ドルだと言われています。
ベトナムでは、Foodyのように大きな投資が行われるスタートアップは珍しいのですが、この投資からも発展途上であるベトナムの外食市場が、成長性が高いと考えられている、ということが分かります。
ところで、ベトナムの屋台の食べ物は外国人観光客の間で大人気ですが、移動販売は家賃が無料の代わりに、公安(警察)の取り締まりがあり、出店する場合は許可を受けなければなりません。しかし、ベトナム路上の屋台経営者の78%許可を受けず無許可道路使用の罪とされています。
路上屋台での食事における不便点を例にしたケンタッキーベトナムの広告動画があるので、最後にご紹介しておきます。
動画の内容は、日本人から見るとあまり日常的には共感ができない出来事かもしれませんが、ベトナムならではの視点からこのようなプロモーションが生まれていると思います。
日系企業がベトナムに進出する場合についても、現地のベトナム人が潜在的に何を求めているかという所を知る事がなによりも重要といえます。