みなさん、こんにちは!クリスク・マレーシアのヌルルです。
2022年はたくさんのデジタルマーケティングのご依頼をいただき、ありがとうございました。
現代のビジネスでは、SNSや動画配信などを活用したデジタルマーケティングが欠かせないものになっています。
そこで今回は、2022年のマレーシア市場でのデジタルマーケティングについて、感じたことをいくつかご紹介していきたいと思います。
2022年はなんといってもSNS上の動画がかなり増えた印象があります。
Instagramのリール(Reels)は、マレーシアでも2021年にサービスが開始されましたが、はじめはインフルエンサーや一般利用者が自分が撮影したものを投稿する程度でした。しかし2022年には、メディアのアカウントもInstagramで動画を流すようになりました。
日本でもYahoo!ニュースなどのニュースサイトでは、動画の下に記事が書かれている形がよく見られます。また、メディアアカウントの動画がSNSに流れてくることも増えていきました。
同じように、マレーシアでもメディアアカウントが配信する動画がSNS上でよく見られるようになりました。
2022年11月には、選挙権が21歳から18歳に引き下げられて初の総選挙が行われましたが、投票が初めての人でもわかりやすいように、動画で投票の手順が紹介されていました。
文字や写真だけではわかりにくいニュースも、SNSで動画を流すことにより、さらに若年層に届くようになったようです。
FacebookでもInstagramでも、広告は動画が当たり前になりました。
例えばアパレルブランドは生地の良さを動画でアピールしたり、ヒジャブブランドは人気インフルエンサーが出演して被り方を紹介したりしています。
こうした動画は、写真以上に「真似をしたい」と購買力を駆り立てています。
また、動画広告には流行りの音楽をBGMに使うことでスクロールスルーされにくくするなど、各ブランドがさまざまな戦略を立てているのも見受けられました。
モバイル通信会社のCelcom Axiataは、家族の絆が1年で最も深まるラマダン(断食月)の時期に感動的な動画広告をソーシャルメディアで流し、契約数の337%増に成功しています。
知名度を上げるだけでなく、ブランドイメージを大きく左右する動画広告。ターゲットや時期に合わせて戦略的に打つことで、効果は倍増します。
▼既に活発に利用されているInstagramストーリーズ広告の事例は、こちらの記事をご覧ください!
▼マレーシアの広告媒体と効果的な使い分け方やターゲット設定は、こちらの記事をご覧ください!
ショート動画のプラットフォームであるTikTok。2022年には、そのプラットフォーム上でeコマースを楽しめる「TikTok Shop」がマレーシアに上陸しました。他のeコマースとの違いは、ライブ配信の効果が高いという点です。
なぜなら、ブランドや商品のファンがフォローしているTikTok上だからこそ、ライブ配信では商品の押し売りでなく、ファンとおしゃべりする感覚で商品紹介が可能だからです。
実際、このTikTok Shopでは、11月11日のセール日にライブ配信を活用して取引総額が502.37%増加したアパレルブランドもありました。
同ブランドでは、セール当日に使えるクーポンを110,000リンギ(約330万円)分用意したところ、半数以上がクーポンを利用して買い物をしたほど、エンゲージメントが高いライブコマースイベントになりました。
TikTok同様、eコマース最大手のShopee上でもライブ配信はよく行われています。前年までは商品紹介が多かったライブ配信ですが、2022年は顧客との繋がりを深めるような内容の配信が多く見られました。
Shopeeの調べでは、27%のShopee利用者がライブ配信をショッピング目的ではなく、エンターテイメントや教育コンテンツを求めて視聴していると回答しています。
「Mum’s Club」というベビー用品やマタニティ用品を扱うショップでは、ライブ配信を活用して顧客の子育て相談に乗ったり、ママタレントやママインフルエンサーが登場して自身の経験をシェアしたりしています。中には商品名が一切出てこない配信もあります。
それでも97,000人以上のフォロワーを抱えているため、ライブを見た「ついでに」同ショップで買い物をするなど、配信を切り口にして販売を増やす方法もあります。
買い物をしてもらうきっかけに、ライブ配信を活用するとよさそうですね。
Facebook、YouTube、Instagram、TikTok、Shopeeなどの動画広告やライブ配信では、いかにも商品広告!といったものが徐々に減り、最後まで見てやっとブランド名が出てくるような内容が主流になってきたマレーシア。
インフルエンサーにヒアリングをしても、静止画ではフォロワーが「ああ、広告か」と感じてしまい、なかなかエンゲージメントが上がらなかったブランドとのコラボレーション投稿でも、動画にするとオーガニックの投稿と差がないくらいエンゲージメントを獲得できる場合も多くあると言います。
どのプラットフォームでも、商品を全面に出すのではなく、あくまでフォロワーや顧客のニーズに沿った動画やライブ配信でブランドのイメージを上げ、そこから商品を紹介するといったマーケティングがマレーシアには根付いてきています。
▼東南アジア各国のライブコマース事例は、こちらの記事をご覧ください!
SNSだけではなくeコマースのプラットフォーム上でも動画配信が主流になったマレーシア。今までは広告を見て「いいな」と思ったものを購入していたマレーシア人ですが、近年はしっかりと商品やブランドを知ってから購入したいと考える消費者も増えてきています。
消費者の心を掴むには時間をかけ、ブランドを信用してもらう必要がありますが、ターゲットや広告を出す時期によっても、成果は大きく左右されます。
クリスクでは現地スタッフが常に最新のローカルトレンドを調査しています。動画広告は静止画に比べハードルが高いとお考えの方も、一度私たちにご相談ください。
一緒に最適なマーケティングプランを考えていきましょう!
<参考サイト>
Malaysia Digital Marketing 2022 | Insight | AsiaPac - Digital Marketing Agency Asia
TikTok supports local SMEs with introduction of TikTok Shop in Malaysia
The Future of E-Commerce with Malaysian Influencers - MARKETING Magazine Asia
TikTok takes online shopping interactivity to new heights for M'sian merchants this 11.11
▼2022年の東南アジア各国のトレンドは、こちらの記事をご覧ください!
【ベトナム版】2022年のデジタルマーケティングトレンド
【インドネシア版】2022年のデジタルマーケティングトレンド
【2022年】日本は「戦」、東南アジアの「今年の1語」は?【タイ・ベトナム・マレーシア・インドネシア】
(執筆:Nurul Asyikin 編集:クリスク海外事業部)