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東南アジアの越境ECでは定番!「ライブコマース」のメリットとコツとは?

東南アジアや中華圏では、動画配信によって商品を販売する「ライブコマース」が一般的です。日本人にはなじみが薄くても、東南アジアに進出するのであれば必ず知っておきたいライブコマースのメリットや、ライブ配信のコツを現地スタッフに聞いてみました。

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東南アジアの越境ECでは定番!「ライブコマース」のメリットとコツとは?
14:07

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東南アジアでメジャーなECサイトと言えば、ShopeeやLazada。
世界のモバイルアプリのデータ分析を行っているサンフランシスコの企業Sensor Towerによれば、2022年、Shopeeのダウンロード数は2.5億回に迫り、Amazon ショッピングアプリを上回って世界1位となっています。

そのShopeeやLazada上で常時、何十もの配信が行われているのがライブコマースです。販売者がただ商品を説明するだけでなく、ユーザーが商品について質問をしたり、価格交渉ができたりするのがライブコマースのメリットで、多くの人がライブコマースを通じて商品を購入しています。

日本ではまだあまり流行していませんが、各企業が少しずつ乗り出してきている傾向にはあります。
テレビショッピングの頃から、各社のスタッフが出演する形態が一般的な日本。一方、東南アジアではKOL(インフルエンサー)がライバーとして活躍し、市場への影響力を発揮しています。

東南アジアに販路を広げたい企業にとって今、ライブコマースについての知識はマストとなっており、対策を考えていく必要がありますが、日本よりライブコマースの活用については数歩先を歩んでいるのが現状です。

今回は、そんなライブコマースについての基礎知識と活用のヒントを、東南アジア各国のスタッフがお伝えしていきます。

ライブコマースは消費者にも販売者にもメリット多数

クリスク
クリスク

日本ではライブコマースはまだあまり定着していませんが、東南アジア各国では当たり前の販売手段となっていますよね。

ライブコマースのメリットについては、過去記事でも何度か紹介してきましたが以下のような内容が挙げられると思います。
その他のメリットや、最近のトレンドもあれば教えてください。

  • 静止画よりも商品の詳細がわかりやすい
  • 視聴者からの質問にリアルタイムで答えてくれるため商品の信頼性・安心感が得られる
  • 「動画を見た人だけ送料無料になるキャンペーン」ができる
  • 興味・関心層から商品購買層に変えられる
  • 娯楽という付加価値
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アム(タイ)

やっぱり、画面越しだとしても商品を実際に見られるのは大きいと思います。

リエン
リエン(ベトナム)

商品を見てみたい時にわざわざ実店舗に足を運ぶ時間を節約できますし、対面同様に気になる点をその場で聞けるのもいいですよね。

パー
パー(タイ)

販売者側は、顧客との関係性構築・維持を織り込んでいると思います。
ライブコマースの開催で顧客との接触回数も増えますし、TikTokのアルゴリズム的に新規ユーザーに目にしてもらう機会も増やせますからね。

最近のトレンドとしては、ライブ配信にカート機能が付随するようになり、インフルエンサー(KOL)が紹介した商品が在庫切れになっても受注してしまうことを防げるようになったので、販売者にとってもライブコマースが使いやすくなったと思います。

 

配信はインフルエンサー(KOL)を起用

クリスク
クリスク

日本のテレビショッピングやライブ配信ではたいていショップスタッフが商品紹介をしていますが、東南アジアではインフルエンサー(KOL)によるライブコマースがメインなのでしょうか。

リエン
リエン(ベトナム)

一定以上の規模の企業ではインフルエンサー(KOL)を起用していますね。
ただライブコマースを配信してもらうだけでなく、イベントに登壇してもらったりとプロモーション全体で活用するのが主流です。

パー
パー(タイ)

タイも同様ですね。
直近の9/9セールで、2時間で34ミリオンバーツ(約1億5000万円)も売り上げたインフルエンサー(KOL)がニュースになっていました。

一方、ライブコマースをバズらせるショップスタッフもいます。
少し前には、TikTok Shopで古着を売っている子犬系イケメンのお店で、常連客が大金を使う様子が配信されてバズっていました。

ちなみに、インフルエンサー(KOL)を起用する予算もない、でも自前でスタッフを用意することもできないといった企業向けに、MCのアウトソーシングを受けている会社もありますよ。

