こんにちは。
クリスク・インドネシアのタニアです!
インドネシアで人気の日本カルチャーと言えば、漫画やアニメといった印象がある方が多いかもしれません。
実際、2013年11月に放送された日本のテレビ番組では、インドネシアはフィンランドに次いで世界で最も漫画を読む国の2位にランクされました。
また、インドネシア人が最も日本語を学ぶ理由はアニメと漫画だと、国際交流基金の調査で分かっています。
しかし、最近ではSNSや日本のカルチャー情報サイトが増加したことで、コスプレ・音楽といったカルチャーも浸透してきてきます。
それでは、いったいどれくらいアニメや漫画以外の日本カルチャーが浸透しているのか、詳しく説明していきたいと思います。
L’Arc~en~Ciel、the GazettE、 SCANDALなど、日本で有名なバンドアーティストのCDアルバムは、インドネシアの音楽レーベルにより流通され、 インドネシアのミュージックストアで販売されています。
ちなみに、L’Arc~en~Cielのアルバムは常に約20万枚の販売を達成しているほど人気です。
2013年には、ジャカルタでONE OK ROCKがコンサートを開催しましたが、その際の観客動員数は、約3,000人。日本のTOKYO DOME CITY HALLと同じ規模のホールが埋まるほどの人気があります。
そして2011年には日本のAKB48グループで国外初のグループ「JKT48」が結成されました。
JKT48は、インドネシアの大都市を頻繁にツアーし、定期的に握手会を開催。日本文化に関連するイベントにも積極的に参加するなど、非常に活発に活動しており、Gingham CheckというアルバムもiTunes Indonesiaのチャートで2位を獲得しました。
JKT48のメンバー
引用元:https://bit.ly/2tVYKqy
インドネシアでの日本カルチャーイベントは90年代から開催されています。主催者も、教育部門から(高校と大学)、日本大使館、国際交流基金、大きなイベントオーガナイザーまで、様々です。
インドネシアで毎年行われる有名な日本カルチャーイベントを紹介いたします。
2019年のGJUIのイベント動画
Gelar Jepang Universitas Indonesia(GJUI)は、インドネシア大学の日本語学生が開催する日本文化祭です。このイベントは1994年に最初に開催され、2019年には25回目のイベントでした。
年々来場者は増えており、2019年は27,307人が来場。出展企業数も72に増えています。
過去にGJUIは、ガールズバンド・Silent Sirenや音楽グループ・Goose houseのリードシンガー竹渕慶(たけぶち・けい)などをゲストとして招待しました。
竹渕さんがGJUIに招待してくれたお礼としてInstagramアカウントにビデオメッセージを投稿すると、いいねが10,933件集まりました。
縁日祭(えんにちさい)はジャカルタのブロックMで行われる、「食」と「文化」をテーマにした最大規模の日本祭りです。このイベントはインドネシアに住む日本人起業家からの感謝の気持ちとして作られ、 2010年から毎年開催されています。
このイベントのハイライトは、神輿、山車、花魁道中などの大道芸のパフォーマンスです。また、2019年の縁日祭の訪問者は2日間連続で31万人に達し、企業や団体も約200ブースが参加しました。
インドネシアで日本カルチャーイベントが開催される際、切り離せないのがコスプレです。
アニメのキャラクターから特撮までコスプレする人が常にいます。熱狂的なファンが非常に多いため、ジャカルタ、バンドン、スラバヤなどの地域にはそれぞれコスプレコミュニティがあります。
Komunitas Cosplay Indonesiaというコスプレに関するFacebookグループには、20,370人もの人が参加しています。
インドネシアでのコスプレの人気は、プロのコスプレイヤーがいることからも分かります。また、そのレベルも世界的に見ても、非常に高いです。
インドネシア人コスプレイヤーの1人、Rian Cahyadiさんは、2013年から2019年の間にシンガポール、日本、モナコでのコスプレ大会の多くで1位を獲得しました。
このように、現在、漫画・アニメ以外にもたくさんの日本カルチャーが人気ですが、なぜインドネシアで日本カルチャーが人気になったのでしょうか?
そもそもインドネシアでは、90年代から民間放送局がさまざまなアニメの放送を開始しました。さらにElex Media Komputindoなどの出版社がインドネシア版の日本の漫画をリリースして以来、日本カルチャーは非常に人気になりました。
国際交流基金の文化部門の最高プログラム責任者Diana S. Nugroho氏によると、インドネシアはまだ宗教的・伝統的な儀式を大切にしています。これは伝統を守るためにお祭りを開催する日本と同じであり、感覚が似ているのだと言います。
また、インドネシアには様々な部族、言語、文化があるため、インドネシア人は多様性に慣れています。このような伝統やポップカルチャー、海外の文化など多様性を受け入れやすいインドネシア人の特性も、日本カルチャー人気に一役買ったと言えるかもしれません。
なお、現在ではインターネットにおける日本カルチャーの情報サイトがどんどん増えてきました。
最後に、人気のある日本カルチャーのポータルWEBサイトを紹介したいと思います。
インドネシアの日本カルチャー情報ウェブサイトやSNSは非常に多様です。アニメや漫画専門から、料理や旅行などの幅広い情報を提供するものがあります。
Instagram: 9万7000フォロワー
YouTube :2万5000フォロワー
Twitter:7万2000フォロワー
Facebook:79万フォロワー
2009年にJapan Landsという名で設立されたこのサイトは、最初は日本に関するユニークな情報を提供するブログでした。
2012年にJapanese Stationに変更し、日本の音楽、エンターテイメント、文化、ライフスタイル、料理などの情報を提供しています。
様々なコンテンツがあるため、Japanese Stationは最もフォロワーが多いメディアになります。
Instagram:6千フォロワー
Facebook:3万フォロワー
ARTFORIAは、デジタルアート、ストリートアート、インテリア、建築まで、日本の芸術と文化に関する情報を提供することに特化した情報サイトです。
また、インフルエンサーと日本カルチャー愛好家が接触し、経験と知識を共有する場でもあります。
Google Playストアでダウンロードできるスマホアプリも存在します。
日本文化はもはやインドネシア人にとって異質なものではありません。深い関心があるため、ポップカルチャーだけでなく、日本の伝統的な文化もインドネシア人によく知られています。
WEBサイトやSNSにより、インドネシア人に日本カルチャー情報は確実に広まっているため、これからインドネシアにどのような日本カルチャーが受け入れられていくのか、とても興味深いです。
(編集:きたざわあいこ)