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観光収入1割超のタイ 国内観光の需要はどう変化している?

観光立国のタイはコロナショックで大ダメージを受けていますが、国内観光を促進し経済回復を目指すため、タイ版GoToキャンペーンを7月中旬に開始しました。アフターコロナの訪日タイ人のインサイトを掴むために、タイ国内の観光状況と、タイ人観光者の国内データ分析、タイ人観光者が気にするポイントを紹介します。

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観光収入1割超のタイ 国内観光の需要はどう変化している? - クリスク
9:21

お久しぶりです! クリスク・タイのパーです!

世界中で全ての業界が新型コロナウイルスによる影響を受けていますが、中でも最も大きいと言えるほどダメージを受けている業界に観光業があることは間違いないでしょう。

東京2020オリンピックを開催する予定だった日本、そして観光収入がメインであるタイも経済損失と戦う必要があります。

そこで、アフターコロナに訪日するタイ人のインサイトを掴むために、タイの国内観光状況と、タイ人観光者の国内のデータ分析したいと思います。加えて、タイ人観光客が気にする旅行中のポイントをまとめて紹介したいと思います。

コロナ以前のタイ国外旅行データ

では、まずコロナが発生する前のタイ人の国外観光概況についてお話しましょう。

▼タイ人の主な観光シーズン

  • 3〜5月:ソンクランの連休と学校の夏休みがある
  • 10〜12月:外国で紅葉や雪体験が出来る

▼タイ人国外旅行人口と消費金額

  • 国外旅行人口:約1000万人(2018年・世界銀行の発表より)
  • 国外旅行消費金額:約124億米ドル(約1.4兆円)ほど(JNTO・日本政府観光局の発表より)

▼タイ人 訪日データ

  • 2018年 タイ人訪日人口: 約113万人
  • 2019年 訪日観光者数ランキング:5位
    (JNTO・日本政府観光局の発表より)

なおタイ人の2019年訪日客数(1月~3月)は、2018年より16.5%も急上昇しており、観光に関する企業にとって、タイ人がとても魅力的で、成長性のあるターゲットだと言えるでしょう。

2019年にタイ人訪日客が増えた要因とは?

日本には非常に多くのタイ人が訪れており、しかも毎年のように増加しています。では一体タイの訪日客は何に影響されて、日本旅行をしたのでしょうか?

多数の要因がありますが、中でも大きな影響を与えたポイントを紹介します。

  • 王道な観光地以外にも、新しい観光地が次々とPRされるため、日本好きなリピーター観光者が何回も訪日をする。
  • タイの金融機関が、国外旅行の為替チャージ無しで使えるデビットカードのような、国外観光をサポートする商品の提供を開始した。
  • ローコスト航空会社(LCC)によるプライスプロモーション競争の激化。
  • インターネット上のオンラインマーケティングで、タイ人が訪日の情報を昔より得やすくなった。また、情報が刺激になり旅行をするきっかけになり、訪日願望がある人が計画を立てやすくなった。

国外旅行に行きやすい状況が整ってきたこと、そして日本の魅力的な情報がタイ人に効果的に届いていることで訪日客数が伸びてきたと言えます。

タイの観光収入

日本および国外旅行が一般に浸透してきたタイですが、一方でタイも観光収入が国の主な収入源といっても過言ではありません。タイの2019年の観光収入は16%を占めており、うち10%は国外渡航者による観光収入です。(KrungthaiBank・EconomicResearchCenterより)

しかし今は 、外国から訪れる観光客を迎えることも出来ません。

そんなご時世に、タイはどう乗り越えようとしているのかも見てみましょう。

タイ政府の国内観光施策

タイ経済を支える目的として、タイ国政府観光庁による「ラオ・ティオ・ディウイ・ガン」(私たち一緒に旅行しよう、という意味)という企画が発表されました。これは、7月~10月の間、タイ人のみが参加できるタイ国内観光を奨励されるキャンペーンです。

引用元: https://www.xn--12c1bik6bbd8ab6hd1b5jc6jta.com/

この企画に登録した人は、以下の3つの特典を得ることができます。

  • 10泊または10部屋の宿泊費が40%割引
  • 企画に参加しているホテル・レストランの最大一日900バーツのクーポン券
  • 一人最大2000バーツの飛行機代割引

企画の効果を見てみると、7月27日の時点で登録者は459万人。そして、25万件の宿泊予約が入り、政府によって延期されていたソンクランの連休中には4.8万件がチェックインされたそうです。

参考)https://news.thaipbs.or.th/content/294982

タイ国内観光の状況

国外旅行ができない代わりに国内旅行をしているタイ人は、旅行に対して今はどんなこだわりを持ち、行動が変化しているのか気になりますよね?

