こんにちは、クリスク・ジャパンの劉(りゅう)です!
現在、新型コロナウイルスの水際対策のため、各国で訪日旅行が禁止されています。
しかし、日本製品と日系商品への需要は相変わらず高いため、東南アジア諸国では越境ECで日系商品を購入する人がとても多くなっています。
このように、コロナ禍の影響によりECの利用者数と利用頻度はさらに成長しました。この好成長はコロナ収束後も続くとみられています。
そこで今回は、東南アジアのEC市場の現状と人気ECサイトについて紹介したいと思います。
東南アジアのECサイト利用率
東南アジア諸国のインターネット利用率(対人口比率)は、日本より低いですが、インターネット利用者に対するEC利用率をみると、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナムは80%を超えています。これは、日本の74%、そして世界平均の77%よりも高い数字です。
なお、インターネット利用率が最も低いインドネシアですが、TokopediaやGojekなどEC業界のユニコーン企業の発祥国らしく、インターネット利用者に対するEC利用率は90%に近くとなっています。
東南アジアのEC市場成長率
Googleが発表したレポートによると、コロナの影響で、東南アジアのインターネット経済市場は2019年と比べて2020年は5%成長しました。
2025年までにはさらに24%成長。そして、Eコマースがもっとも成長すると予測されています。
Eコマースの成長が期待される要因の一つは、コロナ禍でEコマースの利用を開始したユーザーが、コロナ収束後も引き続きEコマースを利用する可能性が高いということが挙げられます。
同じくGoogleのレポートからになりますが、Eコマースの新規利用者のうち90%以上がこれからも継続的にEコマースを利用する意思があると回答しています。
コロナ禍で体験した便利なEコマースの利用経験がユーザーの心を捉えたため、今後もアクティブユーザーが増加すると予想されます。
東南アジア各国で人気のECサイト
日本では外資系のアマゾン以外にも、楽天やメルカリなど日本発のECサイトの利用率が高いですよね。東南アジア諸国でも、もちろんローカルに人気なECサイトが存在しています。
2020年東南アジア各国のECサイト利用者数
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タイ |
マレーシア |
シンガポール |
ベトナム |
インドネシア |
1位 |
Shopee |
Shopee |
Shopee |
Shopee |
Shopee |
2位 |
Lazada |
Lazada |
Lazada |
Lazada |
Tokopedia |
3位 |
AliExpress |
Mudah.my |
Qoo10 |
Sendo Tiki |
Lazada |
引用元: SimilarWeb
グラフ作成:クリスク
東南アジア全体に展開している国際的な大型ECサイトもあれば、ローカル独自の中小ECサイトが人気の場合もありますね。
以下で、それぞれ詳しく紹介していきます。
国際的な大型越境ECサイト
東南アジアで人気の越境ECサイトといえば、どの国でもシェア率がトップとなっているShopee(ショッピー)とLAZADA(ラザダ)です。
どちらも出品数が多く、迅速な配送と多言語対応可能なため、東南アジアのEC市場では不可欠な存在です。
Shopee(ショッピー)
シンガポールで設立。東南アジア主要6ヶ国のタイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシアとフィリピンに拠点を展開、各国のECサイト市場でトップ3に入るなど高いシェアを誇ります。
また、東南アジア以外にも台湾で最も利用されているショッピングサイト・アプリとなっており、南米とヨーロッパにも進出しているEC大手です。
特徴はBtoCとCtoCの出店が可能な点。
出店者はお客様対応と発送対応が必要となりますが、Shopeeは出店から販売開始後のプロモーション、発送料金負担などのサポートをしており、誰でも簡単に出店できます。
また、Shopeeはマーケティングにおける生放送、ゲーム・チャットなど、アプリとサイト内のエンターテインメント機能を開発、マーケティングにも力を入れています。また、定期的に大型キャンペーンを行うのも成長のカギといえるでしょう。
