こんにちは! クリスク・インドネシアのジェリーです。
私たちは「インフルエンサー」という言葉を聞くと、オンライン活動で収入を得ているソーシャルメディアの人気者というイメージを持ちます。
しかし、インフルエンサーは大人やティーンのものだけではなく、いまは子供やファミリーの世界にも大きな影響を与えています。
最近の子供たちは、お気に入りのインフルエンサーがゲームをしたり、アンボクシング(開封のこと。欲しかった商品を購入して、最初に箱を開ける時の様子を撮影)したり、製品をレビューしたりする、日常活動のYouTube動画を長時間見ているのをご存知でしょうか。
そこで今回紹介したいのが「子供インフルエンサー」という存在です。
ファスト・カンパニー(テクノロジーメディア)の調査によると、現在、子供たちの将来の夢は歌手やサッカー選手になることではなく、インフルエンサーやYouTubeクリエイターだと言います。
実際に、動画を撮影しYouTubeに載せる子供たちも増えており、自分のYouTubeチャンネル、Instagramアカウント、TikTokアカウントを作成し、多くの成人インフルエンサーよりも多くの視聴者を得ている場合も多く見られます。
参考)https://www.fastcompany.com/90432765/why-do-kids-want-to-be-influencers
おもちゃのレビューやゲーム、さらにはファッションなど、子供たちはテレビを見たり好きな本を読んだりするように、現代では、YouTubeなどオンラインでエンターテイメントを提供する同年代のインフルエンサーとのつながりを築いています。
そのため、ジェネレーションα(アルファ世代:2010年以降に生まれた世代)は、ジェネレーションY(1980年〜1990年代に生まれた世代)など現在の大人世代が子供のときとは、欲しいおもちゃなどを決定するフローが異なります。
親世代が子供だった時におもちゃを買うならば、まずショッピングモールに行って、気になるおもちゃを探し、買いたいと両親を説得したでしょう。
しかし、アルファ世代の子供たちは、インターネットにアクセスし子供インフルエンサーの動画を見て欲しい物を決め、親にその動画を見せて説得します。
こういった傾向から、おもちゃや衣服、食品や衛生用品まで、子供インフルエンサーを活用したマーケティングが広がっているのです。
2019年、The Kids Digital Insights 2019 annual survey はオーストラリア、中国、香港、インドネシア、インド、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、台湾、ベトナムの4〜16歳の子供に対して調査を行いました。
調査によると、オンライン広告内で商品レビュー動画や、アンボクシングなどの動画を見た後、79%の子供が両親に購入を求めることがわかりました。
また、約30%の子供が広告に出ていた商品を自分のお金で購入するのだと言います。
世界には、大人よりも成功し、注目を集めている子供インフルエンサーがいます。
たとえば、ブランドのおもちゃや製品をレビューするアメリカの少年が登場するRyan’s Worldは、視聴者数が2600万人を超える子供向けYouTubeとして、最も多く視聴されました(2020年7月)。
子供インフルエンサーを使うと、オンラインで若い視聴者にリーチできる可能性があるため、子供向けのデジタル広告費は2018年に9億米ドルに達し、将来的にはさらに増加すると予測されています。
もちろん、アジアでもすでに人気のある子供インフルエンサーは多数います。ここでは16歳未満のアジアで人気の子供インフルエンサーを紹介してみたいと思います。
国籍:韓国
Instagramフォロワー数:約240万人
The Song Triplets(デハン、ミングク、マンセ)の父親は韓国人俳優のソングイルクックで、成長する彼らの写真を使って、Instagramを更新しています。
この3人の男の子たちは、成長して韓国のリアリティ番組「スターパパ奮闘記!スーパーマンが帰ってきた」にも出演を果たしました。ZIKIDAやMinute Maidなど韓国のブランドと連携したことがあります。
国籍:インドネシア
Instagramフォロワー数:約12.5万人
インドネシアの子供インフルエンサーとして活躍する彼女は、インドネシア人とアメリカ人の両親を持つハーフです。
多くのローカルファッションブランド・海外ブランド、BAZAARマガジンなどが彼女に商品を提供しています。
国籍:シンガポール
フォロワー数:約31.7万人
レイアとローレンは一卵性双生児。2019年には弟を迎えました。彼らは両親と一緒に東京、大阪、モルディブを含む世界中に旅行しました。
現在、Instagramのフォロワー数人は30万人以上で、YouTubeのチャネル登録数人は1,530人となっています。Ministry of education Singaporeや、Polaroid Eye Wear、Drypersなど幅広なブランドや政府機関とコラボレーションしたことがあります。
子供インフルエンサーを活用したマーケティングの魅力は、子供インフルエンサーの成長をリアルタイムでフォロワーに提供することができることです。
フォロワーとしては、子供インフルエンサーの成長する姿を見守っていきたいものですよね。子供インフルエンサーをずっと見守っていくことで、フォロワーのエンゲージメントは必然的に高まります。
特に歴史の浅いブランドなどにとっては、幼い子供インフルエンサーが自社ブランドとともに段々と成長していく姿を動画を通してアピールすることができるのは、現代マーケティングにおいてより重要性が高まっている「時間(ブランドの歴史)」、「ブランドロイヤリティ」の上でも価値があります。
保護者にとっては子供に関するトピックは最大の関心事であり、コンテンツです。
そういった観点から、子供インフルエンサーを活用して、子供だけでなくその保護者世代に対するマーケティング活動を展開できます。
大人になると興味関心・趣味趣向が固定化されやすいためブランドシフトは簡単ではありません。しかし、自分の子供が興味を持っている子供インフルエンサーを通して、保護者世代へのブランドシフトへのアプローチが可能になってくるのです。
子供インフルエンサーは、子供だけでなく、子供におもちゃやプレゼントなどを贈るために見る親や親戚、友人にも人気があります。 そのため、子供だけではなく、保護者や大人にとっても役立つ情報を提供するしているアカウントが人気な傾向があります。
幅広い世代へのリーチが可能であり、今後の市場価値拡大が見込まれている子供インフルエンサー。これは活用しない手はありませんね!自分が携わるブランドとの接点からまずは考えてみてはいかがでしょうか。
(編集:きたざわあいこ)