こんにちは、クリスク・タイのパーです!
あっという間に2019年の半分が終わってしまいましたね。さて、みなさんは自分や周りの人のインターネットやSNSの利用状況が変わったと思うことはありますか?
私は移動中のSNS活動が増えたような気がしていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
今回は、タイ人のインターネットとSNSの利用概況に関して2018年に起きた変化と2019年トレンド予想について紹介したいと思います。
タイ人のインターネットの利用状況
まずは、タイ電子取引開発機構 (ETDA) 発行のレポートによる、タイ人の2018年におけるインターネットの利用概要を簡単にまとめます。
利用時間と利用者層
2018年、タイ人は1日に約10時間5分ほどの時間インターネットを利用。2017年の利用時間より3時間30分も増加しています。インターネットを一番利用している年齢層は24~37歳でY世代の社会人です。
インターネット上のアクティビティ TOP5
- SNS(Facebook, X(旧Twitter), Instagramなど)(93.6%)
- Eメールの送受信 (74.2%)
- 情報検索 (70.8%)
- オンラインテレビ・音楽の観覧 (60.7%)
- 商品・サービスのショッピング (51.3%)
※ETDAの調査に参加したタイ人が3ヶ月間の間にインターネット上で行ったアクティビティを調査したものです
ちなみに、商品・サービスのオンラインショッピングは2018年で2年連続トップ5入りになりました。
急増したインターネット上のアクティビティ TOP5
- オンライン読書:48.3% (2017年:30.8%)
- 商品・サービスの商売:24.5%(2017年:13.7%)
- ホテル・宿のブッキング:20.7%(2017年:11.0%)
- タクシーを呼ぶ:12.6%(2017年:4.8%)
- 映画やショーのチケット購入・予約:21.7%(2017年:14.6%)
タイ人が、読書やショッピング、交通、映画予約などの日常的なアクティビティをオンラインで行うことに慣れて受け入れるようになったことが分かります。
これは、オンラインショッピングが一般的になり、オンラインでのサービス利用に対するタイ人の信頼が少しずつ高まったことが寄与していると考えられます。
タイ人に人気なSNSと利用状況
ここからはもう少しSNSに注目して見ていきましょう!
先程のデータで紹介した通りタイ人のうち93.6%の人がSNSを利用しています。平日には3時間23分、休日には3時間47分利用しているというレポートもありました。こんなにたくさんSNSを利用しているタイ人に 2018年はどのSNSプラットフォームが人気だったのでしょうか。
タイ人に人気なSNSランキング
SNS名
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2018年
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2017年
|
Youtube
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98.8%
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97.1%
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Line
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98.6%
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95.8%
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Facebook
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96.0%
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96.6%
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Facebook Massenger
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88.4%
|
–
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Instagram
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67.2%
|
56.0%
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Pantip
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64.2%
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54.7%
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X(旧Twitter)
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43.0%
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27.6%
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WhatsApp
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10.6%
|
12.1%
|
過去のデータを見てみると、Youtube、Line、そしてFacebookは3年連続トップ3をキープしています。
