みなさん、こんにちは。クリスク・マレーシアのヌルルです。
2021年も残り1ヶ月を切りました。昨年に引き続き人々の行動に制限がかけられる時期もあった2021年。従来のマーケティング手法から新たな手法に変えたという企業や事業者の皆さんも多いのではないでしょうか。
クリスクが得意としているインフルエンサーマーケティングの分野でも、今年は大きな変化がたくさんありました。今回はそんな「2021年のインフルエンサートレンド」をまとめてご紹介したいと思います。
観光プロモーションは訪日から在日へ!
今年は2月頃から一気に観光プロモーションが再開され、インフルエンサーを起用したプロモーションも数多く行われました。
とはいえ、まだまだ外国人が訪日できる状況ではないため、在日外国人インフルエンサーを起用したプロモーションがほとんどでした。
クリスクでも、在日ベトナム人、タイ人、マレーシア人、シンガポール人、インドネシア人……と、数々のインフルエンサーリストを用意、提案してきました。
そんな中、提案書を準備していて筆者が面白そうだなと感じたのが、多言語を話す日本人インフルエンサーの起用です。
インドネシア市場向けだからといって、インドネシア人インフルエンサーでないといけないということはありません!インドネシア語を話す日本人インフルエンサーを起用することで、「日本人がおすすめする日本の楽しみ方」を発信することができます。
その際には、フォロワーの国別構成がターゲットと合っているかをしっかりと確認しましょう。
こちらはインドネシア語を話す濵田大輔さんのYouTubeです。
1200以上のコメントが付いているのですが、ほとんどがインドネシア語です。しっかりとインドネシア人がコンテンツを楽しんでいるのがわかります。
このように、限られたオプションの中でも十分に魅力的なプロモーションができると筆者も学びました。
インフルエンサーの専門ジャンルが多角化
2020年以前は「旅行系インフルエンサーを提案してください」といったリクエストが多々ありました。
しかし旅行ができない今、当時「旅行系」だったインフルエンサー達の多くは、「ライフスタイル」や「グルメ」、「美容」など他ジャンルの投稿も行うようになりました。
今後はインフルエンサー達がジャンルを問わず、マルチな投稿を行うことが見込まれます。
例えば、在日ベトナム人のマイさんは、元々は日本語の勉強法をYouTubeにあげていましたが、 YouTubeチャンネル内に「Travel Japan with Mai」という再生リストを設け、昨年から旅行コンテンツを紹介するようになりました。
もしこの方を起用するならば、「旅行中に学ぶ日本語」のようなインフルエンサーの強みを活かした企画が合うでしょう。
今後はこのような、インフルエンサーの強みと自治体や企業のウリを上手くかけ合わせたユニークなプロモーションが増えるのではないでしょうか。
このように、旅行以外の別の強みを持っているインフルエンサーが旅行について発信することで、今までとは違ったターゲットへのリーチが可能になります。
そういった点では、自治体や企業側にとってもアイデア次第では大きなチャンスになりそうですね。
ライブコマースでの商品販売プロモーション
商品プロモーション・レビューと言えば、各インフルエンサーの得意なソーシャルメディアでの写真投稿というのがコロナ前のトレンドでした。
しかし、2021年によく見られたのは、ブランドがEコマース上で開催したライブコマースにインフルエンサーが登場するというものでした。
ソーシャルメディアではなく、Eコマース上での宣伝のため、視聴者は商品が気に入ったら即時に購入ボタンをタップすることができ、購買までの導線がぐんと短くなります。
来年以降も、引き続きライブコマースにインフルエンサーを起用する企業は多くなると思われるため、越境ECをお考えの方は、写真が得意なだけではなく、「話すことが上手」なインフルエンサーを見つけておくと良いでしょう。
ベトナムのライブコマース市場 事例と今後の課題とは?
音楽×ダンスで耳に残るプロモーションを
2021年、各国のインスタグラムを賑わせたのは、なんと言ってもInstagram Music、ミュージックスタンプでしょう!
東南アジアの各国が今年から(筆者の住んでいるマレーシアでは、2021年3月から)ストーリーズやリール機能に音楽をつけることが可能になりました。
それにより企業は耳に残るキャッチーな音楽を用意し、インフルエンサーに自社商品を持ちながら踊ってもらうプロモーションが流行りました。
こちらはマレーシア人インフルエンサーのJestinnaさんが、KitKatとコラボレーションをしたリール投稿です。
インフルエンサーの名前の下に書いてあるのが、投稿内で使用している曲です。気に入った人は誰でも同じ曲で動画を投稿することができます。
そのため商品だけでなく、企業が用意をした曲が次々にシェアされ、多くの人の耳に残るプロモーションになることが期待できます。
また、KitKatはダンス動画キャンペーンを行い、この動画内の曲でダンスを踊ってインスタグラムに投稿した人のうち抽選で2名に特大KitKatをプレゼントしています。今のトレンドをうまく利用したキャンペーンと言えるでしょう。
動画投稿の増加と広告嫌悪への対応
上記であげたように、インスタグラム上でリール動画機能が追加され動画を簡単に作成できるようになり、多くのインフルエンサーが動画をインスタグラムで投稿するというトレンドが生まれています。
こうしたトレンドを受け、クリスクが担当する企業・訪日観光のインフルエンサープロモーションでも、以前は「ソーシャルメディアに写真を◯回以上投稿する」という条件がほとんどでしたが、2021年は「動画投稿」をマスト条件にあげる案件の割合が多くなっています。
ただ、以前のコラムで台湾の状況をご紹介したように、各国の消費者は明らかにプロモーションのために作られた動画に抵抗感を持つようになってきています。その現状はインフルエンサーが一番よく理解をしていて、フォロワーを多く抱えるインフルエンサーほど、とても凝った、一見「宣伝」と見えない動画を投稿してフォロワーを楽しませてくれています。
「テレビよりもYouTube」が加速する台湾に学ぶ!最新プロモーション手法
最後に、筆者が最後まで見てしまった大好きな「宣伝」をご紹介します。
Somersbyというアルコール飲料メーカーとインフルエンサーのコラボレーション動画なのですが、ストーリー仕立てになっていて、最後に商品が出てくるというものです。
こちらのインフルエンサー、Jennさんはこういったコミカルな動画が得意で、フォロワーもむしろ今回はどんな商品のプロモーションだろうかと毎回彼女の投稿を楽しみにしているほどです。
まとめ
多様でクリエイティブなインフルエンサーが増えていく中、企業の色や期待をいかにインフルエンサーに伝え、彼らの特徴とうまく絡み合うマーケティングにしていくかは重要な課題です。
効果的にプロモーションを行うためには、トレンドを理解し、起用するインフルエンサーや発信するソーシャルメディアの選定、また、事前の打ち合わせがとても大切になっていきます。
2022年はどのような新しいトレンドが生まれるのでしょうか。楽しみですね!2022年も、日々、各国のインフルエンサーマーケティングに携わっているクリスク現地スタッフがみなさんのお力になれればと思います。