皆さんこんにちは!
クリスク・マレーシアのりつです。
2018年に、私はこんな記事を書きました。
マレーシア発の決済アプリ Grab Pay、Boost、Razer Payを使ってみた!
そこから1年以上経過し、キャッシュレス決済はマレーシアでどんどん普及してきています。受け入れられたきっかけは、機種を問わず誰でも利用できる便利さです。また、最近では「QRコード決済」機能を搭載したアプリも出現し、注目を集めています。
日本では楽天ペイ、PayPay、LINE Payなどが有名だと思いますが、マレーシアではどんなサービスが普及してきているのでしょう?
マレーシア政府は、キャッシュレスアプリ利用者を増やすために、18歳以上の年収100,000MYR未満の国民に対しe-Moneyで30MYRと交換できるチケットを配布しました。
e-Tunai Rakyatプログラムというこのプログラムでは、マレーシア国内で人気のある3つのeWalletプラットフォーム(Grab, Boost, Touch ‘n Go eWallet)を介して配信され、2020年1月15日から3月14日まで引き換えることができます。
財務大臣によると、現在までに既に600万人のマレーシア人が30MYRを受け取ったと言われています。
分析プラットフォームであるApp Annie IntelligenceとiPrice Groupが実施した調査によると、Grab、Touch n ’Go eWallet、Boost、Fave、BigPayは、過去2年間で最も利用されている決済アプリだとのことです。
GrabPayは2018年にサービスを開始し、それからずっとトップの座に君臨しています。ただし、このGrabは他のアプリとは異なり、配車、食事のデリバリー、配達、商店、その他の機能をすべて1つのアプリケーションに統合したスーパーアプリとなっています。
人気のアプリの特徴や、便利な点などがわかりやすいように表にまとめました。
QRコード決済を使える店舗は多く、還元キャンペーンも人気です。
Touch ‘n Go eWalletは、全国の110,000の加盟店で使用できる便利なキャッシュレスアプリです。このアプリはTouch’nGoから派生して、現在の利用者数は650万人を超えています。
Touch’nGo(略してTnGカード)とは、マレーシアの高速道路で使用できる交通系ICカードのことです。日本で言えばSuicaやPASMOのようなカードで、近年では、TnGカードは電車やバスの運賃の支払い、高速道路や駐車場の料金の支払いなど、マレーシアで広く利用されています。
Touch ‘n Go eWalletでは、食事や飲み物の購入、ガソリン、映画、フライト、商店での買い物などが全て決済できます。利用者は速く、簡単でセキュリティーが安全な取引が可能なほか、季節ごとに特別なプロモーションを活用することも可能です。
また、TnGカードをアプリ内のPayDirect機能とリンクすれば 、高速道路の通行料をアプリ内から差し引く事ができます。これによりTnGカードの残高を心配せず高速道路を安心して利用できます。
Maybankはマレーシアのクアラルンプールに本社を置くマレーシア最大の銀行です。銀行デビットカードやクレジットカードを管理できるキャッシュレスアプリはMaybankPayがマレーシア初です。
また、銀行や郵便局で行列に並ぶことなく、各種支払いも可能となっています。
2018年にマレーシア初のQR PayをリリースしたMaybankPayですが、ここ数年は人気ランキングに入っていません。しかし、デビットカードやクレジットカードをアプリ内に登録し、非接触決済(Visa payWave)ができ、普段のお買い物がよりスピーディーになるという特徴が伝わっていない可能性があります。
2020年1月15日~2月15日まで、旧正月に向けて対象店舗で一定金額を消費したらキャッシュバックがもらえるといったプロモーションも行っており、今後人気が高まると予想されています。
BigPayはLCC「エアアジア」とタイアップした、フライトの支払い手数料が無料になるプリペイドカードです。世界中のマスターカード加盟店でも利用できる他、ATMでの現地通貨引出しも可能です。
格安運賃のエアアジアですが、チケットを予約する際、運賃以外に支払手数料が片道で800円、往復なら1600円必要になります。しかしBigPayで支払うと、この手数料がいつでも何回でも無料となります。これがBigPayの強力なセールスポイントです。
また、BigPayはお小遣い帳のように、利用者が何にいくら支払ったかを示し、カテゴリーとグラフで分析してくれるという面白い機能も搭載されています。
今回は、マレーシアにおける2020年現在のキャッシュレスアプリの現状を紹介しました。
マレーシア政府は、2020年はマレーシアをキャッシュレス国家になるという国のビジョンを示しており、具体的には現在やりとりされている小切手の数を年間2億700万枚から、キャッシュレス決済の普及によって1億枚に半減することを目標としているそうです。
このように、国を上げてキャッシュレス化に取り組んでいるため、キャンペーンや還元イベントはますます増えていくでしょう。なお、タイアップキャンペーンでは、特に飲食関係がキャッシュバックが多く人気も高いため、こういったものから始めると認知度の向上に つながりそうです。
このタイミングとチャンスを見逃す手はありません!
(編集:きたざわあいこ)