【インバウンド施策】在日外国人インフルエンサーを起用すべき理由とメリット

こんにちは、クリスク・ジャパンのリュウです。　　

コロナ対策のため世界中で水際対策が実施。そのため訪日外国人に依存していた業界は大きな痛手を被りました。

しかし、海外からの消費が期待できない今、これまであまり注目されていなかった在日外国人が再び注目されています。実際に弊社にも、在日外国人を経由したインバウンド向けプロモーションなどの相談が増加しています。

外国人インフルエンサー施策というと、ターゲットは外国人となり訪日事業を行う業種が利用するイメージがあるかもしれません。しかし、在日外国人インフルエンサーマーケティングの場合は、より幅広い業種で活用することができるのです。

在日外国人インフルエンサーとは？

日本に住んでおり、YouTube、Facebook、InstagramなどのSNSプラットフォームで日本での生活を発信している外国人を、在日外国人インフルエンサーといいます。

海外インフルエンサーとの違い

海外インフルエンサーと違う点は、生活に密着している点です。

在日外国人インフルエンサーが発信する内容は、旅行者の目線ではなく生活者の目線。旅行やショッピングといったコンテンツ以外にも、例えば日本の税金や就職、進学の情報、ビザ更新と申請の注意事項など、在日外国人インフルエンサーしか発信できない内容も多いです。

そのため、フォロワーも在日外国人や、これから日本に移住・留学しようとしている海外ユーザーが多くなっています。

母国語インフルエンサーから来日前・来日後の情報収集

日本移住者は来日前に海外生活の不安を解消するため、事前に日本生活についてやビザ申請などの情報収集を行います。しかし情報の入手元が分からないため、SNS紹介されている在日インフルエンサーの母国語コンテンツでを調べることがあります。

また来日後も、買い物、旅行、暮らしなどの情報と口コミを調べ、母国の人々との交流できるよう、在日外国人インフルエンサーをフォローして情報収集や情報交換などをします。

在日外国人の人数と市場規模

一体どれくらいの在日外国人がいるのでしょうか。
2019年度、留学・就労など中長期在日資格を持っている外国人の人数は、過去最高の293万人となりました。2018年度と比べると約7.5%も増加しています。

2020年はコロナによる入国制限のため減少しましたが、2020年6月の時点で288万人の外国人が日本に住んでおり、大きな市場となっています。

なお、2020年上半期はコロナの影響でビザの発行と入国がストップされましたが、8月以降は徐々に緩和され、中長期在留ビザの再入国と新規入国が認められるようになっています。

• 在留資格別
  1. 永住者・特別永住者：40%
  2. 技能実習：13.9%
  3. 技術・人文知識・国際業務：10%

• 国籍別
  1. 中国：27.3%
  2. 韓国：15.1%
  3. ベトナム：14.6%

• 住んでいる地域（都道府県別）
  1. 東京都：19.7%
  2. 愛知県：9.6%
  3. 大阪府：8.8%

訪日外国人の消費額 3分の2は在日外国人

大和証券の推計によると、2018年の在日外国人消費額は約3兆円でした。これは、同年の訪日外国人の消費額 約4兆5000万円のうちの3分の2に当たります。

参考）住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント
参考）法務省：令和２年６月末現在における在留外国人数について

在日外国人インフルエンサー運用メリット

メリット①：定期的に日本現地の情報を発信

在日外国人インフルエンサーは日本に住んでいるため、最新の日本観光スポットや商品、社会状況を発信できることは言うまでもありません。

そのため、フォロワーには在日外国人だけではなく日本文化や観光に興味を持っている母国在住の人もおり、海外市場向けプロモーションの武器にもできる可能性があるのです。

日本在住の外国人の他、母国にも日本の魅力を発信できる点が在日外国人インフルエンサーの強みと言えるでしょう。

メリット②：日本文化を深く理解

在日外国人インフルエンサーは日本在住期間が長い方、または日本人の彼氏や彼女がいる方が少なくありません。そのため、長い期間日本の文化や社会に触れ、日本人の社会常識を深く理解しているので、母国の文化風習と日本社会の溝をうまく埋めることも可能でしょう。

外国人と日本人の視点を同時に持っている在日外国人インフルエンサーだからこそ、日本の商品とサービスに対して深い文化の理解を基に、質の高いコンテンツを発信できます。

メリット③：エンゲージメントが強いコミュニティー

情報交換や母国の友達作りなどの目的で、在日向けSNSグループに参加している外国人は多いです。SNSグループでは、最新の日本生活情報が入手でき、賃貸、就職、旅行など様々な情報が流れています。

グループメンバーは基本的に在日外国人だけなので、日本人や海外在住インフルエンサーが入っていくよりも、信頼度が高い在日外国人インフルエンサーの方が、コミュニティに対してのマーケティング効果を発揮することができます。

プロモーション事例

不動産

日本在住10年の台湾人Alanさん。YouTubeとFacebookで旅行、電化製品、レストラン、不動産など幅広い日本情報を発信しています。

YouTube動画の「Alan不動産」シリーズは、日本へ就職や留学を検討している人、または日本在住の人にも賃貸の常識などを伝えています。

• アカウント名：Alan Channel 
• YouTubeフォロワー数：49.2万
• YouTube平均再生数：20～30万
• Facebookフォロワー数：6.8万

小売業

在日アメリカ人のPaloさんは東京を中心に日本の楽しみ方を紹介しているYouTuberです。コンビニ製品を紹介して使用した感想をレポートしています。製品はアマゾン販売ページへもリンクされており、日本在住ではなくでも商品の購入ができます。

• アカウント名：Paolo fromTOKYO
• YouTubeフォロワー数：179万
• YouTube平均再生数：30~50万
• Instagramフォロワー数：9.8万

ホテル

中華系マレーシア人インフルエンサーのRYUさんは、日本人の妻・YUMAさんとコンビで日本での生活をYouTubeでシェアしています。
ホテル、レストラン、観光スポットなど訪日系情報が多く、面白いリアクションと動画構成が多くのファンの心を捉えています。

• アカウント名：Ryuuu TV
• YouTubeフォロワー数：176万
• YouTube平均再生数：40～60万
• Facebookフォロワー数：20万
• Instagramフォロワー数：17.2万

コスメ

京都在住の台湾インフルエンサーMaoさんは、主にコスメと観光系の動画・写真コンテンツを発信しています。自分の生活経験をシェアしながらプロモーション誘導できるのはMaoMaoTVの強みです。

こちらのコスメ製品のプロモーションは越境ECサイトで販売していますので、どこの国でも購入できます。

• アカウント名：MaoMao TV
• YouTubeフォロワー数：84万
• YouTube平均再生数：6～7万
• Facebookフォロワー数：13万
• Instagramフォロワー数：14万

まとめ

在日外国人・在住希望外国人は日本人とは異なるSNS使用方法があるため、そこに対するマーケティングや販促の再検討が必要です。その一つとして有効なPR手段が、日本で活躍して在日外国人に影響力が持っている在日外国人インフルエンサーマーケティングであるという紹介でした。

次回は、起用の際の注意点などを紹介したいと思います。

（編集：きたざわあいこ）