こんにちは!クリスク・インドネシアのタニアです。
インドネシアのeコマース市場は急成長しています。
Google、Temasek、Bain&Companyが行った「e-ConomySEAレポート2020」によると、インドネシアのインターネット経済は、2020年に440億米ドル(約4.7兆円)に達し、2025年には、1240億米ドル(約13.4兆円)に達すると予想されています。
なお、この数値は主にeコマースによるものです。
参考)e-Conomy SEA 2020 report – Google
パンデミックの間でも、インドネシアeコマースは大きな発展を見せています。
2019年の第2四半期から2020年4月にかけて、売上高は24億米ドルに達しました(約26%増加)。
▼このeコマースの需求拡大についての詳しい説明は、以前の記事をご覧ください。
インドネシア経済はコロナショックでどう変わった?eコマース・決済方法は
インドネシアでは「Tokopedia」と「Shopee」がECサイトの人気2TOPです。
Shopee(ショッピー)はシンガポールでサービスを開始し、現在はインドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、台湾、フィリピンで事業を展開。
一方、Tokopedia(トコペディア)はインドネシアにターゲットを絞っています。今回はこの「Tokopedia」についてご紹介します。
Tokopediaは、eコマースを専門とするインドネシアのテクノロジー企業です。
William Tanuwijaya(ウィリアム・タヌウィジャヤ)とLeontinus Alpha Edison(レオンティヌス アルファ エジソン)によって2009年に設立されました。
ライドヘイリング会社のGojek、旅行サービス会社のTraveloka、eコマース会社のBukalapak、フィンテック会社のOVOとともにインドネシアのユニコーン企業です。
eコマースデータに関するStatistaのレポートによると、Tokopediaは、2020年の第1四半期のShopee(月間7,153万クリック)に次ぐ2位(月間6,980万クリック)でした。
Tokopediaの2021年第1四半期・月間訪問数は1億2,640万。月間ユニークビジター数は3,893万でした。2020年の同四半期、月間訪問回数は6,980万回。
つまり、Tokopediaは前年比で急激にユーザーが増加していることが分かります
しかし、Tokopediaは、2021年1月にインドネシアのマーケットプレイストラフィックの32.04%を制御する市場になりました。その後、2021年3月に、その割合は33.07%に増加しました。
参考)Geser Shopee, Tokopedia Jadi Marketplace dengan Kunjungan Tertinggi Pada Q1 2021
Tokopediaには、次のようないくつかの特徴があります。
Tokopediaのアプリには、OfficialStoreというページがあります。 2019年にオープンし、国内外の約2000の厳選された公式ストアが含まれています。選ばれた店舗のほとんどは、製品やブランドの作成に成功したMSME(中小企業)です。
ただし、Official Storeへの申請には、営業許可や納税者番号(NPWP)などの要件があります。Official Storeの存在は顧客の安全性を高め、買い物の際の商品の信頼性を保証します。
日本を含め、TokopediaにOfficial Storeを持っている国際企業はたくさんあります。
日本ブランドで参加しているのは次のようなブランドです。
Tokopediaの顧客にとって便利な機能の1つは、ファイナンス機能です。
この機能には、Tokopediaでの支払いに使用できる分割払いプログラム(Paylater、Kredivo、Home Creditなど)の登録が含まれます。次に、金投資、投資信託、保険(一般保険、旅行保険、製品保護)、一般ローンや店舗資本、ギフトカードなどの登録もできます。
さらに、Tokopediaアプリでは以下のようなものも直接予約・購入できる機能があります。
ラマダンは、イスラム教徒が1か月間断食する時期で、その後イード・アルフィトルまたはレバラン(お祝い)で終わります。
インドネシアでは、ラマダンは「実家に帰る」と「新しい服を買う」の時期でもあります。ただ、衣料品だけでなく、食品、電子機器、美容、家庭用品など、他のカテゴリーの商品にもセールが適用されます。
なお、最大90%の割引セールなどの他にも、「◯◯ルピア以上購入で送料無料」などの条件付き送料割引キャンペーンも行いました。
今年はパンデミックによりインドネシア人は実家・故郷への帰りが禁止されていることから、Tokopediaは、「意味のある配達で距離を近づける」をテーマにしたキャンペーンを実施しました。
ユーザーに小包(パルセル:ギフトセットのようなもの)やギフトを家族や友人に送るよう呼びかけています。小包には、クッキーやケーキ、美容品、ヒジャーブ、宗教用品などが含まれています。
Tokopediaは、Gosend(Gojekの配達サービス)と協力して、最大15,000ルピアのラマダン小包を送るための特別割引を用意しました。このプロモーションを、ユーザーは期間中最大10回まで使用することができます。
Tokopediaの最新レポート(2021年5月)では、ラマダン期間中に食品小包の取引が5倍に増加したと報告されています。この急増は、実家・故郷への帰郷禁止のため、贈り物を送る人が増えたため引き起こされました。
Tokopediaがインドネシアで最も人気のあるeコマースである理由は何でしょうか?
理由の1つは、アプリ内の役に立つ多様な機能でしょう。買い物だけでなく、飛行機のチケットやホテルを同じアプリで予約することができます。
また、Official Store機能も理由の1つでしょう。保証付きで安心してお買い物ができるほか、海外ブランドもあるため、ショッピングの選択肢が広がります。
そんな、海外企業が自国以外で製品を販売する体制が整っているTokopediaで、インドネシアへの市場拡大に挑戦してみませんか?
(執筆:Tania Paramita/編集:きたざわあいこ)