こんにちは!
クリスク・インドネシアのタニアです。
インドネシアでのオンラインショッピング市場は、世界各国と同様に急速に成長を続けています。
SEA e-Conomyのレポートによると、インドネシアのインターネット市場は2015年から2019年にかけて4倍になりました。
中でもeコマースの影響は大きく、売上高が2019年時点の210億ドルから、2025年には820億ドルに達すると予測されています。
しかし、この予想は今回の新型コロナウイルスの影響により、変化していく可能性が高いと考えてられています。
今回は、コロナショックによるインドネシアでのeコマースについて、紹介致します。
経営コンサルティング会社・Redseerによる調査によると、インドネシアの新型コロナウィルス対策のための大規模な社会的制限(PSBB)時期に、初めてショッピングアプリを使用したと回答した人が51%にのぼることが分かりました。
2019年第2四半期には1日あたり310万件だった取引件数が、2020年4月には480万件に増加し、売上も24億米ドル(26%)増加しました。大規模な社会的制限(PSBB)によって、外出が難しくなった人々がショッピングアプリでの買い物を行ったためです。
引用元:https://katadata.co.id/infografik/2020/05/20/e-commerce-tumbuh-di-tengah-pandemi-covid-19
インドネシアでは、パンデミック前、社会的制限下、ニューノーマルとeコマースサイトの訪問者の増加は以下のように変化しました。
ご覧のとおり、3月から5月の間にeコマースサイトの訪問者が増加しています。6月には、パンデミックがある程度収束し、オフラインのショッピングも再開されました。
しかし、パンデミック前よりも訪問者数が伸びているプラットフォームもあり、継続してオンラインショッピングを利用するユーザーが増加していることが分かります。
マーケティグ企業・スナップカートの2020年4月調査によると、社会的制限下(PSBB)において消費者がオンラインで多く購入したものは、食料供給(76%)、医薬品(61%)、宅配サービス・持ち帰り(21%)でした。
逆に購入が減少したのは、旅行や交通、エンターテイメント、フードサービス、美容・ファッションなどの業界に関わるものです。
引用元:https://snapcart.global/covid-19-impact-on-indonesian-shopper-habits/
新型コロナウイルスの影響によって、消費者はウイルス感染リスクを心配する必要がないキャッシュレス支払いをより簡単で安全であると考えるようになりました。
インドネシアでは、コロナショックの前からフィンテック企業やOVO・GoPayなどのeウォレットアプリが急速に成長し、キャッシュレス方式の人気が高まっていました。
デジタル取引も2018年第1四半期の3,4兆ルピア(約248億円)から2019年第1四半期には6,9兆ルピア(約503億円)に増加していましたが、コロナショックによってさらにその成長が加速するものと考えられています。
ただし、インドネシアの一部地域、特に地方ではまだ完全にデジタル決済についての理解がされているわけではありません。
デジタル決済への不安がある場合、消費者は代金引換またはCash on Delivery(COD)を好みます。
引用元:https://teknologi.id/business/e-wallet-menjadi-opsi-pembayaran-favorit-masyarakat-indonesia
大規模な社会的規制(PSBB)により、多くの人々がオンラインショッピングを利用するようになったことで、配達ニーズの増加をもたらしています。
インドネシアの物流会社であるJNEの社長Feriadi氏は、通常、1日あたり100万件だった出荷数が、社会的制限下(PSBB)では30%増加したと述べました。
また、配車アプリ会社gojekによると、パンデミック期間中にはgodendという貨物輸送サービスの利用が、約90%増加したそうです。
※以前、goSendは都市内配送にのみの使用でしたが、gosend Intercity Delivery Serviceを使用することで、ユーザーは都市間で商品をも配送できるようになりました 。
(現在、ジャカルタ、デポック、タンゲラン、ブカシ~バンドンからの配送のみ)
フィンテック企業Jojonomicによると、2020年のeコマーストレンドは以下のようになると予測されています。
eコマースのユーザー人数と取引回数が増加するにつれて、配送サービスを提供する企業の数が増える。
インドネシアの遠隔地への配送は、ジャワ島やスマトラ島における有料道路建設などの政府によるインフラ整備施策で、より容易になり効率化されていく。
eコマース企業は、Facebook、InstagramのようなSNSがeコマースへ連携するマーケットプレイス機能を開始したことにより、よりSNSを活用したビジネス・マーケティング展開を行っていくでしょう。
多くのインドネシア人はSNSへのアクセスに時間を費やしているため、マーケットプレイス機能により、オンラインショッピングがより簡単になります。
キャッシュレスマネーなどへの需要の高まりや銀行による利用促進プロモーションによって、デジタル決済の成長が進んでいます
将来的には、eコマースがGoPay、OVOなどのさまざまなeウォレットと幅広く連携して、取引を促進する可能性が高いでしょう。
インドネシアの大規模な社会的制限(PSBB)によって、消費者の購買活動はオンライン上のプラットフォームに移行し始めています。
これは、eコマース関連企業にとっては、売上の増加や、より広いユーザーへのサービスの認知拡大など、良い影響を与えます。
今後は、これまで行っていたリアルでの売買は徐々にデジタルに移行し、オンラインショッピングはインドネシア人の習慣になっていくのではないでしょうか?
(編集:きたざわあいこ)