こんにちは、クリスク・ジャパンのリュウです!
台湾人のSNS利用率は人口の82.6%。中でもYouTube・Facebook・LINEが三大SNSプラットフォームだと筆者が以前書いた記事でお伝えしました。
【台湾最新SNS事情】 ローカルに人気のSNS「Dcard」「Plurk」って?
そこで今回は、最も人気のあるYouTubeについて、実際台湾ではどのように使われているのかを台湾人視点でお伝えしたいと思います。
YouTubeの利用状況
Datareportalの調査によると、台湾のインターネット利用者のうち97.9%が動画を視聴。中でもYouTubeが最も利用されています。
2020年のコロナ禍で、YouTubeの1日あたりの平均視聴回数は2019年から6倍と大幅に増加しました。
2020年台湾YouTubeチャンネル登録人数ランキング
台湾YouTubeチャンネルの登録人数ランキングをみると、チャンネルのジャンルは多岐にわたります。ゲーム関連のチャンネルが3つ、それ以外にエンターティメント系、レビュー系、Vlog系などがあります。
ちなみに、7位の木曜4超玩(木曜で遊ぼう)は唯一ランキングインしたバラエティ番組チャンネルでした。
ランキング |
チャンネル名 |
登録人数 |
内容ジャンル |
1 |
這群人(TGOP) |
338万 |
エンターテイメント |
2 |
阿滴英文(RD English) |
267万 |
教育 |
3 |
阿神(Ashin) |
252万 |
ゲーム |
4 |
蔡阿嘎(Aga Tsai) |
247万 |
家庭、生活、旅行 |
5 |
葉式特工 (Yes Ranger) |
231万 |
ゲーム、短ビデオ |
6 |
Joeman |
207万 |
レビュー |
7 |
木曜4超玩(木曜で遊ぼう) |
203万 |
バラエティ番組 |
8 |
眾量級CROWD |
202万 |
チャレンジ |
9 |
DE JuN |
177万 |
ゲーム |
10 |
黃氏兄弟 |
165万 |
Vlog、レビュー |
YouTubeの資料を基にClisk再作成(音楽、新聞、テレビ局、アニメ、キッズチャンネル除く)
次に、2020年人気YouTuberランキングをみてみます。
※数字はすべて2021年4月8日時点のもの
2020年台湾人気YouTuberランキング
YouTuberランキングでは、登録チャンネルランキングよりもっと幅広いジャンルとなりました。
特に、外国人YouTuberが4人ランクインしていることが特徴的で、台湾人は外国文化に興味関心が高いことがわかります。
ポイントとして押さえておきたいのは、知識型のYouTuberが人気なこと。これは台湾人がYouTubeをGoogle検索のように利用することが関係しています。
例えば、何かを知りたい、勉強したい、買いたいと思った時はYouTubeで検索する人が多いです。
ランキング |
チャンネル名 |
内容ジャンル |
1 |
老高與小茉(Mr. & Mrs Gao) |
知識 |
2 |
反正我很閒 |
エンターティメント |
3 |
嘎嫂二伯&蔡波能’s Daily |
家庭、子育てVlog |
4 |
MUSE木棉花 |
日本アニメ配信 |
5 |
莫彩曦Hailey |
台湾文化、アメリカ文化 |
6 |
野人七號部落 |
旅行、アウトドア |
7 |
Ku’s dream酷的夢 |
台湾文化、フランス文化 |
8 |
韓勾ㄟ金針菇 찐쩐꾸 |
台湾文化、韓国文化 |
9 |
77老大 |
知識 |
10 |
大蛇丸 |
グルメレビュー、チャレンジ |
YouTube資料の基にClisk再作成。太字表示のは外国人YouTuber。
2020年YouTube検索ワードランキング
We are socialによれば、2020年に台湾人がYouTubeでよく検索したキーワードは以下のとおりでした。
「新聞」と「音楽」などのワードのほか、ドラマやバラエティ番組名での検索回数も多くなっています。