タイ国政府観光庁のマーケティング研究部門は、連休である7月17~20日の間に、タイ全国から1,208人を対象として、2020年における国内観光の意見と行動を調査しました。

参考)https://bit.ly/3iQNbW7

▼観光計画日数

約9.58日/前もって観光計画をたてる。

▼観光した人数

3.86人の人数で観光した。

▼一緒に旅行した人の関係

  • 53.29% 夫婦/恋人
  • 53.21% 家族/親戚
  • 17.77% 友達/同僚

▼観光先を決める要因

  • 84.51% 自然の美しさ
  • 82.75% 交通の便利さ
  • 81.70% 自然が清潔
  • 81.52% コロナ対策やコロナから安全
  • 80.15% ローカルの人がフレンドリー

▼観光先に更に行きたいと思わせる要因

  • 50.01% 観光地の清潔保持ポリシー
  • 52.24% 観光地の感染予防対策
  • 47.44% 自然の観光地が影響しているかどうか
  • 44.75% コロナに対するワクチンの開発
  • 42.80% ホテル・レストラン・観光地が国の支援しているプロジェクトに参加しているかどうか

▼観光計画に影響のある要因

  • 60.29% レンタカー・マイカーで観光可能
  • 47.96% ホテル予約
  • 40.78% 観光先
  • 26.43% 観光日数
  • 23.45% チケット予約
  • 12.98% 現地で使う乗り物
  • 8.97% 祭りやイベント
  • 0.35% 予算
  • 0.28% 観光先でやるアクティビティ

▼情報収集の時に使うツール

◎チケット→ Facebook、Traveloka、Pantip、Expedia

◎ホテル→ Facebook、Agoda、Booking.com、Traveloka

◎レストラン→ Facebook、Wongnai、YouTube

◎観光地→ Google、Facebook、YouTube

▼観光先へ行く乗り物

  • 70.41% マイカー
  • 9.41% 飛行機
  • 6.41% レンタカー or 運転手付きのレンタルバン

▼行ったアクティビティ

  • 73.24% 写真を取ること
  • 56.73% 自然堪能
  • 47.59% 宗教に関する聖地巡礼
  • 46.18% 買い物
  • 44.95% ドライビング

▼観光後のアクション

  • 94.13% 経験をシェアする
  • 79.36% SNSで写真を投稿
  • 76.10% 友達/家族/知り合いに経験共有
  • 16.46% メディアで経験の記事を投稿

▼アフターコロナに行きたい国外旅行の希望国(Booking.com発表情報

1,東京(日本)
2,ソウル(韓国)
3,大阪(日本)
4,シンガポール
5,ウブド・バリ島(インドネシア)
6,ロンドン(イギリス)
7,クアラ・ルンプル マレーシア
8,台北(台湾)
9,パリス(フランス)
10,ダナン(ベトナム)

このアンケート調査により、感染予防対策がかなり重要な事項と考えられていることが分かりました。

具体的には…

  • 公共交通機関を避け、レンタカーやマイカーで観光する
  • 身内である家族・親戚・恋人と観光すること
  • 観光の時間を短くして状況が安定しているうちに観光に行くこと

などが、感染対策として安全な方法だと考えられていそうです。

タイ人観光者を惹きつけたいなら、まず、感染予防対策をしっかり行っていることをPRすることは大切ですね。

また、感染予防対策以外にも、観光地自体の美しさと清潔さがタイ観光客に求められています。

SNSが大好きなタイ人は、SNSに投稿出来る写真映えする観光地がいいと感じる傾向が強く、SNSでのレビューにより自分も行きたいと思うタイ人も多いため、そういったスポットの紹介も欠かせません。

次回は、実際にタイの観光施設や観光地で行われているマーケティング事例と、気をつけるべきマーケティングプランについて紹介していきたいと思います!

ぜひ次回の記事もチェックしてくださいね!

(編集:きたざわあいこ)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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この記事を書いたのは

クリスク・タイ スタッフ
子供の頃から日本文化に触れて育ち、中学生で日本語学校に通い始めた生粋の日本マニア。北海道大学・イギリスの大学院への留学を経てクリスク・タイへ入社。公私にわたってデジタルマーケティングに携わる。趣味は読書、コンサート鑑賞、ゲーム。最近はゲーム実況を見ることにもハマっている。

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