皆さん、こんにちは!クリスク・インドネシアのジェリーです。
皆さん、VTuber(ブイチューバー:バーチャルYouTuberの略)という言葉を聞いたことはありますか?
VTuberはアニメのような2Dまたは3Dのキャラクターですが、絵を描いたり、ゲーム、料理、カラオケ、さらには他のVTuber間のコラボレーションなど、Youtuberやインフルエンサーとほぼ同じような行動をします。
元々日本が発祥ですが、韓国や中国に拡がり、現在では東南アジアへとその人気が拡大。タイとインドネシアには、ローカルオリジナルのVTuberも出現しました。
そこで今回は、インドネシアのVTuberについて説明したいと思います。
2016年に日本発祥のVTuber、キズナ・アイがインドネシアのYouTubeで人気になりました。
そして2018年、日系のVR(Virtual Reality)会社が「マヤ・プトゥリ」というVTuberをインドネシアで発表しました。
Maya Putri(マヤ・プットリ)
※残念ながら、2020年6月に活動休止を発表しています。
キズナ・アイとマヤ・プトゥリのおかげで、インドネシアでVtuberに対する高い熱意が知られ、日本から2つのエージェンシー、「にじさんじ」と「ホロライブ」がインドネシアに進出。
そして、インドネシアのオリジナルのVtuberエージェンシーである、Maha5(マハ・パンチャ)がVtuber事業に参入しました。
インドネシアでは、Vtuberがスーパーチャットトップ10に入ることはめずらしくありません。
スーパーチャット(Super Chat) とは、YouTubeのライブチャットや動画の公開時に、チャット欄で自分のメッセージを目立たせるための権利を購入する機能です。
Vtuberはよくライブ配信を行いファンとコミュニケーションをとっているため、このスーパーチャットがよく利用されます。
なお、インドネシアのVTuberカテゴリートップ10のうち、5つは「ホロライブ」、3つを「にじさんじ」が占めていますが、ローカルのVTuberもチャートインしています。
参考)playboard.co 2021年5月のインドネシアの「月間人気ランキング」トップ10
まず筆者の意見ですが、インドネシアでVTuberが人気になった1番の理由は、昔からインドネシアには日本文化が入っており、特にアニメや漫画の影響力が強かったことが挙げられます。
筆者も、もし「日本のどこが好きですか?」「なぜ日本語を勉強したんですか?」と聞かれれば、「日本のアニメと漫画が好きだから」と答えます。
こうしたアニメ人気の影響を受けている人が多いため、VTuberが好きな人も多いのだと思います。
なお、インドネシアのYouTuber・デディ・ダフラン氏は、「なぜインドネシアでVTuberが人気なのか?」という問いに対し、彼のYouTubeで以下のように説明しています。
1. 一般的なYouTuberとは異なり、ユニークなコンテンツが表示される
2. 特定の忠実なオーディエンスまたはニッチ市場を持つ
3. 自由でアクティブかつユニークなアバターの個性
4. ライブ配信や動画プラットフォームでファンとコミュニケーションがとれ、親密さを構築できる
VTuberには多くのフォロワーがいますが、中には何百万人ものフォロワーがいて、トレンドセッターになっているVTuberもいます。
VTuberのコンテンツのほとんどが、ローカルおよび外国の VTuberキャラクターと、ゲームやライブなどをコラボレーションしますが、 インドネシアの VTuberは一般のYouTuberとのコラボレーションや、教育、ユーモア、歌・カラオケ、製品レビューなど、さまざまな独自のコンテンツがあります。
そのため、様々な場面で活用できると考えて良いでしょう。それでは活用事例を見ていきましょう。
▼製品:丸亀うどん
・連携VTuber:マハ・パンチャのアンディ・アディナタ
▼製品:Duolingo (世界No.1の外国語学習法のアプリ)
・連携VTuber:マハ・パンチャのニア
▼製品:ASUS(パソコン・モバイルメーカー)
・連携VTuber:インドネシアのゲーマーYoutuber(ぷにぷん)とマハ・パンチャのVTuberたちのコラボ
▼よしもとのインドネシア住みます芸人とマハ・パンチャのVTuber アンディ・アディナタのコラボレーション。
▼初代インドネシア大統領夫人”デヴィ夫人”とVtuberのマヤ・プトゥリのインタビュー
▼日本のYouTuberパラメー(タクヤ)とインドネシアのVTuberのMintchanのインタビュー
▼VTuberのテッシャが物理学の説明動画
▼大統領選挙キャンペーン(マヤ・プトゥリ)
VTuberと聞くと、アニメやオタクのイメージがあるかもしれません。しかしVTuberのコンテンツはゲームやアニソンなどだけではありません。 彼らは一般的なYouTuberやインフルエンサーのように、社会問題や教育、商品レビューについても話しています。
世界がますますデジタルの世界に参入しているため、VTuberはユニークな性質と興味深いコンテンツで、これからマーケティングメディアの選択肢の1つになるでしょう。
(執筆:Jeillyta Chandra/編集:きたざわあいこ)