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最近人気の『Shopee』と老舗『LAZADA』の広告を比較した

タイでも近年、爆発的にユーザーが増えているeコマース。 今回は、eコーマスサイト『Shopee』と、老舗である『LAZADA』の広告比較から、最近の広告戦略について紹介していきたいと思います。

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こんにちは、クリスク・タイのパーです。
前回は、タイのeコマース事情と、タイで最近人気のネットショッピングサイト『Shopee』について紹介しました。

今回は、そんな『Shopee』と、老舗である『LAZADA』の広告比較から、最近の広告戦略について紹介していきたいと思います。

Shopeeはどのような広告をやっているのか

今、タイ、特にバンコクに来たなら、どこに目をやってもShopeeの広告が目に入ってくるでしょう。

街なかにある華やかなオレンジ色の看板のほか、バンコク内で走っているBTS(電車)の駅では、階段から車両内のCMまで、全てにShopeeの広告が掲載されている状態です。

タイでビジネスを開始してから2年目にして、全力で広告に力を入れていることがよく分かります。

駅内の一部の風景「Shopee」のロゴがいたるところに見えます。

ブランドへの認識作りは、耳に残る曲と国民的俳優・女優のプレゼンター

最初にブランドを知ってもらうために影響力が強いのは、やはりテレビCMと屋外の看板広告でしょう。

 

Shopeeの広告は、オレンジ色のテーマカラー、頭の中で繰り返されるほどキャッチーなテーマソング、単純で印象的な振り付けです。
さらに、国民的人気若手俳優のナデート・クギミヤと女優のヤーヤー・ウッラサヤーが出演しており、多くの人の認識を効率的に獲得できます。

Shopeeのメリットである誰でも使える・何でも買えるフレンドリーなアプリケーション(サービス)のイメージにぴったりなプレゼンターとテーマソングではないでしょうか。

SNSが大好きなタイ人の性格を把握

Shopeeの広告で特に注目したいのは、SNSの広告活用です!

タイ人が好んで使用しているFacebookとInstagramには、Shopeeの広告がよく見かけられます。人気の機能であるInstagramのStoryでの広告も活用しています。

特に、プロモーションの日(例えば、9月9日、11月11日※中国の独身の日としても有名ですね)に近ければ、広告が非常に頻繁に出てきます。

そしてYouTubeで公開しているCMも、プレゼンターの俳優・女優コンビのクイズとなっており、押し売りするような内容でないことも、視聴者が広告から逃げられることを防いでいます。

 

この他にも、タイの若者の間で人気が高いゲーム『ROV』内にも広告が出ています。また、Shopee経由でゲーム内課金プロモーションをするなど、ターゲットである若いユーザーを獲得しているようです。

インフルエンサーマーケティングにもひと工夫

そのほかに、Shopeeが選んだ広告戦略のひとつはマイクロ・インフルエンサーマーケティングです。
私が以前の記事で紹介したように、とても有名なインフルエンサー達のPRでは、ユーザーはスポンサードされた投稿かどうかが気になってしまい、信頼性が少ない可能性が出てきています。

そこでShopeeでは、そこまで有名ではないが、シェア率・リツイート率が一般人より高いマイクロ・インフルーエンサーにPRしてもらっています。

もうひとつのマイクロ・インフルーエンサー活用としては、タイ人のレビュー好きな性格を活かして、Twitterのハッシュタグの機能を利用したものがあります。

それは、『#Shopeeレビュー』というハッシュタグに口コミを投稿してもらうという方法です。このハッシュタグにより、口コミを広めることができ、Shopeeへの認識を高めることができました。

Shopeeは、これらの広告と、アプリケーション・サービスなどの改良を行い、1年間でサービスのMonthly Visit数を350万から1,508万と、4倍に増加させることができました。そして、タイのeコマース・プレイヤーランキングも3位から2位になったのです。
参考:https://ipricethailand.com/insights/mapofecommerce/en/

老舗「LAZADA」は、どういう動きを見せるのか

(タイLAZADAのサイト画像)

LAZADA は、2018年4月にタイで6周年を迎えており、現在のタイeコマース市場では絶対的な1位を獲得しています。
2位のShopeeの2.6倍ほどのMonthly Visit数がいるLAZADAですが、2017年末から2018年第四半期にかけて、Monthly Visit数は7,565万から3,972万に減少しています。

そのような状況にあるLAZADA が現在、他のeコマースプレイヤーに対してどんな対策を打っているのかを見てみましょう!

初めてブランドアンバサダーを登用

6周年記念発表会で、2018年の大ヒット時代ドラマで活躍した人気若手女優ベラー・ラーニーを、ブランド初のアンバサダーに任命し、多くの人を驚かせました。

現代的で陽気な性格の女優をアンバサダーとすることで、LAZADAの親近感をアップさせました。

SNS上の広告活用率をアップ

数年前のLAZADAは、グーグルアドセンスなどを利用し、ポップアップ型の広告を出していました。しかし、ポップアップ広告は不評であり、Pantipというタイの最大の電子掲示板サイトに批判のスレッドが現れることもありました。

現在は、SNSでの広告やプロモーション広告などを増加させており、Shopeeのように、セールの日が近ければ広告がより多く見られるような形に変わってきました。

アプリの機能をゲームやSNSの機能に近づけるように改良

若者のタイ人の客をさらにゲットできるよう 、LAZADAもウェブサイトよりもアプリの改良を行ってきています。

直接販売者とチャットができる機能や、フォローできる機能などを追加し、さらにSNS感をアップしました。また、携帯を振ってディスカウントをゲットするなどゲームのような機能を追加し、現代の若者のハートを掴もうとしています。

(LAZADAのアプリ画像:フォローができる機能)

まとめ

現在のタイのショップサイトの広告手法について、理解していただけましたか?

ブランドへの認識を高めるために、全力でCM・路上広告などをオフラインで行ってタイ人のSNSへの姿勢の理解を示し、

  • SNS上の広告を行っている
  • アプリのプラットフォームをSNSのような機能を追加・改良している

Shopeeはこのような広告手法を用いて、大きな市場のユーザーを獲得することができました。

タイで1位のeコマースプレイヤーであるLAZADAもじっとしている訳ではなく、既に高いブランド認知をより高めるために、新たなにブランドアンバサダーを登用するほか、システム・アプリもSNS風にしました。

そして、オンラインショッピングのメインターゲットである若者が好むSNSでの宣伝を増やし、ポップアップ広告を減らしました。

SNSやそれと同じような機能を利用して、現代のお客様の心を掴むことが大切だということが、2社の広告戦略から分かったのではないでしょうか。

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

東南アジアにおけるSNSを活用したマーケティングをサポートします。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いたのは

クリスク・タイ スタッフ
子供の頃から日本文化に触れて育ち、中学生で日本語学校に通い始めた生粋の日本マニア。北海道大学・イギリスの大学院への留学を経てクリスク・タイへ入社。公私にわたってデジタルマーケティングに携わる。趣味は読書、コンサート鑑賞、ゲーム。最近はゲーム実況を見ることにもハマっている。

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