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シンガポールのマーケティングで押さえたい国民性・タブー・KOL起用のポイントは?[海外マーケティング基礎編]

シンガポールでのwebマーケティングで成果を上げるために知っておきたい、シンガポール人の国民性やタブーとは?インフルエンサー・KOLを起用するにも、ビジネスの進め方は国によって異なります。海外マーケ基礎編では、マーケティングに必要な各国の特徴をお伝えします。

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シンガポールのマーケティングで押さえたい国民性・タブー・KOL起用のポイントは?[海外マーケティング基礎編]
14:59

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ひと言で海外マーケティングと言っても、国によって文化や生活習慣、価値観はさまざまで、どういったアプローチが受け入れられやすいかも異なります。
各国のインフルエンサー(KOL)などをビジネスパートナーとして起用する際にも、どうコミュニケーションをとればスムーズに行くか、あるいはどんな点に注意すべきか、国によってそれぞれポイントがあるということを理解しておくことが大切です。

それを踏まえて、[海外マーケ基礎編]では、東南アジアをビジネスのターゲットにする場合に理解しておきたい国ごとの特徴を、クリスクの各国スタッフからお伝えします。特に、東南アジアのwebマーケティングにおいてはインフルエンサー(KOL)とのコミュニケーションはマストになってきているため、具体的に聞いていきます。

今回は、アジアの中でも一人当たりのGDPが飛び抜けて高い、シンガポールについてお届けします。2024年、シンガポールの一人当たりのGDPは世界5位で、アメリカ(6位)を越す順位となっています。他国へのアクセスが良好な経済大国ということで、世界各国の企業が市場に注目しているシンガポールには、日本からも多くの企業が進出しています。

シンガポールの国民は、中華系のほか、マレー系、インド系など多民族で構成されており、使われる言語もさまざま。また、宗教も仏教、イスラム教、キリスト教など多様です。
そんなシンガポールでWebマーケティングをする際に、知っておきたいこと、気をつけたいことは何でしょうか。
隣国マレーシアのスタッフで、シンガポールのマーケティングにも詳しいヌルルに聞いていきましょう。

 

「東南アジアの一国」ではなく、「先進国の一国」

クリスク
クリスク

まず、シンガポール人とビジネスをするにあたって、理解しておいたほうがいい国民性について教えてください。

ヌルル
ヌルル

シンガポールの人々は、自国がアジアの中でも先進国であることに誇りを持っています。

ですから、「東南アジア」とくくられることに抵抗を持つ人も多いんです。

クリスク
クリスク

他の東南アジアの国と比べられることを嫌がるということですか?

ヌルル
ヌルル

そうですね。
欧米や日本、韓国、香港などと比べられるならよいのですが、東南アジアの国として一緒くたにされることには、不快に感じる人が多いと思います。

たとえば、「東南アジアでこれが流行っているんですよね」などと言われると、「シンガポールは違う」と思ってしまうということです。

クリスク
クリスク

では、現地の状況を知りたいときも「東南アジアではどうですか?」と聞くのではなく「シンガポールはどうですか?」と聞いたほうがいいわけですね。

ヌルル
ヌルル

そういうことです。
ちなみに、世界の先進国と並んでいるという意識が強いので、日本人には友好的ですよ。

初対面でも挨拶のときに、「日本人なので英語が苦手ですみません」みたいに話すと、「日本人なんですね!」と優しくしてもらえます。

クリスク
クリスク

シンガポールは多民族国家ですが、コミュニケーションをとる際、言語は英語を使えば大丈夫ですよね?

ヌルル
ヌルル

英語でOKです。
シンガポールの民族は中華系が7割で、マレー系が15%程度、インド系が10%程度という構成になっています。

電車に乗っていると、アナウンスは英語が最初で、次に中国語、マレー語、タミル語と、国内で使われている言語はすべて流れます。
中華系がほとんどでも、どの民族も平等ですよというアピールが強いんです。

一方、マレーシアにも中華系民族はいますが、マレーシア国内では英語とマレー語のアナウンスばかりなんです。

クリスク
クリスク

国として、特定の民族を優遇することはしない、という方針なんですね。

ヌルル
ヌルル

はい。そういうことを外向けにアピールしたいんだろうなと思います。

ヌルル
ヌルル

あとは、シンガポールが島国かつ、国内「旅行」する広さもないからか、海外旅行が当たり前ですね。

クリスク
クリスク

海外旅行はどこに行くんですか?

