こんにちは! クリスク ・マレーシアのヌルルです。
筆者のいるマレーシアは少し前に日本のニュースを騒がせていた通り、一日あたりの新型コロナウイルスの新規感染者数(人口比)が世界一になってしまいました。2021年7月現在も、まだまだ新型コロナウィルスの感染者数が減らず、いまだに各地でロックダウンが発令されています。
そんなマレーシアですが、ワクチン接種は着々と進んでいます。
今日はマレーシアだけでなく、クリスク が拠点を置く東南アジアの国々のワクチン接種状況をまとめました。
※注意
この記事は、弊社の現地スタッフが2021年7月現在、ニュースや公的機関の情報を元に作成しています。情報や状況は常に変化しているため、必ず現地公的機関の情報もご確認ください。
各国のワクチン接種状況
上のグラフは、各国の人口比におけるワクチン接種状況(1回以上接種をしている人数)を示しています。シンガポールを除くと、多くの国がまだ20%以下に留まっています。
ワクチンの種類は、ファイザーやモデルナ、アストラゼネカ、シノバック、スプートニクVなど様々で、ほぼ全ての国で接種は無料で行えるようになっています。
各国のワクチン接種プログラム
各国ごとに、どのようなワクチン接種プログラムが施行されているか見てみましょう。
ベトナム
- 主となるワクチンの種類
モデルナ、ファイザー、アストラゼネカ
- 予約方法
住所を置いている自治区で予約、7月10日からはアプリを通した予約が開始
- 料金
無料ではあるが、国民も一部寄付金を提供している
- 特徴
他国よりワクチン対象者のセグメントが細かく分けられ、11のグループで段階的にワクチン接種を開始
タイ
- 主となるワクチンの種類
アストラゼネカ、シノバック。今後はモデルナも選択できるようになる予定。
- 料金
アストラゼネカとシノバックは無料。モデルナは有料。
- 特徴
6月7日に大規模ワクチン接種計画が開始され、上記のグラフでわかるように一気に接種が進んだ。
マレーシア
- 特徴
アストラゼネカは、副作用の懸念から希望者のみ。5月にアストラゼネカの予約が開始された際は、3時間で全ての枠が埋まるほど国民の関心を集めた。
シンガポール
- 予約方法
特設サイトから予約。60歳以上は予約無しで接種可能。
- 特徴
他国に先駆け、2020年12月30日にワクチン接種が開始。2021年6月からは12歳以上の学生もワクチン接種の対象に。より多くの人が1回目のワクチンを受けられるよう、2回目の接種との期間をより長く設けて対応している。
インドネシア
どこの国もワクチンの供給が遅れており、当初の計画通りではないですが、接種スケジュールは都市部を中心に徐々に早まってきています。
政府開発のアプリ:マレーシアの事例
マレーシアでは「MySejahtera」というアプリが開発され、アプリ内でコロナウィルスに関する情報がまとめて見られるようになっています。
マレーシア人は各自のID番号、外国人はパスポート番号で登録することが可能なため、マレーシア在住者全てに対応しています。
アプリで確認できる情報
1、当日の新感染者数などの統計
2、現在地から半径1km以内の感染者数の確認
3、ワクチンの予約、接種状況の確認
4、オンラインチャットで医師に相談
5、各お店の軒先でQRコードをかざすと行動履歴が残り、感染者のトラッキングが可能(チェックイン機能)
チェックイン機能に関しては、各お店に入店の際、QRコードをかざすことが義務付けられており、万が一行わなかった場合は個人、店舗側共に罰則が課せられます。
屋台でもQRコードが用意され、アプリがない人は、用意されたメモ帳に、名前・ID番号・連絡先を記入する必要があります。
今後の課題
このようにワクチンプログラムは各国で進んでおり、マレーシアにおいては2022年の2月までに80%の国民が接種を完了していることを目指しています。
インドネシア政府が先日発表したように、今後は海外に渡航する際ワクチン接種証明書の提示が必須になってくることが予測されますが、観光マーケティングをメインにしている筆者としては下記の疑問点が出てきます。
- 渡航先の国で認められていないワクチンを接種した場合は入国できるのか
- 家族旅行はできるのか
- 証明書の形態は各国で違うが政府間で確認できるのか
例えばマレーシアに住んでいる筆者は、ファイザーかシノバックの摂取になりますが、種類は選べません。シノバックを接種した場合、日本に入国することはできるのでしょうか。
また、国によっては18歳未満の接種が認められていませんが、今後の家族旅行や団体旅行で子供を連れて行く場合、問題が生じないでしょうか。
証明書は、マレーシアの場合アプリ内のプロフィール欄から見られるようになっており、下部のQRコードをかざすと接種日、接種場所、ワクチンの種類、ワクチンを担当した医師の名前を確認することができます。
しかし、こういった確認作業を各国入国審査の際に行い、記録することが可能でしょうか。また紙の証明書の場合、偽造対策はできているのでしょうか。
まとめ
副作用の問題などまだ懸念材料はたくさんありますが、また元のように経済活動や生活が送れるよう、各国でワクチン接種が進んでいます。
基準が各国で異なるため、今後政府間の合意がどのようにされるか、注目していきたいと思います。
上で述べた筆者の心配がなんでもなかったと言えるくらい、各国の行き来が自由にできる将来になっていることを願ってやみません。
※注意
全ての情報は、2021年7月8日時点のクリスク現地スタッフ独自の調査結果です。最新情報は各国コロナウィルスに関する公式サイトや在外日本大使館のホームページをご覧ください。