みなさん、こんにちは!
クリスク・マレーシアのりつです。
Covid-19による影響を受けて始まった、マレーシアのロックダウン開始(3月18日)から2ヶ月半ほどが経過しました。
5月14日には、大部分の経済活動及び社会活動が許可され、経済も徐々に回復してはいますが、いまだ各地の自治体からは不要不急の外出自粛などが呼びかけられています。
自粛期間中、マレーシアでもその他多くの国と同様に、自炊をしたりデリバリーを頼んだりする必要がでてきました。
しかし自炊のために野菜や肉を買うにも、スーパーなどに買い物に出かけ、不特定多数の人と同じ空間を行き来しなければなりません。
そうした感染リスクを懸念する人たちにより、マレーシアで人気になったフードデリバリーサービスに『Happy Fresh』があります。
Happy Fresh Groupは東南アジアで最大級のオンライン食料品会社で、本社はジャカルタにあり、現在はインドネシア、マレーシア、タイで事業を展開中です。
Happy Freshでは、ユーザーはWEBサイトで家の近くにあるスーパーマーケットを指定し、食料品をカートに入れて決済します。そうすると、専属のパーソナルショッパーが全てを手配し、自宅まで配達してくれるのです。
品物のカテゴリーは、冷凍食品、お肉、アルコール、オーガニック製品、ハラル製品、乳製品・卵、野菜、家庭用品など細かくカテゴリーが分けられています。
筆者も外出できない状態が続いたため、このサービスを使ってみました。
このように、欲しいものを選んでカートに入れて購入します。
もしショッパーが購入に行くタイミングで欲しいものが売れ切れ状態だった場合は、ショッパーから連絡が来て、代わりとなる似たような商品を探してくれます。
代わりの商品の提案に問題がなければ、その商品を購入してもらいます。ショッパーの方が事前に連絡をくれるのは、非常に優しいサービスですね。
このHappy Freshは、間違いなく便利で値段も手頃なサービスですが、気になる点もいくつかあります。
それは、マレーシアの外出自粛期間中という状況もあり、サービスが混雑しているときはWEBサイトで依頼した日から実際に購入して自宅に届くのが3日後になってしまうこと。例えば、4月15日にオーダーしても、購入・配達は4月18日になってしまうのです。
ユーザーは先払いで商品をオーダーするので、欲しい商品が売れ切れになってしまうと、どうしてもモヤモヤ感が残ります。オーダー当日の配達は難しいかもしれませんが、前もって商品を確保してくれれば、このような問題は解決しそうです。
もしくは、配達員を増やして、オーダー当日の配達ができるようになれば、さらにユーザーは増えるかもしれません。
近年、マレーシアでは個人間の取引もよく行われるようになっています。
Facebook利用率が90%のマレーシアでは、Facebookでビジネスを行う人も少なくなく、2015年からはFacebookグループで使える『販売』ボタンのリリースも開始されています。
これによりFacebookのグループ内で、フリマのような感覚で商品を参加者に売るのが簡単に行えるようになりました。
このように、農家が作った野菜がよくFacebookで売られています。こちらは指定した金額分の野菜を家までデリバリーしてくれるサービスです。
Facebookの個人間取引も筆者は実際に行ってみました。
外出自粛期間中、筆者はどうしてもディムサム(点心)が食べたくなり、Facebookの広告で見かけたディムサム(点心)セットを購入してみることにしたのです。
筆者が見かけたFacebook広告。広告内容には注文方法と配達エリアが掲載されており、非常にわかりやすい文面でした。
最初にこの広告を見た際は、支払いが個人の銀行口座へ振り込みだったこともあり、詐欺を疑っていました。しかしメッセンジャーで連絡を取ったところ、商品を丁寧に説明され、不足情報があれば補足もしてくれたため、支払いと購入フォームへの入力を実行しました。
その2日後、ディムサムセットは無事に我が家へ配達されました。
画像のようなディムサム(点心)セットが我が家に届き、美味しくいただきました。
楽天インテリジェンスのデータによると、全世界で2020年3月の中旬から食料品のeコマース利用が激増しているとのことです。世界各国で行われた外出制限によって、オンライン上のeコマースで基本的な生活必需品を購入する人々が増えたためでしょう。
これまでもeコマースサイトは順調にユーザーを増やしてきました。しかし、今回起きた新型コロナウイルスの影響により、これまで通販を利用していなかった層や、Happy Freshのような新しい形のサービスを利用した人など、eコマースユーザーは激増しました。
そして、eコマースユーザーは、自分で買い物に出かけられるようになっても、その便利さから引き続き利用する可能性は高いでしょう。
また、FacebookのようなSNSを使ったC2Cプラットフォームでの売買もマレーシア人には既に珍しいものではなくなっています。
現在発生してる個人間取引は、もちろん食料品だけではなく、車の買取り、ゲーム・DVDの中古品、古着の販売も行われており、今後も取引される量や金額は増えていくと考えられます。
当然、利用者が増えればそれでけトラブルの発生件数も増えることが考えられるため、今後はその課題解決にも需要が出てくるかもしれません。
いづれにせよ、新型コロナウイルスの影響によって加速したマレーシアのeコマース市場は、今度も拡大していくと予想されます。
(編集:きたざわあいこ)