ヌルル
ヌルル

いろいろなところに行きますが、バリやプーケットなど近隣諸国への旅行は近すぎて海外旅行という感覚ではありません。

ちなみに、日本も立地的・経済的に「週末に気軽に遊びに行ける国」となっているので、海外旅行感がありません。

クリスク
クリスク

お金をかけて行く海外旅行というイメージだと、欧米になるということですね。

ヌルル
ヌルル

はい。訪日旅行のリピーター率が高いこともあり、東京や大阪に行ったと話しても何の自慢にもならないんです。

ただ、東北などの地方に長期間滞在して、「暮らすように旅する」ならステータスになりますね。

 

時間管理やITスキルなど、仕事は効率性を重視

クリスク
クリスク

では、ビジネス上でコミュニケーションをとる際に、気をつけたいことはありますか。

ヌルル
ヌルル

時間に対する意識ですね。

ミーティングがあれば事前に下調べをしっかりするのが当たり前ですし、アポイントをとるなら、伝えたい内容をしっかり整理して伝えるように準備していかないと、時間をとってもらえません。
日本のようにただの挨拶回りに時間を使うことはありませんね。

クリスク
クリスク

日本人の感覚としては、ビジネスを始める際に最初の顔合わせを大切にする面もありますが、それはないということですね。

ヌルル
ヌルル

シンガポールは海外の企業と仕事をすることが多く、コロナ禍前からオンラインミーティングも一般的になっていました。
もともと効率的に仕事をしてきた環境の中で、挨拶や顔合わせのために1時間どこかへ行かなくてはいけない、体を空けておかなくてはいけない、ということに意義を感じないんです。

クリスク
クリスク

ということは、初対面からいきなりビジネスの話を始めてしまっても大丈夫だということですね。

ヌルル
ヌルル

そうです。
ですが、ビジネスの相手と関係性を深めるために食事に行くことはあります。日本の飲み会のように、お酒をかわすことも喜ばれますよ。

ただ、ビジネス上でコミュニケーションをとる中で、お互いに「行きましょう」となればの話ですね。

クリスク
クリスク

なるほど。

一方、ふだんの仕事上のコミュニケーションには、どんなツールを使うのがよいのでしょうか。

ヌルル
ヌルル

WhatsAppなどSNSで連絡を取り合うのは当たり前になっています。
ですので、日本人のかしこまった長い文面のメールは苦手ですね。

クリスク
クリスク

シンガポール人と仕事をするときは、WhatsAppアカウントを持っておいた方が良さそうですか?

ヌルル
ヌルル

そうですね。
メールよりも効率よく連絡がとれると思います。

ただ、効率を重んじながらも、仕事であれば夜遅くや休日まで頑張ってくれる人も多いですよ。

クリスク
クリスク

そうなんですね。
それなら、ムリのない日程でスケジュールを組むなどの配慮をすると、良好な関係になれそうですね。

ヌルル
ヌルル

はい。
「返信は月曜まででいいですよ」と書き添える、といった配慮も喜ばれると思います。

ヌルル
ヌルル

また、シンガポール人はITスキルが高いので、オンライン通話やGoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントなどは、スムーズに使えたほうがよいと思います。

たとえばシンガポール人が作ったデザインや文面の修正をお願いしたいときに、日本企業だと画面のスクリーンショットに手書きで赤字を入れて、その画像を送ってくることがあるのですが、共有ファイルにコメントをまとめてもらったほうがお互いに作業がしやすいですよね。

クリスク
クリスク

お互い効率的に仕事を進めるためにも、ITスキルは高めておく必要があるということですね。

 

シンガポールでは成功するYouTuberは稀少!

クリスク
クリスク

次はKOLとの付き合い方について教えてください。

ヌルル
ヌルル

シンガポール人は自尊心の高い国民性ということもあり、表現を一方的に指定されると不愉快に感じるようです。
できるだけ「◯◯という文言も足してください」のようにお願いするといいですね。

また、何度も修正を頼まれるのも嫌がるので、事前に方向性や必須要件、NGワードはきちんと指示をしておくことが大切です。
「修正は◯回まで」と取り決めておくのも有効ですね。

ヌルル
ヌルル

また、意見が合わないとはっきり「違います」と返ってきますし、論破されることもよくあります。
MTGの前に、『こう言うとこう返ってくるかも……』などと準備することもありますよ。

クリスク
クリスク

お話を伺っていると、ちょっと怖く感じてしまいそうです(笑)。

ヌルル
ヌルル

とはいえ、欧米や日本などの先進国の人たちと仲良くしたい人が多いので、日本アピールは効果的だと思います。
日本企業のビジネスに関しては、とても友好的ですよ。

「私たちはチームだから!」と頑張ってくれます。

クリスク
クリスク

日本人にとってはやりやすいですね。

ヌルル
ヌルル

はい。
仕事に効率性を求めたり、時間にシビアだったりする面もありますが、信頼関係が築かれているといろいろな面で「恩返し」をしてくれる面もあって、意外と人情的なんです。

