みなさんこんにちは。
クリスク・タイのパーです。
前回は、タイで動画配信サービスがどれほど人気なのかや、人気アプリの特徴などを紹介しました。
タイでもビデオオンデマンドは人気! 動画配信サービス「Line TV」「TrueID」の特徴とは?
今回は、タイで最も人気と言える動画配信サービスNetflixがどんなマーケティングをしているかについて紹介させていただきます。
Netflixとは?
ご存知の方も多いと思いますが、Netflixは、アメリカで創業した動画配信サービスで、190ヶ国に1億4,000万人の有料会員がいます。日本では2015年、タイでは2017年よりサービスが開始されました。
タイでは若者の間での普及率が高く、2018年初頭には10万6,000人のタイ国内ユーザーを獲得することを成功しました。
そんな世界トップクラスのサービスは、タイでどんなマーケティングと広告を行っているのでしょう?
参考)https://www.bangkokpost.com/business/news/1401646/cinemas-keep-gaze-on-streaming
Netflixがタイで人気となった理由
オリジナルドラマが魅力的
Netflixのオリジナルコンテンツのシリーズ・ドラマがとても人気です。他の動画配信サービスと比較しても、すごく独特で、Netflixの最大の武器と言えるくらい、会員を呼び込むセールスポイントだと大勢の人に認識されています。
そして、2019年1月30日には、タイの大手映画会社「GMM」と手を組んで、タイ人向けのオリジナルシリーズを出すなど、タイ人ユーザーの好みに応えようとしています。
王道のハリウッド映画や欧米のシリーズ・ドラマ以外にも、タイ人の興味が引けるシリーズ、韓国ドラマ、日本ドラマ、アニメなどのアジア系コンテンツも続々追加されています。
タイ人ならでは? アカウントシェア
タイ人は無料サイトで動画を見ることに馴染んでいますが、Netflixの料金は他の動画配信サービスにくらべて少し高めです(280バーツ/約970円~※プランによる)。
しかし、Netflixはひとつのアカウントでも別々の端末で利用出来るプログラムなので、ユーザーかNetflix会員になりたい人が一緒にアカウントをシェアする人を探す行動から、口コミが自然に発生します。
人気の人やサービスを使ったPR
タイでいま人気の「BNK48」と一緒に企画した、若い魔女をテーマにしたオリジナルシリーズ「Chilling Adventures of Sabrina」のプロモーションを行いました。これにより、BNK48ファンからのエンゲージメントはもちろん、一般人からの注目を集めることも出来ました。
また、タイの大手通信会社である「AIS」と手を組んで、パートナーになりました。クレジットカード所有率が低く、クレジットカード支払いに不慣れなタイ人向けのAISのサービスで月間料金の支払いが出来るプログラムを行っています。
オフライン広告の力で認知度をアップ
オンライン上のプラットフォームであるNetflixですが、Netflixはオン・オフ両方の広告を積極的に行いました。そして、見事に両方の施策で、口コミを爆発的に拡散させることに成功したのです。
それでは、衝撃的な反応を得たNetflixのオフライン広告例を紹介させていただきます!
お正月、バンコクから観光地につながるトールウェイ(高架道路)に大きなビルボード広告が出現しました。そこには、いざ旅行に出かけるぞ! というタイ人に向けたメッセージが。
「お正月はどうやって過すか、今考え変えてもまだ間に合いますよ。もうどこにも行かずに家に帰ってNetflixを観覧しましょう」
ユーモアセンスのあるこの広告は、SNS上で大変話題になりました。
オンライン面では、Facebook、Twitter、そしてYouTubeなどあらゆるSNSプラットフォームを利用して広告を出しています。そして、オフラインと同様に普通の広告ではなく、タイのフレッシュなニュースに関連させた内容にしたり、Netflixのオリジナルシリーズを、タイ人、特にメインターゲットである若者や若い社会人向けのコンテンツ性を足したりして、シェア数とコメント数を急激に増やすことに成功しています。
まとめ
タイ人のインターネット上での動画視聴率が上がり、もともとあった有料テレビ配信サービスがインターネット動画配信サービスに変化してきています。
Netflixでは、一般のタイ人からの人気を得るために、世界的に有名な欧米映画やシリーズ・ドラマだけではなく、タイ人向けのオリジナルコンテンツが一つの武器として使われたことで成功しました。
しかし、サービスの中身だけではなく、広告などでもタイ人向けの要素を含めば、より注目を集めることが出来るのではないでしょうか。
(編集:きたざわあいこ)