クリスク
クリスク

なるほど。
ショップスタッフに英語で配信してもらうのは壁が高いように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、他のプロモーション施策と併せてインフルエンサー(KOL)を起用するのは有効そうですね。

 

ライブコマースのメインターゲット層:よく動画見る人とショッピング好き

クリスク
クリスク

みなさんは実際にどのくらい、またどんな時にライブコマースを利用しているのでしょうか。

ワルダ
ワルダ(インドネシア)

多いと月に3〜5回は使っています!Shopeeのゾロ目セールなどでは1日中ライブコマースをしていて、ちょうど昨日(※インタビューの前日)も見てました。

ゲン
ゲン(インドネシア)

うちの両親もライブコマースを使っていますよ!

僕は年4回程度でしょうか。ライブコマース限定のセールもありますし、「今なら50%off!」のような盛り上がりが楽しいんですよね。

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アム(タイ)

僕は月1回ぐらいですね。

ズン
ズン(ベトナム)

実は私は使っていません。
ライブコマースの時間帯は忙しいこともあり、だいたい普通にShopeeで買いますね……。

パー
パー(タイ)

ちなみにライブコマースやショッピング広告の表示にはどの年代相手でも19:00-22:00が最適というデータはあります。
9:00-11:00や、昼休み・通勤時間も有効だそうですよ。

リエン
リエン(ベトナム)

夜中の1:00頃に配信されているライブコマースもありますね。

ちなみに私は自分が欲しいものを必要な時に買いたい派なので、基本的にはライブコマースを使わないです。

パー
パー(タイ)

Shopeeの商品ページにライブ配信の告知が出ているのを見かけた時に、ライブ配信限定クーポンをもらうためだけに一瞬見ることはあります(笑)。

ライブコマースには2種類のユーザーがいると思っていて、そもそも買うものが決まってなくてもショッピングサイトやライブコマースを見て回るタイプの人と、たまたま買いたい商品のライブコマースが開催されている時に乗っかる人ですね。
私は後者です。

クリスク
クリスク

なるほど、欲しいものがある時だけネットショップを見るようなユーザーには難しそうですが、日頃からいい商品を探している人や、趣味がショッピングのような人には有効そうですね。

パー
パー(タイ)

ただ、TikTokの動画を次々見ている時にライブ配信が出てきたりするので、そこで目に留まることはあると思いますよ。
他には、ブランドアカウントのフォロワーには有効ですよね。

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バイ(マレーシア)

ライブコマースのユーザーとTikTok好きな層は被るんじゃないかと思っています。

TikTok好きな私の妻はライブコマースを使っていますし、そもそもマレーシア人は平均で1日3〜4時間TikTokを視聴しているので、ライブコマースの利用率が高いのではないかと。
ただ、私はTikTokをあまり見ませんし、ライブコマースも使っていないですね。

タニア
タニア(インドネシア)

わかります。
私も動画自体あまり得意ではなくて……。

クリスク
クリスク

確かに動画視聴の習慣がない人には届きませんよね(笑)。
特にお二方はお子さんもいらっしゃるから、そもそもあまりプライベートの時間が取れなさそうですしね。

まとめると、普段から動画を積極的に視聴する層や、ふだんからショッピングへの興味が強い層にはライブコマースが特に有効ということになりそうですね。

 

ライブコマースおすすめプラットフォーム:TikTok Shop

クリスク
クリスク

日本の企業が東南アジアでライブコマースに挑戦する際には、どのプラットフォームで始めるべきでしょうか。

ワルダ
ワルダ(インドネシア)

越境ECで最初にアカウントを開設するならShopeeが最優先で、次にTikTok Shopだと思います。
TikTok Shopを立ち上げた場合、そもそもTikTokアカウントの運用が必要になりますし。

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アム(タイ)

僕は今後さらに伸びていきそうなTikTok Shopをオススメしたいですね。
TikTokユーザー自体も急増していて、今はYouTubeのユーザー数を超え、Facebookに次いで2位となっています。
TikTok内で告知もライブコマースも設定できるのも良いですよね。

確かにTikTokアカウントの運用コストはかかりますが、いずれにせよプロモーション用のSNSアカウントは必要だと思いますし。

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バイ(マレーシア)