年齢層別ではY世代(21-37歳)と、Z世代(8-20歳)は1番利用しているSNSはYoutubeで、Lineを連絡ツールとして利用しています。しかしX世代(38-53歳)とベビーブーマー(54-72歳)は最も利用しているSNSはLineで、Youtubeの利用率は2番目となっています。
参考:
https://www.etda.or.th/publishing-detail/thailand-internet-user-profile-2018.html
https://www.etda.or.th/publishing-detail/thailand-internet-user-profile-2017.html
タイ人はどのように各SNS利用しているのか、いくつかのSNSプラットフォームをピックアップして話していきたいと思います。
Youtube
利用者:約4千万人
都会住民93%:都会外住民92%
Youtube Day (2018)のイベントで発表されたデータによると、タイはインターネットユーザーのうち9割がYouTubeのユーザーになっており、世界で最も動画コンテンツを閲覧しているそうです。
<タイ人がYoutubeを見る目的>
- 再放送を見るため:51%
- 知識や勉強のため:33%
- 音楽を聴くため:70%
- 商品・サービスについての詳細を調べるため:24%
子供、若者、そして大人まで幅広いユーザーに大人気なYouTubeですから、企業にとって、インフルエンサー動画、タイアップ動画、広告を流すなど、さまざまなタイ人向けのマーケティングが可能なSNSだと言えます。
参考:
https://bit.ly/305SAP0
Line
利用者:約4200万人
男女比:男性53%:女性47%
Lineはタイのインターネットユーザーのうち6割が利用しており、タイで1番のチャット系ベースのプラットフォームです。また、インターネットを利用する時間のうち3割がLineを利用しているというデータがあります。
Lineプラットフォーム内のビジネス目的の人気機能は以下です。
▼スポンサースタンプ
- 無料のスポンサースタンプをダウンロードした全ユーザーの73%が女性
- 一番人気なスポンサースタンプは音声と動き無しの普通のスタンプ系
- 一番スポンサースタンプをダウンロードした年齢層は30~34歳(18%)で、その次は25~2917%)と、35~39(17%)
▼Line上の公式アカウント
全ての公式アカウントのうち、小売業のアカウントが45%、飲食業のアカウントが42%を占めています。
Lineは現代タイ人には欠かせないSNSプラットフォーム。大きな企業からスタートアップ、オンラインストアまで、Eコマースとしての機能やマーケティング道具としてコミュニケーションにかかせないツールとなっています。
参考:
https://www.facebook.com/AdAddictTH/posts/259709298000240
Facebook
利用者:約4500万アカウント
男性2300万アカウント:女性2200万アカウント
Facebookにタイ人のアカウントは4500万あると言われています。また、世界で8番目にFacebookアカウントがアクティブな国であるタイでは、このアカウントがほとんど毎日アクティブに利用されているのです。
一番多い年齢層は18~34歳(1600万アカウント)で、その次は25~34歳(1500万アカウント)。また、大学生のユーザーが最も多く、約3000万アカウントが存在しています。
なぜかタイのFacebookでは、リンクタイプのコンテンツが一番多く投稿されており、割合を見るとなんと5割を占めています(54.9%)。そして、2番目と3番目は画像タイプ(29.1%)と、そして動画タイプ(14.1%)と続きます。
▼タイ人はどんなコンテンツへの反応がいいのか?
一番人気で、エンゲージメントが高いコンテンツは、動画タイプです。画像に対して65%も反応がいいとレポートされました。そして、一番エンゲージメントが低いコンテンツタイプは、なんと最も投稿数が多いリンクタイプのコンテンツで、動画系より72%もエンゲージメントが低いです。投稿数と比較して、結果が驚くほど逆転していますね。
参考:
https://thumbsup.in.th/2019/03/facebook-thailand-insight/
https://www.rainmaker.in.th/facebook-using-trend-2018/
https://www.customerinsight.asia/แจกฟรี-thailand-facebook-audience-insight-2018/(※リンク切れ)
https://positioningmag.com/1159478
変化の理由と2019年のトレンド予想
2018年のタイ人はSNS利用時間が増加していますが、元からSNSが大好きなタイ人のSNS利用時間に影響を与えた原因や変化はいくつかあるでしょう。
- Wifiとスマートフォンの普及率が上昇
- モバイルインターネットの質がよくなったことにより、移動中にSNSをやる時間が増加
- 新しい世代の若者だけではなくて、高齢者のタイ人もSNS経由での連絡手段を選ぶように変化した
- EコマースがSNS上で行えるようになった
これらの原因として、タイ人がSNS上での企業とのコミュニケーションを受け入れていることが言えます。
そして今後起きる変化として、私は以下のように予想しています。
- タイのSNSはただのオンラインコミュニティのプラットフォームから、メディアの役割がさらに強くなりマーケティングの道具としてさらに利用されるようになる
- SNS上のたくさんのコンテンツで一番注目を集められる動画コンテンツが、SNS上のマーケティングキーとなります。ビデオコンテンツに字幕入れることも普通になるでしょう。
- 他のプラットフォームはSNSに似ている機能を追加して、タイユーザーを馴染ませることが開発の基本になってくる
- SNS上の販売機能や、ブランドサイトやプラットフォームに飛ばせる機能がもっと必要となります。例えば、Facebookのショップ機能や、LINEのオートボット、公式アカウントの販売機能など
こういった変化に柔軟に対処して、タイ人のお客様とSNSプラットフォームでコミュニケーションを効果的に行うことが、ブランドにとって欠かせない施策に今後はなっていくでしょう。
(編集:きたざわあいこ)