また検索回数一位となっている「2020」は、どんな目的で検索したか分からない人もいるでしょう。これは、BGMのメドレーを検索したい時に使います。
このように台湾人は、YouTubeで新聞、歌、ドラマなど、時間が長い動画を見ている傾向が強いことがわかります。
テレビのような使い方が主流
「歌」「新聞」「ドラマ」の検索回数が多い台湾のYouTube。これを見ると、無断アップロードされたものを見ている人が多いと思った方もいるのではないでしょうか。
しかし、台湾ではオフィシャルチャンネルを持っているテレビ局や番組が多いので、YouTubeでのニュース生放送や番組の再放送は普通のことです。なので、テレビのように使っている台湾人も少なくありません。
また、台湾ではモバイル通信量が非常に安く、毎月の平均通信料金は686台湾ドル(約2,500円)程度です。そのため、どこでも長時間の動画を見る人が多くなっています。
実際、筆者の台湾在住の両親は、月間2,700円データ使い放題のプランのため、通信料金を気にせずよくYouTubeでドラマや新聞放送を見ています。
テレビ番組再放送とニュースの生放送
台湾には20以上のニュースチャンネルがあります。そのためニュースはほぼ24時間生放送されています。
2016年から、テレビ局は次々YouTubeチャンネルを開設。テレビ放送と同時にYouTubeライブ配信を開始しました。そして、放送の後ダイジェスト版がアップロードされるようになっています。
そのため、テレビを持っていなくもYouTubeで同じ内容を見られるので、最近は有料のテレビ放送の契約をやめる家庭も増えました。
そして、ドラマやバラエティ番組はYouTubeでの再放送も行っています。
例えば、Mr.Playerというテレビアワードを何度も受賞した台湾の人気バラエティ番組。これは元々テレビ放送だけでしたが、放送の翌日、YouTubeに予告とダイジェスト版を配信するなどの取り組みを行ったところ、フォロワー数は100万を超え、注目をあびるようになりました。
YouTubeでしか見られない番組も
YouTubeの拡散力と便利性により視聴者の視聴習慣が変わりました。そして、テレビ放送自体をやめ、YouTube配信に完全移行するテレビ番組も増えてきています。
「木曜4超玩」(木曜で遊ぼう)というバラエティ番組は、はじめからYouTube配信のみでスタート。
テレビ番組制作関係者が制作しているため、テレビのバラエティ番組の構成とほぼ同じで、自作したCMが冒頭とエンディングに流れます。
配信初期の注目度はあまり高くありませんでしたが、現在は平均視聴回数100万、登録人数が200万を超える人気YouTubeチャンネルとなりました。
「木曜4超玩」(木曜で遊ぼう)を始め、トークショー、料理番組、トーク番組など様々なYouTubeでしか見られない番組が盛り上がってきています。
2020年、台湾人が最も見たYouTube動画は?
2020年、台湾人が最も見たYouTube動画は、政府のコロナ防疫対策の宣伝ビデオでした。インドネシアからの労働者が多いので、インドネシア語字幕を追加しました。
コロナの前から台湾政府はSNSで政令の宣伝をよくしていましたが、コロナ期間はさらにYouTubeの機能を活用。毎日の記者会見をオフィシャルチャンネルでライブ配信して多くの反響がありました。
まとめ
台湾で90%近い人が利用しているYouTubeは、台湾人に大きな影響を与えています。
YouTubeで歌のメドレーをBGMとしてカフェで流したり、ショッピング前に商品レビューを検索したり、レストランやグルメ探したりなど、様々な使い方があって日本よりエンゲージメント率が高いです。
そのためYouTuberを起用したインフルエンサーマーケティングやYouTube広告などの効果が出やすいため、次回は、YouTube関連のマーケティングについてご紹介したいと思います。
(執筆:リュウ ズーイー / 編集:きたざわあいこ)