商品を海外で販売したいだけならShopeeでもいいと思いますが、SNSや広告も含めてwebマーケティングをかなりしっかり行う必要があります。
TikTok ShopであればTikTokに注力することで一定の伸びが期待できますし、将来性もあるかと。

KOLを起用できると、さらに販促効果が高まります。

パー
パー(タイ)

そもそも、Shopeeでは購入前にライブコマースを見る想定をしていないユーザーが多いと思います。
それに、販売者側もShopeeではあまりライブコマースに力を入れていないようで、ショップスタッフは寝ていてクーポンコードを表示させるだけのよくわからない配信もあると同僚から聞きました。

ゲン
ゲン(インドネシア)

中の人が寝ているライブコマース、僕も見たことあります!(笑)

パー
パー(タイ)

ですので、ライブコマースに力を入れるなら、私もTikTok Shopだと思います。

リエン
リエン(ベトナム)

TikTok Shopがライブコマースにおすすめな理由はもう1つあって、アーカイブが見られないTikTok Shopでは同時接続数が期待できるからです。
ライブ配信が終わったらクーポンがもらえないので、クーポン目当てのユーザーはがんばって時間を合わせますし。

クリスク
クリスク

なるほど。
ライブコマースに割けるリソースがあるなら、将来性も込みでTikTok Shopが良さそうですね。

Bai_360
バイ(マレーシア)

ただ、そもそもShopeeかTikTok Shopかどちらかではなく、特に固定客の少ない初期は両方やった方が良いと思います。

Shopeeとの同時配信をしている販売者もいますよ。

 

ライブコマースのコツはMCの個性を売ること、ユーザーを巻き込むこと

クリスク
クリスク

おっしゃる通りですね。
ライブコマースを実施する際のコツなども教えてください。

パー
パー(タイ)

とにかく「MCの個性を売る」ことに尽きると思います。

クリスク
クリスク

ライブコマースがさかんな東南アジアだからこそ、埋もれてしまわないための工夫は要りますよね。
MCの個性で実績を上げたライブコマースの事例はありますか?

パー
パー(タイ)

ショップスタッフが本気すぎる「踊ってみた」していたライブコマースがニュースになったことがありました。
単純におもしろいし、目を惹きますよね。

他にも、視聴者が集まらなさ過ぎてスタッフがふて寝したショップがバズったこともありました。
もちろん毎回は無理ですし、ブランドのカラーに合わないことを無理にやるべきでもありませんが。

ライブコマースはエンターテイメント要素を求められていると思うので、「おもしろいライブコマース」であることも重要ですよね。

クリスク
クリスク

確かにそうですね。他にライブコマースのコツはありますか?

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アム(タイ)

ライブコマースを見に来ている顧客とのチャットを頑張っているスタッフさんもいます。
そういった方向性もおすすめですね。

ワルダ
ワルダ(インドネシア)

もちろんライティングも工夫した方が良いですし、配信画面づくりにも工夫の余地がたくさんあると思います。
商品の価格を常に表示させておくとか、図や表を用いてわかりやすく説明するとか。

パー
パー(タイ)

ライブコマースの双方向性は大きなメリットなので、視聴者が参加できるゲームやクイズなどをやっているケースもあります。
ただ商品を説明するだけではなく、楽しめる工夫が大切だと思います。

クリスク
クリスク

他にライブコマースの注意点はありますか?

パー
パー(タイ)

配信前に告知をしっかり行うことも大切です。
日時や、クーポン配布、キャンペーンのあるなしなどの情報を発信して、視聴者を集める必要があります。

リエン
リエン(ベトナム)

特にTikTok Shopの場合はアーカイブ機能がないので、クーポン目当てに視聴したい人には、リアルタイムで見てもらう必要があります。
告知は重要ですね。

クリスク
クリスク

日本国内向けのライブコマースですら壁が高そうなのに、東南アジア相手に……?と思っていましたが、みなさんの話で具体的なイメージが見えてきました。

ありがとうございました!

 

クリスクでは、各国の現地スタッフと緊密に連携して東南アジアのマーケティングをお手伝いしています。ライブコマースについても、各国それぞれの事情を押さえてより詳細にサポートできますので、ぜひお気軽にご相談ください!
(編集協力:大西 桃子)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

東南アジアにおけるSNSを活用したマーケティングをサポートします。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり12年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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