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[海外マーケティング基礎知識]東南アジアマーケでよく聞く「KOL」って何?

海外展開を視野にデジタルマーケティングを進めようとすると、必ず目にする「KOL」という言葉。日本ではなじみが薄いため、戸惑う担当者も多いかもしれません。実際、各国ではどれくらい認知されている言葉なのでしょうか? 東南アジアのクリスクスタッフに聞きました。

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KOL(ケーオーエル)とはKey Opinion Leader(キーオピオニオンリーダー)の頭文字をとったもので、特定の分野や業界で高い専門知識や経験を持ち、その分野での意見が広く尊重される人物です。
特にマーケティングにおいては、消費者が購買の意志決定をする際に強い影響力を持つ人物のことを指すとされています。

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特に海外マーケティングの情報や広告代理店との会話の中で、よく見聞きする「KOL」。しかし、定義や意味を確認したところで、『結局、何のこと?』『いわゆる「インフルエンサー」とはどう違うの?』と、いまいち腑に落ちないという気持ちを抱えたことはありませんか?

SNSやインターネットショッピングが一般的になった東南アジアでは、SNS上のレビューや口コミ、「KOL」「インフルエンサー」による発信が購買行動に大きな影響を与えています。ゆえに、「KOL」「インフルエンサー」は東南アジアマーケティングの重要な選択肢と言えるでしょう。

一方、日本では「KOL」という言葉になじみが薄いのも事実。
そこで、東南アジア各国担当のクリスクスタッフを集めて、それぞれの国で「KOL」という言葉はメジャーなのか、「KOL」と「インフルエンサー」の違いは何なのかなどを詳しく聞いてみました。

 

「KOL」とは?「インフルエンサー」とどちらがメジャー?どう違う?

クリスク
クリスク

まず、各国では「KOL」という言葉がどれくらい浸透しているのでしょうか。日本では「インフルエンサー」という呼称の方が一般的ですが。

ズン
ズン

ベトナムでは「KOL」も「インフルエンサー」も使いますが、「KOL」の方が一般的ですね。

クリスク
クリスク

日本とは逆ですね!

ズン
ズン

はい。ただ、本来「インフルエンサー」と「KOL」は少し立ち位置が異なりますよね。

ベトナムでは、何かの分野に特化していて、専門知識があるSNS上のオピニオンリーダーのことを「KOL」と呼んでいます。ジャーナリストや起業家、政治家やライターなど、他の職業ですでに有名だったり成功していたりする人が、各々の専門ジャンルを発信して知名度を獲得していますね。

一方、「インフルエンサー」は特定分野の知識に長けている訳ではないものの、SNS上で活躍している方を指していると認識しています。

Juergen_360
ゲン

インドネシアでは、一般的には「KOL」よりも「インフルエンサー」が使われています。

staff-wardah
ワルダ

むしろ「KOL」はあまり知られていない言葉かも知れません。

クリスク
クリスク

インドネシアは日本と似ていますね。

Juergen_360
ゲン

ただ、マーケティング会社で働いているような人は、ベトナム同様「KOL」と「インフルエンサー」を使い分けていますね。

「KOL」は特定分野に特化した発信をしている人、日本で言うと美容やファッションに特化されている井手上漠さんのような人を指す一方、「インフルエンサー」ははじめしゃちょーさんのような人、と言うとわかりやすいかも。

Ump_108
アム

タイもベトナムと同じです。「KOL」は日本で例えるときまぐれクックKimagure Cookさんのような、特定の分野に特化してSNSや動画サイトで活躍している人を指しますね。

ただ、マーケティングに詳しい相手や業界内で話すときには、言葉の使い分けを意識して「KOL」を使いますが、そうでない相手を対象に話したり発信したりするときには「インフルエンサー」とくくってしまいます。

Bai_360
バイ

マレーシアも同様です。ふつうの人は「インフルエンサー」を使いますね。

ヌルル
ヌルル

シンガポールも「インフルエンサー」の方が多いです!

