みなさん、こんにちは!
クリスク・マレーシアのりつです。
マレーシア政府は、現地時間 3月16日午後10時に新型コロナウイルス(Covid-19)の感染拡大懸念により、2020年3月18日から3月31日(2020年4月1日時点でも継続中)までロックダウンすることを発表いたしました。そのため、マレーシアの人々は外出することが難しくなり、活動が制限されています。
そして、人々が家にいる時間が増えたことで、動画配信サービスでの映画やドラマ鑑賞、ネットサーフィン、Youtubeで動画を観るといったオンライン活動が増えています。
そのようなオンライン活動の中でも注目を集めているジャンルに動画投稿サイトでのゲーム実況があります。
2018年にも「eスポーツ」について紹介する記事を書きましたが、今回は「eスポーツ」とも関係性が高い「ゲーム実況」について紹介したいと思います。
スポンサーもアリ! トーナメントが開催されるほど人気なマレーシアeスポーツ事情ゲーム実況とは、ゲームをプレイしている動画に対して実況コメント等をすること、又はプレイヤー等が喋りながらゲームをプレイすることです。
ゲーム実況のやり方としては、大きく2つのタイプがあります。
自身のプレイ画面を録画し、そこにBGMやコメントなどのリアクション追加し、動画サイトに投稿するオフライン型。
リアルタイムでゲームを生配信して、視聴者とコミュニュケーションを取りながらゲームを実況するオンライン型。
ゲーム実況をするためのサービスは数多く存在しますが、中でも近年人気のゲーム配信媒体は以下のようなサービスです。
YouTubeとTwitchは、ゲーム実況をするユーザーには特に人気があります。理由は、この2つにはPS4から直接に配信を開始できるという特徴があるためです。
また、配信に使う機材はパソコンからPS4、Xbox、Nintendo Switch、スマホに至るまで、いろんな機種で実況することが可能です。
ゲームは自分でやるから面白いのに、なぜ人のゲーム実況を見ることが人気なのか? と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、ゲーム実況にはたくさんの魅力があるのです。
「レベルがなかなか上がらない…」「あそこの攻略法がわからない」といった人は、ゲームの上手い人の実況を見て操作方法などを学ぶことができます。
ゲーム実況をする人は大体がゲームプレイが上手いので、勉強のために見たい視聴者を獲得できます。
みなさんは、どのゲームソフトを買おうか悩んだことはありませんか?
ゲームの商品予告動画を観てもそのゲームの魅力がわからない時、実況者がゲームの魅力を紹介してくれる実況動画をYouTubeなどで見て、購入するかどうかを決める人もいます。
実況者がゲーム内の参加型イベントでプレイヤーを募集することがあります。これに参加すれば、視聴者は好きな実況者と一緒にゲームをできる可能性があります。なお、実況者は親近感を感じでもらえるため、視聴者維持率をあげることができます。
では、世界や東南アジアにおいて、ゲーム実況はどれくらい普及しているのでしょうか?
まず、ゲーム実況の前にゲーム産業そのものについて見てみましょう。
近年のeスポーツの盛り上がりとともにゲーム産業は世界的に急成長しています。調査会社・Newzooが調査したところ、ゲーム産業の2019年の世界売上は約1,521億USドル、東南アジアでは43億USドルと分かりました。
さらに2022年には全世界で約1960億USドルにまで成長すると予測しています。
世界・東南アジアのゲーム市場の成長には、下記のような背景があります。
■中国を筆頭とした新興国でのゲーム市場の成長
2019年のゲーム世界市場の売上における中国の割合は約24%、アジア全体では47%を占めています。世界全体のゲーム市場の成長を中国などの新興国市場が押し上げています。
■インターネットなど通信環境の整備
近年のゲーム市場ではモバイルゲームのシェアが高まっています。5G回線など世界各国の通信環境の整備によるゲーム環境の充実も成長の要因です。
■各国の経済成長と若年人口の多さ
東南アジア各国は一般的に出生率が高く、若年人口比率が高くなっています。経済成長に伴い豊かになった若者たちがゲームユーザーとなり、ゲーム市場の成長を支えています。
■ゲームカルチャーの普及
日本や中国、韓国のゲーム関連企業は、距離的に近い東南アジアに向けてゲームコンテンツ・カルチャーの輸出を積極的に行っており、ゲーム市場の拡大を図っています。
さらにeスポーツの普及も進んでおり、2018AsianGameではデモンストレーション競技として実施、2022年AsianGameには正式種目となることが決定しています。
eスポーツなどの盛り上がりとともに、全世界的にゲーム実況も盛り上がりを見せており、世界的ゲーム系Youtuber・PewDiePieは、チャンネル登録者数がなんと1億人に上るほどの大人気です。
では、このようなゲーム実況者たちはどうやって収入を得ているのでしょうか?
YouTubeで動画を見ようとすると流れてくるインストリーム広告や、画面の右上部分のサイドバーに表示される広告、動画の下部に出てくる広告を見たことがあるでしょう。
企業が実況者にお金を支払い製品の宣伝を依頼すると、実況者は動画を投稿し、広告枠に指定された広告を設定することで広告収入を得られます。SNSの普及により、YouTubeでの宣伝活動を行う企業が多数あるので、ゲーム実況者には多くの収入を得るチャンスがあるのです。
「スーパーチャット」は、視聴者がライブ配信中に利用できる、投げ銭機能です。
ゲーム実況のライブ配信をする人は動画の広告収入だけでやっていけない人も多いため、広告収入の次にスーパーチャットが重要な収入源となっています。
ライブ配信によるスーパーチャットによる収入には、動画の再生回数などは影響されません。スーパーチャットの売り上げは、YouTubeが手数料である数十%を天引きした後に振り込まれます。ただし、マレーシアのYouTubeではまだこの機能が使えません。
ゲーム実況の解説は、いかがでしたでしょうか?
近年、ゲームソフトやアプリなどを発表するメーカー側も、マーケティングのためにゲーム実況に注目しています。ゲーム実況者に依頼して動画を作成・投稿してもらうことで、作品の認知向上に繋げられるでしょう。
次回は、世界やマレーシアで人気のゲーム実況者や、その人気の秘密を紹介していきたいと思います。
(編集:きたざわあいこ)