ネット通販サイト『Shopee』の人気のワケとは
Lazada(ラザダ)
中国のアリババの子会社であり、東南アジアで影響力があるLazadaは、「東南アジアのAmazon」と呼ばれています。
Shopeeと各国で利用者数ランキング1位・2位を争っているライバルで、Shopeeと同じように、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシア、フィリピンの東南アジア6カ国でサービスを展開しています。(2019年時点)
店舗運営を出店者に全て任せているShopeeと違い、カスタマー対応から在庫管理、発送までをLazadaが管理している直販モデルを選べます。Lazada独自の物流システムを活用することにより、発送スピードが他社より早いというメリットがあります。そのため、Lazadaの購入経験は良い評価が多いです。
ラザダはBtoCのビジネスモデルを中心していますので、他社より出店審査が厳しいと言われています。海賊版や偽物がないため、消費者は安心して購入できます。
独自のローカルECサイト
ShopeeとLazadaの次に本国発足のローカルECサイトの利用率も高いです。
こういったサイトは、日本からの越境ECサポートの対応は難しいですが、現地パートナーと連携すると出店が可能です。
ベトナム
・Tiki (ティキィ)
・Sendo(センド)
Tikiはベトナムのアマゾンと呼ばれ、BtoCのビジネスモデルです。Sendoは、CtoCが得意で都市圏以外のユーザーから人気を得ています。両社は2020年に合併合意の報道があり、これからベトナムのEC市場の競争が激しくなるかもしれません。
インドネシア
・Tokopedia(トコペディア)
・Bukarapak(ブカラパック)
2009年に開設したTokopediaはインドネシアで影響力が強いECサイトで、ビジネスモデルが似ているBukarapakはShopeeとLazadaからシェアを奪っている状況があります。
インドネシアの大手EC・Tokopediaとは!海外販路拡大にも使える
シンガポール
・Qoo10(キューテン)
e-bayグループのQoo10は、日本では韓国商品に強い越境ECサイトとして認識されているかもしれませんが、シンガポール人にとっては、誰でも知って知名度が高いECサイトです。2012年にスタートし、シンガポール国内のユーザー数は多いと言いますが、近年はShoppeとLazadaからシェア率を奪っています。
また、タイではFacebookグループでの個人取引が流行っています。
そして、マレーシアでは本国発足のMudah.myがShopeeとLazadaの次に人気を獲得しています。
【タイ最新マーケトレンド】FacebookグループでのEC販売がブーム
東南アジアのECサイトシェア率と越境サポート
こちらは、東南アジアの2020年ショッピングサイト訪問数ランキングです。
この中で日本から出店可能なのは「Shopee」と「Lazada」です。
Shopeeは2020年より日本から出店可能となりました。
日本法人を設置しており、Shopeeが初期費用、販売手数料無料のキャンペーンを実施しているため、出店コストを大幅に減らすことができます。
一方、Lazadaは2021年6月から日本からの越境ECが可能となりました。
アマゾンのような直販モデルが日本に適用されるため、傘下の物流グループと日本現地の物流会社と連携することで、東南アジア各国に直送することが可能です。最速9営業日で発送完了することができます。
こちらも現在、条件付きの発送料無料キャンペーン実施しています。
どちらのサイトも、今がチャンスですね!(※2021年9月現在の情報です)
まとめ
コロナにより、東南アジアのEC化は加速しており、これからもEC市場の拡大と利用者数の成長は期待できると見られています。
また、訪日旅行できない現状で、訪日ニーズが高い東南アジア各国には「日本ロス」のトレンドがあります。
そんなロスを解消するため、人々は日本製品を購入するため現地のECサイトを検索します。特にShopeeのような越境ECサイトの利用者にとって、日本製品と日本発送の商品のニーズは高いといえるでしょう。
次回は各国の人気日系商品と現地消費者の心を惹かれるマーケティング手法を紹介する予定です!ぜひご期待ください。
クリスクでは、東南アジアの越境EC進出もサポートしています。検討中の方は、まずはお気軽にクリスクにお問い合わせください!