クリスク
クリスク

KOLの中でも、メインで使っているSNSによって違いがあったりしますか? たとえばインスタグラマーとYouTuberの違いなど。

ヌルル
ヌルル

YouTuberで成功している人はそれほど多くないので、InstagramやTikTokのインフルエンサーと同等に扱われるのを嫌がります。
「1投稿いくらで」のようなオファーは、シンガポールのYouTuberには避けた方がいいでしょうね。

また、FAMトリップなどでインフルエンサーを招聘する際の注意点として、YouTuberは機材が多く荷物が増える傾向があります。
航空便によってはオプションプランも併せて予約するなどの配慮が必要です。

クリスク
クリスク

YouTubeを頑張っている人が機材にお金をかけているのはわかるのですが、シンガポールでYouTuberでの成功者が少ないのはどうしてですか?

ヌルル
ヌルル

シンガポール人はあまりYouTubeチャンネルを軽々しく登録しませんし、広告のクリック数も少ないんですよね。慎重な人が多いからかもしれません。
ですから、広告収入で生活できて、チャンネル登録者数も集めているYouTuberは希少ですし、シンガポール国内での評価が高いんです。

ただ、マレーシアと異なり、若いYouTuberも活躍していますよ。

クリスク
クリスク

なるほど。
相手の労力やスキルには敬意を払いたいですよね。

 

人権侵害や動物虐待など、社会問題への意識は強め

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クリスク
クリスク

シンガポール人とコミュニケーションをとったり、マーケティングをする際にタブーとなる話はありますか。

ヌルル
ヌルル

政治的な話はあまりしないほうがいいと思います。
イスラエルとパレスチナの話なども、触れないようにしている人が多いですね。

クリスク
クリスク

それは、どちらかを強く支持している人がいるからということですか?

ヌルル
ヌルル

そうではなく、シンガポール人は世界情勢に関しては中立的な考え方の人が多く、そういった話題で対立したくないんです。
プロモーションでも、こうしたセンシティブな話題を文言に入れることは避けられがちです。

クリスク
クリスク

センシティブな話題というと、他に何がありますか?

ヌルル
ヌルル

人種など人権に関わることや、動物虐待など、さまざまなことが挙げられます。
先進国基準で考えてもらえればよいと思います。

日本では水族館でイルカを飼育してショーをすることもありますが、先進国基準では動物虐待のように受け取られますので、表現をする際にそういうシーンは使わないように気をつけたほうがいいですね。

クリスク
クリスク

先進国の中でも人権侵害や虐待などを厳しく考えている国の考え方に並んでいるということですね。

男女差別についてもシンガポールでは厳しいですか?

ヌルル
ヌルル

女性の性を売り物にするような表現は避けたほうがいいですね。
男女の性差だけでなく、LGBTQについても「それぞれ違っていい」という考え方です。

ジョークはジョークとして受け入れられますが、シンガポールは「平等で平和な国」という面をとても大切にしているんです。

クリスク
クリスク

日本はまだ少し遅れている面があるので、広告表現については現地の人にきちんと確認してもらうほうがいいですね。

ヌルル
ヌルル

はい、プルーフリーディングは必ずしてもらったほうがいいですね。KOLにも、リテラシーの高い人が多いです。

クリスク
クリスク

日本のように、芸能人や有名人がSNS上で叩かれたりすることは少ないんですか?

ヌルル
ヌルル

めったにありません。
有名なインフルエンサーが子育ての様子を発信していて、日本だったら絶対に叩かれる内容だったとしても、シンガポールでは誰も叩きません。

芸能人同士が離婚しても、個人の問題なので誰も非難しませんね。
有名人の過去を掘り返して責めるような人もいません。
ですので、起用予定のインフルエンサー(KOL)の過去の素行を調べる必要もありませんね。

シンガポールでは、そもそもSNSでの炎上自体がほとんどないんです。

クリスク
クリスク

それはうらやましいですね!

ヌルル
ヌルル

他にもっと大事なことがあると考えているからでしょうね。

クリスク
クリスク

精神的にも先進国として成熟しているイメージですね。

ありがとうございました。

 

東南アジアのマーケティングを支援しているクリスクでは、各国の現地スタッフと緊密に連携し、ターゲット国に刺さるプロモーションをご提案しています。ぜひお気軽にご相談ください!
(編集協力:大西 桃子)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

東南アジアにおけるSNSを活用したマーケティングをサポートします。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり12年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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