クリスク
クリスク

国によってメジャーな呼称が異なるのはおもしろいですね!そして、みなさんの例えで「KOL」と「インフルエンサー」の違いもわかりやすくなりました。

それにしても、さすが日本好きが揃うクリスクスタッフ!日本のインフルエンサーにも詳しいですね(笑)。

 

クリエイティビティを尊重した「コンテンツクリエイター」も一般的

ヌルル
ヌルル

ただ、「コンテンツクリエイター(Content creator)」と呼ばれることを好む人もいます。

Bai_360
バイ

マレーシアもそうです。日本を例に出すと、専門分野に偏っていないHIKAKINさんのような人も、発信内容の企画からセルフプロデュース、発信まで、すべての工程に関わっているじゃないですか。

クリスク
クリスク

動画やコンテンツ作りのクリエイティビティを尊重した呼称が「コンテンツクリエイター」ということですね。

Juergen_360
ゲン

インドネシアでもよく「コンテンツクリエイター」という呼び方を使います!

Ump_108
アム

タイもそうですね。YouTube、Instagram、TikTokなど、どの媒体であっても動画なりコンテンツなりを作っていて、工程すべてに携わる人は「コンテンツクリエイター」と呼んでいます。

ズン
ズン

ベトナムでも同様です。Facebookを主な発信媒体として活躍している人でも、動画なりコンテンツなりを作っていますからね。

Bai_360
バイ

昔は、それこそ芸能人やモデルのような人しか公の場への発信手段を持ち得なかったじゃないですか。

今は芸能人やモデル以外の人でもSNSでしっかりした内容を発信できるので、SNS向けのプロデューサーやクリエイターも当然生まれてきますし、ことSNSや動画サイトでは、いわゆる「出役」の人がコンテンツの企画・制作も兼ねるという考え方だと思います。

クリスク
クリスク

日本では「コンテンツクリエイター」はあまり使われる言葉ではないのですが、マーケターは、特に東南アジアでのビジネスでは押さえておいた方が良さそうですね。

ちなみに、「KOL」や「インフルエンサー」とはどう呼び分けているんでしょうか。

Bai_360
バイ

自撮りやきれいな被写体の投稿が中心だと「コンテンツクリエイター」というより「インフルエンサー」ですかね……。

Ump_360
アム

SNSや動画サイトでライフスタイルをシェアしている人は「インフルエンサー」が当てはまるように感じます。僕個人の感覚かもしれませんが。

staff-wardah
ワルダ

そうですね。発信者の属性に関わらず、例えばスキンケアレビューやコスメレビュー、料理やゲーム配信などを、定期的に企画を立てて投稿している人は「コンテンツクリエイター」が当てはまると思います。

「インフルエンサー」は見目の良く、カフェやお気に入りのお店などのライフスタイルをInstagramでシェアしている人をイメージしますね。

クリスク
クリスク

なるほど。みなさんの意見をまとめるとこういったイメージでしょうか。

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国によって呼び方が変わる「インスタグラマー」

クリスク
クリスク

ちなみに、日本では主な発信媒体を強調したい時に「YouTuber(ユーチューバー)」「Instagrammer(インスタグラマー)」「TikToker(ティックトッカー)」のような呼び分けもしますが、東南アジアでもそういった呼称はあるのでしょうか。

ヌルル
ヌルル

ありますし、シンガポールでは例えばYouTubeで活躍している人は自分のことをあまり「インフルエンサー」とは言わず「YouTuber」と紹介しますね。

staff-wardah
ワルダ

インドネシアでは、いわゆる「インスタグラマー」を「Selebgram(セレブグラム)」と呼びますよ。

クリスク
クリスク

初めて聞きました!

Juergen_360
ゲン

「Celebgram」とも書きます。

インドネシアの傾向をSNSごとにまとめるとこうなります:

YouTube YouTuber
Instagram Celebgram / Selebgram (2014-2020)
Influencer (2020-Now)
TikTok TikTokers
Content Creator(コンテンツクリエイター)
X(Twitter) Selebtweet(セレブツイート)
Facebook (該当無し)
staff-wardah
ワルダ

インドネシアはTikTokの伸びが顕著なので、「コンテンツクリエイター」がたいてい「TikToker」を指しがち、といった事情はあると思います。

また、「YouTuber」は「インフルエンサー」が流行る前から定着していた言い方ですね。

Bai_360
バイ

マレーシアでは「インスタグラマー」とも言いますが「IG famous(アイジーフェイマス)」とも呼びます。Instagramの著名人、という意味ですね。

媒体ごとにまとめるとこうですね:

YouTube YouTuber
Instagram IG famous(アイジーフェイマス) / 
Instagrammer
TikTok TikTokers
X(Twitter) Tweet famous(ツイートフェイマス)
Facebook (該当無し)
ズン
ズン

ベトナムでは「インスタグラマー」は「Hot Insta(ホットインスタ)」ですね。

SNSごとにまとめるとこうなります:

YouTube YouTuber
Instagram Hot Insta(ホットインスタ)
TikTok TikToker
X(Twitter) (該当無し)
Facebook (該当無し)
Ump_108
アム

タイはYouTuberとTikTokers以外に、SNSに根ざした呼び名は特にないですね。「インスタグラマー」とも呼ばないです。

クリスク
クリスク

国ごとに呼び方が違うんですね。おもしろい!

