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スマホとソーシャルメディアがカギ?タイのOtoO事例 - クリスク

作成者: 金城 弘二郎(Kojiro Kinjo)|2015/06/25 22:35:35

2015年のスマートフォン普及率は58%、そして今後4年以内に100%に達すると予想されているタイ。

そしてモバイルでの1日のインターネット平均利用時間が4時間以上で日本の約2倍、そしてASEANの中でも最も利用時間が長いのがタイでもあります。

また、Facebookを筆頭にソーシャルメディアの利用率についてもバンコクでは既に100%超えとなっており、タイでは24時間リアルタイムで情報に触れあえる環境が確立しているといえます。

その中で、タイの現地企業はどのようにターゲットとなるユーザーにアプローチしているのでしょうか。

今回は、オンラインからリアル側に繋げる、そしてリアルからオンライン側に繋げるOtoOtoO(オンライン⇒オフライン⇒オンライン)の事例をいくつか紹介します。

BucherThailand (ソーセージメーカー)

https://www.facebook.com/BucherThailand

内容

指定の商品を購入しレシートNoをモバイルサイトで送った人の中から、10組にセレブリティと一緒に行くドイツ旅行が当たるというキャンペーン。副賞はiPhone6。

Facebookのキャンペーン投稿の反応数(2015年6月現在)

40,398 Likes
587 Shares(キャンペーンページのシェア数含む)
23 Comments

ファンからのコメントの内容は?

キャンペーンの面白さについてや実際に購入した証拠写真をコメント欄に投稿など。

期待する効果

キャンペーンの案内はFacebookから中心に行っており、既存ファンによる口コミの拡散が期待できます。また参加条件が実際に商品を購入した後キャン ペーンページでアクションをする必要があるため、店舗での購入からさらにWebサイトへの誘導、そこからのシェアや他ページへの閲覧に繋がる事が期待できます。

また、BucherThailandは他にもFacebookとInstagramとリアルを連携したキャンペーンを頻繁に実施しています。

こちらでは、購入後の参加条件をInstagramでのハッシュタグ投稿としている事や、サイアムパラゴンで行われたイベントの様子を、指定のハッシュタ グと一緒にInstagramで投稿してもらいその場でスタッフに見せる事で賞品をもらえるといったオフラインからオンラインの仕掛けも行っています。

現在Instagram内で指定のハッシュタグ付きの写真が2,400以上投稿されていいます。

似たような事例として、タイの大手飲料メーカーであるICHITANもこういったキャンペーンを頻繁に実施しています。

ICHITAN(タイの大手飲料メーカー)

https://www.facebook.com/ichitan

内容

商品を購入後、フタに表記されているコード番号をSNSで送った人の中から1日に1つiPhoneが当たるキャンペーンというかなり豪華な内容になっております。(なので中々同じ事は出来ないですが)

こちらもBucherThailandと同様にキャンペーンの参加条件が購入を前提としたものになっており、ICHITANはFacebook上でこのようなキャンペーンをかなり頻繁に実施しておりFacebookのファン数はなんと350万

また、タイではiPhoneやiPadを持っている事が個人のステータスとして感じており、こういったガジェット系を特典として関心をひくような方法が目立ちます。

Facebook上での反応数

200,000以上 Like
50,000以上 Shares
10,000以上 Comments

ファンからのコメント内容は?

キャンペーンの豪華さやおもしろさなどの感想。購入した事の報告や購入についての質問など。

また、自撮り大国タイ(笑)では自分の顔をオンライン上で出す事にあまり抵抗が無いため、自撮りと組み合わせたOtoO関連のコンテストキャンペーンを良く見かけます。

Hada labo Thailand(日本でお馴染の化粧品メーカー)

https://www.facebook.com/WeLoveHadaLabo

内容

Hada Laboの商品と一緒に自撮りして投稿した人の中から抽選でHada Laba Hydrating Lotionを5名様にプレゼントといった良くあるようなキャンペーンではありますが、Facebookのキャンペーン投稿のコメント欄に写真をアップす るか、Instagram上で#hadalaboplusmystepsと一緒に投稿してもらうといった、FacebookとInstagramを巻き込んだ形のキャンペーンとなっております。

