こんにちは、クリスク・インドネシアのジェリーです。
世界で累計16億ダウンロードを達成した「TikTok」アプリを、皆さんは使っていますか?
「TikTok」は、インドネシアを始めとした東南アジアでも非常に人気となっており、今回の新型コロナウイルスの影響で自宅時間を楽しむユーザーで賑わっています。
では、なぜTikTokはこんなにも世界で人気なのでしょうか。
そしてマーケティングにはどのように活かせるのでしょうか?
急に流行ってしまってついて行けていない… そんな方にもわかりやすいように説明していきます。
TikTokってどんなアプリなの?
2016年、中国・北京に拠点を置くBytedance(バイトダンス)社が現在の「TikTok」(中国では「Douyin」)の前身となるアプリサービスをリリースしました。
アプリ内では、動画の撮影から編集、投稿までがスマートフォン1つで出来るほか、ユーザー同士のフォローやコメント機能などもあるため、ショートムービーを使った動画SNSと言えるでしょう。
ダンス動画が有名なため、「TikTokは、30秒~60秒でダンスをする動画が集まっているんでしょ?」と思う人がいるかもしれませんが、最近ではたくさんのジャンルの動画が増えてきています。
ジャンルとしては、「観光」や「コメディ」、「ペット」「スポーツ」「ライフスタイル」などの動画などがあります。ちなみにインドネシアでは、ミュージック、コメディ、ファッション、メイク、料理の動画などが人気です。
アクティブユーザーが非常に多いTikTokは、世界中で月間8億ユーザーが利用しているとも言われています。
また、Apple App StoreとGoogle Playの両方からのダウンロードを組み合わせると、TikTokは2019年にWhatsAppに次いで世界で2番目にダウンロードされたアプリに輝きました。
TikTokが爆発的にユーザーを獲得できた3つのポイント
こんなにも人気のTikTokですが、なぜそこまで多くの人に受け入れられ世界中に広がっていったのでしょうか?
多くの理由があるとは思いますが、ここではポイントを3つに絞ってご紹介します。
ポイント① 若者からの支持を得られた
ソーシャルのトレンドの多くは、最初に若者から人気となり幅広い年齢層にまで広がっていきます。例えば、Facebookはもともとアメリカの大学生コミュニティで使用されていましたが、現在ではもっとも多いユーザーの年代は40代です。
Instagramもまた、若い人たちから広がったサービスですが、今では母親層などにも広く使用されています。
そこで、TikTokは最初から18歳以下のユーザーをターゲットと決め、若年層の習慣や好みを分析してアプリを制作したのです。
その結果、現在のTikTokユーザーはほぼZ世代(1990年代半~2000年代前半生まれ)とミレニアル世代(1980~2000年代初頭生まれ)の一部が主に利用するサービスとなりました。
ポイント② 動画制作の手軽さ
TikTokには動画を撮影・編集するためのいろんなツールがあり、例えばBGMにできる音楽や、写真フィルター、ビデオ編集などが用意されています。そのためパソコンなどがなくても、ユーザーはビデオを楽しく簡単に作成できるのです。
ポイント③ 各国ごとのローカライズマーケティング戦略
TikTokは150以上の国と75の言語で利用可能となっており、これを実現した中国初のアプリと言われています。
そして、ローカライズができているからこそ、現地の人気芸能人やインフルエンサーにも気軽に使ってもらうことができました。
日本で言えば、J-ポップ界のスター・きゃりーぱみゅぱみゅ、コメディアンの渡辺直美、ジャニーズアイドルグループの「嵐」も利用しています。また、有名人の一部は多くはTiktokのバイラル性に惹かれて利用を開始しているそうです。
他にも、ハッシュタグキャンペーン、賞品付きのタレントオーディションチャレンジなど、いろいろな企画も開催しています。
TikTokの問題点
素晴らしい成功を収めているように見えるTikTokですが、いくつかの問題点もあります。
それは、子どもを狙った犯罪者や、サービスを利用した嫌がらせやいじめです。
そのため、他のSNSアプリに比べてTikTokユーザーは多くの規制ができるようになっています。
▼規制例
- TikTokアカウントをプライベート設定(いわゆる鍵アカウント)
- コメント無効
- 検索からのアカウント非表示
- 投稿した動画のダウンロードの無効化
- デュエット機能の禁止
- メッセージ受信の制限など
TikTokを活用したデジタルマーケティング
SNSなどでのショートムービーの閲覧は世界的な行動習慣になってきており、多くの企業がマーケティング戦略としてこれを使用し始めています。
2019年の調査によれば、インフルエンサーのマーケティングプラットホームとして、InstagramとTwitterに比べてTikTokのエンゲージメント率が高いことが分かりました。
若い世代、特にZ世代は、マイクロインフルエンサーを追うためにTikTokに集まっています。最近ではTikTokのコンテンツがよくInstagramやFacebookにも投稿されているため、それを見てTikTokを始めるユーザーも多いようです。
インフルエンサーマーケティングはまだTikTokで広く行われている手法ではありませんが、活発化するのは時間の問題だと考えられています。
ソーシャルメディアでニュースや情報を入手している若者を獲得したい企業やマーケッターは、この年齢層をターゲットにした広告キャンペーンを展開していくでしょう。
そのため、TikTokでのインフルエンサーマーケティングを早期に採用することで、リーチを拡大し価値の高い情報発信で多くのオーディエンスとつながることができます。
インドネシアのPocky IndonesiaやLazadaのようなブランドは、すでにTikTokでチャレンジキャンペーンを行い、多くのユーザーにアプローチしています。TikTokのプラットフォーム力が勢いを増すにつれて、さらに多くの企業が追随していくのはもう間もなくでしょう。
まとめ
TikTokは、顧客ターゲットが16〜24歳位の年齢層であるならば、とても有効だということが伝わったでしょうか?
スマートフォンや、グルメ、ファッション、音楽、コンサート、観光地などのマーケティングには、ユーザーの年齢層的にも特に合っているかと思われます。
ぜひ、新しく、楽しく、魅力的な方法で視聴者とつながることができるTikTokを、2020年のキャンペーンに取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。
(編集:きたざわあいこ)