芸能人との使い分けは「予算」プラス「ターゲットの違い」、施策面も考慮

クリスク
クリスク

商品やサービスの認知獲得にあたって有名人を起用する場合、旧来の日本では、芸能人などのマスメディアで活躍する人に頼るのが一般的でした。
今でこそ特にSNSや動画サイトでのマーケティングで「KOL」「インフルエンサー」を起用するのは当たり前になっていますが、芸能人の方が今もなお上に位置づけられているように感じます。

インフルエンサーマーケティングがさかんな東南アジアではどうですか?
マーケティング施策を提案する時に、芸能人と「KOL」「インフルエンサー」をそれぞれどのような場面で提案しますか?

田
デン

芸能人と「KOL」「インフルエンサー」の位置づけについては、世界的に似たような状況だと思いますよ。

Juergen_360
ゲン

テレビコマーシャルや番組、メガブランドの広告にはインドネシアでも芸能人を起用しています。やはり芸能人は出演料が高くつきますし。

Bai_360
バイ

広告やマーケティングの予算は無視できませんよね。予算が高ければ芸能人の起用が視野に入る一方、予算を抑えられるとマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサー以外の選択肢を採れないことももちろんあります。

staff-wardah
ワルダ

やむを得ず予算面で制約がかかることもありますが、そもそも芸能人は「KOL」「インフルエンサー」登場前からマスメディアを通じて人々に認知されていた職種なので、特定のSNSに依らず、老若男女幅広い層の知名度を得ている人が多いです。
ゆえに、とにかく広い層の認知を獲得したいプロジェクトには、芸能人が向いていますよね。

Bai_360
バイ

芸能人と「KOL」「インフルエンサー」の認知度の差はSNSのフォロワー数にも表れていて、「KOL」で100万人のフォロワーを抱えるのはすごいことですが、芸能人はフォロワー300〜500万人も現実的です。当然、広告に起用した際の消費者への浸透度も変わってきますよね。

Ump_360
アム

たしかにタイでも、例えばメガブランドのコスメのPRには芸能人を起用する一方、より身近なコスメブランドでは「KOL」「インフルエンサー」に頼るかもしれません。ターゲットとなる消費者が異なる場合、より狙ったターゲットに刺さる人を起用すべきですからね。

また、芸能人にはブランドアンバサダーを任せて認知獲得を目指しつつ、その後の商品知識の啓蒙や信頼性醸成は「KOL」に頼るのも有効でしょう。「KOL」はたいてい商品や関連領域に詳しいですから。

Bai_360
バイ

「KOL」は消費者のエンゲージメント向上に寄与してくれますよね。スキンケアブランドなどでも良い結果を出してくれますし。

クリスク
クリスク

なるほど。予算で選択肢はある程度絞られるものの、狙うターゲットや施策に期待する効果によって芸能人や「KOL」「インフルエンサー」は使い分けるべきですよね。

大変興味深かったです。ありがとうございました!

 

まとめ:マーケターは押さえたい「KOL」「インフルエンサー」の違いと活用法

日本で、SNSや動画サイトを中心に活躍している人を「インフルエンサー」でくくっているのと同様に、東南アジア各国でも一般的には「インフルエンサー」「KOL」に集約されているようです。

しかし、もともと「KOL」「インフルエンサー」はより狭い概念を指す言葉です。SNSマーケティングでは特定分野の知識に長けて影響力もある「KOL」を起用することが多いため、マーケター同士の会話で頻出する「KOL」の概念を押さえておくと、プロモーション施策の進行や実施もスムーズに進むでしょう。

今回の記事では、各国の現地スタッフに芸能人との使い分けについても解説してもらいましたが、ターゲット国や客層、施策の内容や期待する成果によって、誰を起用すべきかは変わってきます。

東南アジアのマーケティングを支援しているクリスクでは、お客様のご要望に沿い、各国の現地スタッフ目線で「KOL」「インフルエンサー」の選出やプロモーション施策をご提案しています。ぜひお気軽にご相談ください!
(編集協力:大西 桃子)

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり12年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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