こんにちは!
クリスク・ジャパンの白似田です。
まずはこちらを見てください!
世界的に人気のサッカー選手・クリスティアーノ・ロナウドによるスポーツブランドのプロモーション投稿です。
「いいね!」が520万、コメント数は2万7千です!
また、こちらはインドネシアのサッカーリーグがInstagramで行ったベストゴールを投票するキャンペーンです。
こちらは再生回数・約59万回、コメント数・約1万8千件です。
この2つの投稿からも、サッカーやサッカー選手の影響力の大きさを感じますよね。
最近では、日本でも「スポーツマーケティング」という言葉をメディアで耳にする機会が増えてきました。
その背景には、スポーツそのものや、チーム・選手などがより私たちのライフスタイルに密接に関わっていること、そしてその影響力を企業のマーケティング活動に活かしていこうというトレンドがあります。
今回は、そんな「スポーツマーケティング」の中でも、インドネシアの特にサッカーにおけるSNSプロモーションについて、現地で実際にサッカー選手として活躍された松永祥兵さんに聞いてみました。
大手ECサイト等がサッカーリーグをスポンサード
── インドネシアでサッカーはどれくらい人気なのでしょうか?
インドネシアのスポーツでは、サッカーとバドミントンが人気です。その中でもサッカーは、プロサッカーリーグもあり特に人気の高いスポーツですね。
そのため、インドネシアのプロサッカーリーグ「リーガ1」は、2017年はインドネシアを代表するIT系企業「GO-JEK」(株式評価額(時価総額)が100億ドル以上と評価される注目企業)と旅行会社「traveloka」がスポンサードしています。
2018年からは、東南アジア最大級のECサイト・Shopeeもスポンサードしています。
▼参考記事
10万人規模のスタジアムが満員!盛り上がる東南アジアサッカーとその未来
ネット通販サイト『Shopee』の人気のワケとは
── Shopeeなどがスポーツマーケティングに積極的に参加していますね。
GO-JEKやShopeeなどの急成長しているIT企業がスポーツ関連ビジネスへ投資を行っていますね。これによりインドネシアの経済成長、スマホ・SNSの普及、Eコマース市場の拡大などの影響があると思います。
── 日本におけるソフトバンクや楽天などによるプロ野球チーム買収、株式会社メルカリによるJリーグ「鹿島アントラーズ」買収などのように、認知度拡大やユーザー獲得などを狙っているのと同じようなイメージでしょうか。
そうですね。来年には「2021 FIFA U-20ワールドカップ」がインドネシアで開催されることもあり、サッカーに関するマーケティング活動は、より活発化すると見込まれています。
▼インドネシアにおけるEコマース状況
スポーツマーケティングもローカライズが重要
── インドネシアならではと言える、サッカー関連のSNSの使い方はありますか?
まずは使われているツールですね。Instagramが中心です。日本での発信用SNSツールと言えばまずTwitterが思い浮かびますが、インドネシアではSNSはInstagram、メッセージアプリはWhatsAppがメインです。
そのため、インドネシアのサッカーリーグ、チーム、選手もInstagramを使った投稿が主流となっています。
── サッカー選手のSNS投稿で特徴として挙げられるものはありますか?
まず、前提としてインドネシアではプロサッカー選手の影響力が非常に大きく、成功者に対するリスペクトが高い傾向があります。また自分の力で高給を得ていることに対する社会的なステイタスも高くなっています。
そのため、サッカー選手自体も自身の影響力の大きさを理解しており、営利目的のプロモーション投稿だけでなく、ボランティアやチャリティなどに関する投稿も多くなっています。
▼140万フォロワーを持つインドネシアの有名サッカー選手Bambang Pamungkasもチャリティに関する投稿を行っている
マーケティングの前に必要なのは思いやり
── インドネシアはイスラム教徒が多いですが、意識されていることはありますか?
イスラム教徒が大半を占めるインドネシアでは、イスラム教への理解や配慮は、SNSでも必要となっています。例えば、ラマダン期間中の飲食をしてない昼間の時間には、食べ物・飲み物の投稿をしないなど、イスラム教の人たちが投稿を見てどう感じるかを配慮した投稿をしたほうが良いです。
基本的にインドネシア人は、日本人や外国人のイスラム教への知識不足については寛容ですが、相手へのリスペクト・思いやりは必須ですよね。
また、日本人など外国人がイスラム教に関する理解を示す投稿などをすると非常に喜んでくれる一面もあります。
当然ながら、ビジネス目的としてではなく、本音での投稿である必要がありますが。
このInstagram投稿は、私の地元である静岡県のイスラム教徒向け施設を紹介したものです。インドネシア人から多くの「いいね!」やコメントが寄せられました。
海外の方が自分の国や文化に対して、好意的な発言をしてくれるのが嬉しいのは、日本もインドネシアも同じですよね。
── インドネシアならではのSNSプロモーションの特徴はありますか?
プレゼントキャンペーン好きは世界共通だと思いますが、インドネシア人のGIVEAWAY(プレゼント)好きは、非常に特徴的です。日本人のマーケティングに関する感覚では、こういったプレゼント目当ての応募は好まれないと思われますが、インドネシアにおいてはGIVEAWAY(プレゼント)を活用したプロモーションが一般的です。
GIVEAWAY(プレゼント)があるかないかで投稿シェアのされ方などに大きな違いが出るため、この点は意識したほうが良いかもしれませんね。
── 最後にお聞きしたいのですが、インドネシアに向けた情報発信をするときに一番大切にした方がいいことはなんだと思いますか?
情報発信の専門家ではないサッカー選手の私が言うのもおこがましいですが、一言で言えば『相手への思いやり』だと思います。インドネシアの方は非常に親日的で優しく真面目な方が多いです。
こちらに対してそういう態度で接してくれるインドネシア人に向けて、日系の企業様などがSNSなどで情報発信する際は自分たち側の都合・要望からの一方的な投稿ではなく、その投稿を受け取る方にとってどういうメリットや良い点があるのか、不快な思いをさせないか? などの『相手への思いやり』をきちんと行うことが重要だと考えています。
これからも私は日本とインドネシアの架け橋として情報発信していきたいと考えていますので、ぜひいっしょに両国の交流を盛り上げていきましょう!
まとめ
日本に比べて若年層が多く(平均年齢約29歳)、経済成長が著しいインドネシアでは、サッカー選手などのSNS投稿を活用したインフルエンサーマーケティングやスポーツマーケティングは今後もより広がっていくと考えられます。
スポーツを活用したマーケティング活動も取り入れていくことで、自社や自社サービスを知ってもらうきっかけにできるでしょう。