お世話になります!クリスク・ジャパン ディレクターの秋山です。
9月に開催された東南アジアの旅行博、MATTA Fair(マレーシア)とITE HCMC(ベトナム)に、日本人ディレクターの秋山と、クリスク・マレーシア、ベトナムそれぞれの現地スタッフが訪問しました。
今回の記事では、会場の様子や前年からの変化について、秋山と各国スタッフの目線でお届けします!
MATTA Fair(マレーシア):セール目当ての旅行愛好者が集結!
9月1日~3日にクアラルンプールで開催されたマレーシアの旅行博「MATTA Fair(Malaysian Association of Travel and Tours Fair)」には、秋山とクリスク・マレーシアのバイが視察に行きました。
MATTA Fairは毎年春と秋に開催されるマレーシア最大の旅行博で、業界関係者や旅行好きなマレーシア人に広く認知されています。マレーシア国内旅行、海外旅行どちらのブースにも、観光地、航空会社、ホテル、クルーズなど幅広い業種が揃うのが特徴です。
当日は、普段から様々なEXPOが開催される巨大な3階建ての施設が、人で埋まるほどの混み具合でした。今回の秋開催の来場者数は3日間で15万人に上ったそうです。
ディスカウントやサンプル配布のブースが一般旅行客に人気!
MATTA Fairに大挙して押し寄せているマレーシア人観光客のお目当ては、各ブースで実施されているキャンペーンやノベルティのようです。
実際に、巨大な会場の全ブースの中で、一番込み合っていたと感じたのはUNIQLOのブースでした。日本人からすると「旅行博に洋服?」と不思議に思いますよね。
実は、年間を通して気温が高いマレーシアに住む人が海外に出ると、ダウンを始めとした上着選びが欠かせません。そのため街中の旅行グッズを扱うお店でも、スーツケースの横にフリースやダウンが陳列されているのをよく見ます。
この日はブースに行くとヒートテックの無料サンプルがもらえるとのことで、ブースには常に人だかりができていました。
そして、フライトチケットのブースにも長い列が。すでに旅行の行先が決まっている人たちは、ここでお得にチケットを購入することを目的に来場しているようですね。
日本向けツアー多数!訪日旅行への高い関心
マレーシア人に最も人気の旅行先はタイやインドネシアですが、意外にもタイ、インドネシア向けの旅行商品は少なく感じました。MATTA Fairはツアーがメインの旅行博のため、近隣国は個人旅行で行く人が多いからかもしれません。
その分、海外旅行ブースで大きなスペースを占めていたのは訪日コンテンツ。JNTO・地方自治体ブースに加え、訪日旅行を看板商品に据えたマレーシア現地の旅行代理店も多数出展していました。
そして、観光地について質問をしたり、パンフレットを持ち帰る来場者も多かったです。
マレーシアの旅行代理店が売り出していたツアーには、北海道、東北、富山行きの旅行商品が特に多く見られました。日本人の感覚では「人気の観光地といえば京都・東京・大阪」と思いがちですが、マレーシア人に刺さる観光地は異なるということが見て取れます。
韓国ブースも大人気
一方、韓国のブースも日本並みに占有率が高く、韓国旅行人気が伺えます。
Kドラマなどの世界で人気を博すコンテンツを活用したPRが多く、来場者の心をわし掴みに。特に人気俳優のパネルと写真が撮れるブースでは、若い女性が順番待ちをする様子が目を引きました。
ITE HCMC(ベトナム):商談目的のバイヤー多数!
9月7日~9日にホーチミンで開催されたITE HCMC(International Travel Expo)には、秋山とクリスク・ベトナムスタッフのリエンとズンが訪問しました。
ITE HCMCは、ベトナム最大級の旅行展示会です。3日間の来場者は2.5万人、商取引が9,025件と発表されていますので、ベトナムの旅行市場にとって大きなビジネスチャンスだったのではないでしょうか。
当日はあいにくの土砂降りの雨にも関わらず、Grabタクシーや車、バイクなどがひっきりなしに会場を出入りし賑わっていました。
ホーチミン・タンソンニャット国際空港の国際線到着ロビーにはITE HCMCの大きなパネルが設置され、さらに行き方をガイドしてくれるスタッフも数名待機しており、海外からの集客に力を入れていることが分かります。
街中でも、外国人も多く訪れる1区の観光地付近に目立つパネルが設置されていました。ベトナム人だけではなく、外国人へもアピールする意図が感じられますね。
街中に設置されたパネル。観光地の背景も相まり、写真撮影に良さそう
会場では、業界関係者向けの日に訪問したからか、企業相手の取引を狙うブースで特に力が入っている様子が見受けられました。旅行代理店など、海外からの来場者とのネットワーキングへの関心が高まっているからかも知れません。
ただ、国内旅行のブースも前回より増えたように感じられました。アフターコロナの旅行需要を取り込みたい各社の意図が伝わります。
ベトナムでも人気の韓国ブース
マレーシアに続き、ベトナムでも韓国ブースは大盛況。多数の来場者がマイクパフォーマンスで呼び込まれ、にぎやかな演出とインタラクティブなコミュニケーションに惹きつけられていました。
もともと、韓国はベトナム人の旅行先の上位に位置しています。ただ、今はベトナムの街中でも韓国料理のレストランや韓国発のスイーツ、韓国の化粧品などが溢れており、ベトナムでの韓国人気の高まりがブースの人気に反映されているように感じました。
ブース数に減少が見られた日本
日本ブースはJNTOと地方自治体がブースを構え、来場者へ観光PRを行っていました。特にJNTOのブースでは文化紹介や浴衣の着付け体験も行っており、日本文化に関心の強い来場者の心をつかんでいた模様。
ただ、全体的に日本からの出展が少なく、前回のITE HCMCを訪問した現地スタッフのリエンからも、今回は日本のブースがだいぶ減っている、との意見が出ていました。
また、旅行関連のブースに混じり、異質さで目立っていたのがベトナム国内で日系スーパーも運営するAKURUHI Groupのブース。お寿司などの、日本の食品・日用品の展示に加えてお酒の試飲も行っており、レストランやホテルなどに向けての情報発信に余念がありません。
まとめ
今回はマレーシアのMATTA Fair、ベトナムのITE HCMCのレポートをお届けしました。
北海道、東北、富山などの訪日ツアー商品が人気だったMATTA Fair、業界関係者へのPRに特に力を入れていたITE HCMCと、特徴はそれぞれにあったものの、いずれもコロナ後の旅行へのモチベーションの高さを感じる内容でした。
日本はマレーシアやベトナムの旅行客にとって、近隣国と比べるとまだまだ「行きにくい国」と言われています。しかし、訪日リピーターが多いマレーシア人には地方への需要も期待できますし、もともと訪日数が多いベトナムは、コロナ後もきわめて順調に訪日数を伸ばしています。
インバウンド誘致のチャンスを逃さないためにも、観光誘致のPR活動を積極的に行っていきましょう!
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