こんにちは、クリスクベトナムのリエンです。
ベトナムでも、一年中様々な分野の広告キャンペーンが実施されています。
今回は、最近行われたキャンペーンの中でも、特に目立ったもの、また効果の良かったキャンペーン事例を5つご紹介いたします。
洗剤メーカーのOMOと、ベトナムで人気のアーティスト「Son Tung M-TP」がコラボしたキャンペーンで、アーティストのM-TPが、歌詞と合わせてOMOの新商品を使ってみせるMVを作成しました。
動画では、文章や写真だけでは表現しにくい商品のメリットを紹介。人気歌手のMVということのほか、商品の使い方が簡単に分かる歌詞と振付も影響し、動画がファンの間に話題・拡散されました。
息子が家事を手伝うことで母親に対する思いやりと感謝の気持ちを伝えたいというメッセージも感じられ、効果を引き上げた広告だと思います。結果、この動画は既に1830万回を突破し、2015年のYouTubeアジアの広告再生ランキングTOP10の1位にランクインしました!
ベトナムの携帯電話・スマホの利用率は、2018年には70%に上昇すると予想されています。そしてスマホの普及に伴い、インターネットの利用時間はテレビの視聴時間を超え、YouTubeの再生時間と再生回数も前年比120%まで増加してきています。その中でも、スマホでの再生時間が50%を占めています。このことから、ベトナムはYouTubeの視聴時間が世界トップ10に入るまでになりました。
今後の4Gサービスの普及に従い、スマホ向けの動画広告を利用した企画が益々増加して行くと予想されています。
栄養成分不足を解消するという、ベトナム国家健康キャンペーンの一部。主婦に好かれる調味料のKnorrは、国立栄養研究所とコラボしてSMSクイズを実行することで、農村女性のビタミンAに対する利用意識を高めました。
「Knorr Nutri Pop Quiz」という携帯電話向けのクイズをベトナムの北部で実行。当時、スマホなどを利用したキャンペーンが多くなりましたが、農村に住む女性だけを対象にしたキャンペーンを実行するためには、SMSが一番適切なツールとして、効果的に活用されました。
結果、クイズの参加者数は約6万人以上。想定の3万人から倍の成果に繋がりました。さらにKnorrベトナムは、このキャンペーンを支持する「100の珍味レシピ」というレシピ系アプリもリリースし、こちらも好評となっています。
なお、この実用的なキャンペーンは社会的インパクトを創造したと評価され、2014年のベトナムにおけるモバイルマーケティング業界で最も顕著な活躍をした企業に授与されるアワード「The SMARTIEST」を受賞しました。
ベトナムでのソーシャルメディア普及に伴い、ソーシャルメディアを利用したキャンペーン企画が盛り上がっています。
ファン・消費者の趣味や深層心理を解明する上で、ソーシャルメディアを通じ新商売品の話題作りに成功した2つの事例を以下に紹介します。
参加者は、ファンタ缶と合わせた自撮り写真にハッシュタグを付けて投稿します。毎日、「いいね」を多く得た写真の投稿者に、ファンタからギフトを贈るというキャンペーンです。
ベトナム若者を中心に流行している「セルフィー(自撮り)」を前提に展開されました。米スラーピーの「ひげストロー」が付いた新商品のキャンペーンと同様に、SNSに投稿された「Fantaとセルフィー」というワードが話題となり、参加者に撮影・投稿してもらうことにより、口コミを上手に操れた事例です。
ベトナムNO1.チャットアプリZaloの利用者をターゲットに「More talk, more consume」というスローガンで実行したキャンペーン。絵文字や自分の名前が印刷されているコカコーラの缶と、自撮り写真をSNSで公開してもらう。
この世界で大ヒットになったキャンペーンは、ベトナム市場で展開される時もポジティブなインパクトを与え続けていました。コカコーラは消費者に自分の名前、または自分の事は特別だという感覚を与え、商品を個人化したと言えるでしょう。この魅力的なキャンペーンは既存のファンだけではなく普通の消費者の間でも広まりました。結果、世界でのインプレッション数は11.4億以上になり、大成功しました。
Close-upの商品のなかにある「当たり」を引くと、映画館で映画チケットの1枚とポップコーン・ドリンクセットに無料で引き換えられるというキャンペーン。
このキャンペーンは、実施期間全体で16万回以上のエンゲージメント数を達成しました。
なぜこのキャンペーンが成功したのでしょうか?
このキャンペーンはFacebookページに「いいね」をして投稿をシェアすることを参加条件に設定することで、参加者が誰かに話したくなるかどうかを明確に意識したように考えられます。いつも一人で映画を見に行く人はベトナムではあまり見かけません。そのため、映画チケットを賞品にすることで、ユーザー間のつながりを最大限活用できました。利用対象となった映画は、ベトナム映画の歴代興行収入記録を破る大ヒットで、SNS上でとても話題になりました。
以上に紹介した5事例は、外資大企業によって展開したりベトナム政府機関とコラボして実施されたりと様々ですが、共通点はソーシャルメディアの影響・普及を実感できる結果が得られたことだと思います。
今後、ベトナムに進出する中小企業も、キャンペーンを実施することによりポジティブな社会的インパクト及び重大な影響を与えるように期待しています。