こんにちは!
クリスクの白似田(しらにた)です。
訪日タイ人のインサイト(本音)を知りたい! というのは、タイ人向け訪日インバウンドやプロモーションなどに関わっている方の共通の悩みだと思います。
前回「ローカルの本音が知りたい! 伊豆DMOによるタイ人インサイト調査結果を発表!」で紹介した通り、タイ人のインサイト(本音)を知るために美伊豆DMO様はイベントでローカルへのアンケートを行いました。
今回は、実際に5日間で2,000件というアンケートを獲得するために、どのような準備・オペレーションを行ったかを紹介したいと思います。
どんなアンケートをしたの?
今回、静岡県・伊豆エリアのDMO(Destination Management Organization)※である「美しい伊豆創造センター」様が、伊豆エリアに特化したアンケート調査を実施しました。
http://www.titf-ttaa.com/
※DMO(Destination Management Organization)とは、観光物件、自然、食、芸術・芸能、風習、風俗など当該地域にある観光資源に精通し、地域と協同して観光地域作りを行う法人のこと
工夫① SNSを活用したアンケートの事前告知&収集
美伊豆DMO様のTITFにおけるアンケート調査の目的は、
- タイ人により深く伊豆エリアを知ってもらう
- 伊豆エリアに特化したタイ人のインサイト(本音)を収集する
の2点でした。
この2点を満たすため、アンケート総設問数は20問と多くなりましたが、目的が明確化されていために設問を減らすことなく実施しました。
ただ、アンケート設問数が多く回答入力に時間がかかるため、展示会場だけでは回答収集が難しくなることが事前に想定されました。
そのため、展示会開催の1週間ほど前からタイ関連情報を紹介するFacebookページで告知を行い事前のアンケート収集を実施したのです。
タイ人向け日本情報サイト「UR JAPAN」でのアンケート告知画面。
アンケートの回答者には、ペン、手鏡、あぶらとり紙などのノベルティーをプレゼント。
展示会開催前に、すでに回答100件を超える数が集まっていたため、設問数が多くても回答を収集できる手ごたえをつかむことができました。
工夫② 外部パートナーの強みを活かしたオペレーション
海外展示会においては、通訳などの現地スタッフとの連携が成果に大きく影響します。
今回の美伊豆DMO様ブースにおいては、その点において適材適所の人材配置&チームプレーの実践、現地スタッフが意欲高く働ける工夫がされていました。
人材配置&チームプレー
ブースでの対応人員は、日本人1〜2名とタイ人通訳2名。当日のアンケート収集は、以下のオペレーションで行いました。
- ブース呼び込み
- (来場者による)スマホでのアンケート入力誘導
- アンケート回答完了画面を確認し、(来場者への)プレゼント&伊豆資料渡し
◎当日の人材配置
1.ブースへ呼び込み
→ 声が大きく明るいタイ人通訳のぺアリーさん
2.スマホでのアンケート入力誘導
→ 日本や静岡に詳しいタイ人通訳のティプさんが来場者からの質問や入力方法を教える
3.アンケート回答完了画面を確認し、(来場者への)プレゼント&伊豆資料渡し
→ 美伊豆DMOの日本人担当者が、回答者へのプレゼント&資料渡しを日本語やタイ語で「ありがとう」を伝えながら行う
※プレゼントをもらうときにその国の方から現地語&母国語で「ありがとう」と言われるとやはり嬉しいですし、記憶に残りやすいですよね。
このように、各自が得意なこと・必要な役割を行うことで、スムーズに来場者に対して、ブース来訪~アンケート回収~プレゼント渡し、までのフローを実現していました。
TITF会場でもひときわ目立つ大きな声で美伊豆DMOブースへの集客をしていたタイ人通訳のぺアリーさん。
「おしゃべりしたり、明るく笑顔でいるのが好きなのでイベントでいろんな人に話しかけたりするのが大好きです。また、自分は伊豆について、色々な質問に答えられるほど詳しくないので、ブースに人を一生懸命呼び込むことを頑張りました」(ペアリーさんコメント)
日本や静岡に詳しいタイ人通訳のティプさん。
スマホ入力に不慣れな高齢の方などにも丁寧にアンケートの回答方法などを教えることでブースに来た来場者が離脱してしまうということも起きていませんでした。
現地スタッフが意欲高く働ける働ける取り組み
参加した展示会のTITFは5日間、朝から夜まで開催しているため体力的にもハードなものでした。
そのため、美伊豆DMO様はブースで働くタイ人スタッフが楽しくやる気を持って働けるようにと、イベント期間中に決起会(食事会)を開催しました。
タイ人スタッフの頑張りへの感謝を伝えるとともに、目標獲得アンケート回答数を共有することで参加しているメンバーが一体となって活動することができました。
工夫③ ”想定外”に対応する柔軟なアクション
海外での展示会では、想定外のことが多々発生します。そのような時に柔軟に動けることが、展示会での当初の目的を達成するために大きな分岐点となります。
今回の美伊豆DMO様は、展示会事前アンケート&初日から予想を大幅に超えるアンケート数を回収できたため、アンケート回答者に渡すプレゼントが不足する事態の発生が見込まれました。
そこで美伊豆DMO担当者は、日本から後発組として展示会に参加する伊豆関係者に追加のプレゼントの確保とハンドキャリーで運んでもらうように依頼。
最終的には約2,000個という当社の見込み数の数倍のプレゼントグッズが必要だったにも関わらず、不足することがありませんでした。
イベントの初期段階で素早く状況を判断し、柔軟に対応することで、予想を大幅に上回るアンケート回収という成果につながりました。
中央に表示されているのが手鏡やペンなどのアンケート回答者に配布されたプレゼント。想定以上の回答者数に別のプレゼントを用意して対応していました。
おまけ
白似田が感心した美伊豆DMO様のブース出展用備品ケースの中身を担当者の許可を頂き特別に公開します!
帽子やパンフレット、展示会で使うグッズなど整理整頓され、わかりやすく収納されていますね。
右側の富士山帽子の後ろにあるパンフレットは、種類・内容別にバッグに仕分けされており、イベント中にもどれが何部あるか? などを瞬時に把握することが可能です。
展示会出展時などは、備品が不足したり、紛失などのチェックもこのように整理されていれば防げると感心しました。展示会でスムーズな動きをするためには、こういった細かい準備を怠らないことがやはり重要ですね。
また、今回の美伊豆DMO様の工夫から、
・タイ人スタッフにやる気になって気持ちよく働いてもらうための配慮
・関係各所を巻き込んで成果を出すためのリーダーシップ
・スーツケースの整理整頓された収納に見られるような細部の準備も徹底して行う姿勢
など、しらにたの日々の仕事にも参考になることが多々あり、非常に参考になった取材でした。
まとめ
TITF当日に美伊豆DMO様ブースをしらにたがのぞかせて頂きましたが、ブースにいるタイ人&日本人スタッフともに、活き活きと笑顔で楽しそうに伊豆のタイ人来場者にプロモーションしている姿が印象的でした。
大好きな地域(地元)を、仲間たちと、目標を持って、外国の方にプロモーションする。
それが当初の予想を大幅に越えるアンケート回答獲得という成果につながっていくことで、体力的にはハードな環境でもブースのスタッフ全員が笑顔で楽しく働けるんだ、と改めて実感しました。