Instagram上で最も写真が投稿された場所で世界1位になったタイでは、10代~30代までの女性層で頻繁に利用されており、女性層向けでのプロモーションとしてFacebookをハブとしたInstagramとの連携型キャンペーンが良く実施されております。

また、Instagramで投稿した写真をFacebookでも同時シェアする確立が80%以上のタイでは、Instagramを起点とした参加条件は両ソーシャルメディアのユーザーに対して露出する事が可能になるため効果的なやり方だといえます。

特にFacebook内で行うキャンペーンの利用規約として個人でのシェアを条件とする事は原則的に禁止となっているため、Instagramで投稿してもらう事でFacebook上の友達へのシェアに繋がる事が期待できます。

現在の参加者数では、Facebookでの自撮り投稿が210に対して、Instagramでの投稿が409と、2倍程の差がありInstagramでの参加率の高さが分かります。

Facebookでの反応数

16,000 Like
72 Shares
210 Comments(写真投稿)

Instagramでの反応数

409投稿 #hadalaboplusmysteps

期待する効果として

商品との撮影が条件となっているため、新たな購入者の増加と、各ソーシャルメディア上での自撮り写真投稿による情報の拡散。

その他似たようなキャンペーンとしては

https://www.facebook.com/cocacolaTH

内容

こちらの同様にInstagramとの連携+自撮り投稿といったキャンペーンになります。

コカコーラとの写真をFacebookまたはInstagram上で#CokeBreakTHのハッシュタグと投稿した人の中から30名にMovieチケットをプレゼント。

余談ですが、弊社が運用するブランドのFacebookページでもこういった写真コンテストを実施する事がありますが、条件が体験した場所や動物の写真と いったような自分が写るといった条件でも無いのにも関わらず、自分の顔や全身部分が大半を占めるような写真投稿が目立ちました(笑)もちろん写真の証拠にもなるし楽しい雰囲気が伝わってきて良いですけど。

Facebookでの反応数

63,233 Like
102 Shares
60 Comments(写真投稿)

Instagramでの反応数

120投稿 #CokeBreakTH

そして最後は、オンラインからリアルではなく、リアルからオンラインでの販売に繋げている事例でいうと、タイの大型スーパーマーケットであるTesco Lotusがスマホアプリを上手く使った戦略を行っています。

Tesco Lotus(タイの大型スーパーマーケット)

https://www.facebook.com/TescoLotus

(Facebookファン数140万人超とソーシャル上でのプロモーションにも力を入れている企業でもあります)

Tesco Lotusはタイ国内全土に多数店舗展開をしておりどこでも目にするくらいのスーパーマーケットですが、実店舗だけでなくオンライン側でも販売を行っており、ECサイトでは月間100万PV程のアクセスがあります。

Tesco Lotus Shop Onlineというスマホアプリでは、商品のバーコードを読み取る事で1ステップで対象の商品購入ページへ飛ぶ事ができます。

一度買った商品を次回まとめ買いしたい場合や、他人が所有している商品の情報が気になった場合など手軽にアクセスができ、その場で購入もできれば、取得し た情報をきっかけに店舗での購入に繋がるケースもあるかと思います。今年3月頃からリリースしてダウンロード数はAndroidだけでも約10,000と なっているのでiPhone所有率の高いタイでは倍以上の利用者数が予想できます。

私がタイに移住したばかりの2013年度はスマホがすごい勢いで普及していっている真っ最中で、そしてそれに比例してFacebookの利用者数が同じよ うに伸びている時期でもありました。その時に比べFacebookユーザー数は約2.5倍、スマホ普及は約1.3倍となり今では成熟期に入ってきている状況でもあります。

参考

2013年4月に書いた記事がこちら

タイのFacebookの現状と今後の重要性

上記は一部の例ですが、ここ1年間程でスマホユーザーとソーシャルメディアユーザー向けにオンラインからリアルへそしてリアルからオンラインへと上手く連携させた施策を行う企業が増えてきております。

国民の58%が1日平均4時間以上スマホからアクセスし、LINE, Instagramの圧倒的利用率、そしてFacebookとyoutubeもほぼスマホから利用されるタイに対して、タイ人の国民性・ライフスタイルを理解したリアル側とオンライン側両方のソリューションを組むことで爆発的シナジー効果を生む可能性を秘めています。

今後どんな成功事例が生まれてくるか楽しみです。