こんにちは!クリスク・インドネシアのジェリーです。
2021年になりましたが、皆さんはお元気にしていますか?
2020年、インドネシアでは新型コロナだけではなく、多くの流行が生まれました。今回はGoogleトレンドを使って、インドネシアでの2020年度のトレンドを振り返っていきましょう!
UMKMとは、インドネシア語の「USAHA MIKRO KECIL MENENGAH」の略で、中小零細事業者、中小企業という意味です。
UMKMの数は年々増えており、2018年時点で約6,420万事業所。これは全企業数の99.9%、雇用の約97%を占めており、インドネシア経済において大変重要な役割を担っています。
新型コロナウイルスのパンデミックの影響もあり、インドネシア政府は中小零細事業者に対してeコマースへの取り組みを推進しました。
▼参考記事
官民一体で進めるインドネシアeコマースの普及 課題とその可能性
インドネシア経済はコロナショックでどう変わった?eコマース・決済方法は
政府は、小さなインドネシア起業家を支援するため、オンラインで登録した事業者のうち1,200万事業者に対し、日本円にして1事業所あたり約17,520円相当の給付を行うとしました。
半数以上のUMKMは支援を受けられないため、個人・中小事業主はこのサポートを得るための競争が行われました。その結果、2020年のインドネシアニュースの1つになりました。
なおこのサポートは、2020年12月までにBRI銀行、およびBNI銀行を通じて個人・中小事業主に配布されたとのことです。
2020年、インドネシア政府とグローバル・テック・カンパニー・パートナー(Google、Tokopedia、Gojekなど)および地元の新興企業が、デジタルでの個人・中小事業主トレーニングプログラムを開始しました。
このプログラムは、2.5か月間、60のトレーニングプログラムを2,500の個人・中小事業主に提供するというものです。
トレーニングプログラムでは、個人・中小事業主の作り方や、ビジネスシーンでのソーシャルメディア活用方法、デジタルツールの使い方(ブランディングや、マーケティングなど)、オンラインペイメントの使い方などがありました。
Tilik(ティリック)は、観光地としても有名なジョグジャカルタの制作会社「Ravacana Films」とジョグジャカルタ文化庁と共同制作した30分の短編映画です。
Tilik(ティリック)はジャワ語で「お見舞い」を意味する言葉です。
村の主婦達がBu Lurah(地区長)のお見舞いのためトラックの荷台に乗り病院に向かう道中、恋愛話やBu Lurahの息子に関する悪い噂話などを通して、現在のインドネシア社会を伝えています。
YouTubeで公開されたこの短編映画は、公開後7日間で約1,000万人以上に視聴されました。Twitterなどのソーシャルメディアでは、一般の方だけでなく、インドネシアで著名な映画監督であるジョコ・アンワルなど関係者たちからも続々と共感・称賛のコメントが寄せられました。そして、監督であるワヒュ・アグン・プラセティョは、数々の賞を受賞しました。
「私が覚えている限り、インドネシアで非常に活発で興味深い短編映画がこれほど多くの注目、議論、議論を招いたのはこれが初めてです。これだけでもTilik(ティリック)は映画にとって大きな成果を与えたと言えるでしょう。映画クルー・キャストは本当に素晴らしいです。敬意とおめでとうございますを!」
「みんな、この映画を見ましたか?ジョグジャカルタからの短編映画で、とてもかっこいいですよ。私が気づいたことは新鮮なコメディ、優れたイメージと演技は別として、独立した映画の場合、サウンドミキシングが本当に良かった。 敬礼!」
ソーシャルメディアなどのデジタルテクノロジーが遠隔地の村にまで浸透しているということを、Tilik(ティリック)を通じて、あらためて認識させられました。
それにより、昨今問題となっているソーシャルメディアを通じた「でっち上げ」や「いじめ」というものが、都市部だけでなく、インドネシア全体の問題となっていることが明らかになり、インドネシア社会が抱える様々な問題点を取り上げた本作品は、話題となり口コミにも繋がったと思われます。
Tilik(ティリック)では、インドネシア社会での実生活がありのまま表現されています。特にジャワ島の子供を持つ女性の結婚に対する考え方は、インドネシアの問題を端的に示していて、特に下流から中流階級の女性から共感を呼びました。
Tilik(ティリック)は、シンプルなストーリーを前提としていますが、深い意味を持っています。そして、ストーリーだけでなく、使用する言語や、タレントの才能と演技、ストーリーセット、シンプルな撮影方法の選択により、結果は並外れたものになりました。
Covid-19の大流行により、人々は家にいることを余儀なくされています。
家ですることの一つが、ストリーミングサービスであるNetflixを使用することでした。そのため、インドネシアでもNetflixの有料契約者の数が、最も大きくなりました。
2020年、インドネシアのNetflixでは韓国のテレビドラマ「サイコだけど大丈夫 (It’s Okay to Not Be Okay)」が話題となり、主人公のキム・スヒョンも話題となりました。彼は若者だけでなく、母親の間でも人気となり、キム・スヒョンが出演したテレビドラマがよく検索されているようです。
なお、インドネシアは現在K-POPブームの真っ最中のため、ボーイズグループや、ガールズグループ、ファッション、テレビドラマ、Eコーマスのマーケティングにまでも韓国スターが使用されています。
インドネシアでの2020年度トレンドはどうでしたか?
もっと詳しいインドネシアの流行を知りたければ、インドネシアではコンテンツクリエイターたちが2020年の1年間に何が流行ったのか、何が話題になったのかをまとめた動画をYouTubeなどに「2020年 インドネシアリワインド」としてアップしていますので、ぜひ見てみてはいかがでしょうか。
料理、ゲーム、音楽、美容、アニメーション、そしてインドネシアでのコロナパンデミックの状況や政治的な議論も含まれています。
2020年は新型コロナウイルスのニュースばかりを見て、疲れたかもしれません。それに加えて、みなさんの生活も変わったと思います。
2021年はどんな年になるかまだ分かりませんが、デジタルで多くの新しいイノベーションが生まれると期待しています!
(執筆:Jeillyta Chandra、編集:ヤマシタノリヒサ)